【エッセイ】#12 昭和的思考の陰キャで厨二病、さらに脳筋。が、最強
最近読んだ本の中で、作家に求められる五つのモノが紹介されていた。
なかでも「かなり重要なモノ」と紹介されていた内容に、クビが痛くなるほどヘッドバンキングをしてしまったので、あなたとも共有したい。もし、あなたがこれを持っていたら、速攻で作家を目指すべきだ。
一つ目は、信念というか、わがままさ。なんじゃそりゃ。と思うかもしれないが、読んでみると納得してしまう。私は信念というより、わがまま、頑固さ、こだわりと解釈するのが一番だと思っている。
これらは自分の作品に対して信念があるかということ。
正直、私は「作品の理念」や「文学とはかくあるべき」のような崇高な信念を私は持ち合わせていない。だが、「私の作品は面白い」「絶対にこの内容で本を出したい」「この表現は絶対に譲れない」などのわがまま、頑固さは持っている。
作品、商品づくりにこだわりを持つのは開発者や作者の傲慢や自己満足だといわれている。これにより商品や作品の発展には悪だとさえいわれている。
だが、自分が納得する商品や作品を開発者や作者が愛さなくていいとは思わない。それこそ、他人のふんどしで相撲は取りたくない。洗濯がろくにできず、悪臭を放っていようとも、ずっと締め続けてきた自分のふんどしで相撲は取りたいものだ。臭いのは嫌がられるけどね。
とはいっても人間関係、コミュニケーションを円滑にするためにはある程度の忖度や譲り合いなどは必要だと思う。そのバランスを取りながら、他人に流されるだけでなく、わがままさやこだわりが作家には必要だそうだ。
二つ目は、根性。言い換えるのであれば、体育会系の脳筋力。これも納得だった。作品を書いていると、逃げ出したくなることがある。
「書けない」「思い浮かばない」「表現できない」「連想できない」などその理由は多岐にわたったり、折り重なったり、絡み合ったりしている。そんな思考にアタマを支配されそうになったときに、根性で書き続けることが重要なのだ。これには、私も全力で納得だ。
私も今まで何人もの執筆のお手伝いをしてきたが、これらの理由で筆を止める人がほとんどなのだ。最悪の場合、筆を折ることだってある。
しかし、こういった人達に対して、超スパルタに、超昭和的思考で「いいから書け。粗くてもいいから最後まで書け。書ききってから考えろ」というと、最後まで書ききってくる。しかもそれなりに整った作品に仕上がっていることがほとんどだ。
多分、手が止まったり、逃げ出したりしたいときって、誰かに背中を押してもらいときなのかも。「大丈夫。がんばれ」って。これって、筋トレと同じなのだと思う。有名人のコトバを借りるのであれば、「書け。培った筆力は君を裏切らない」だろうか。
三つ目は、妄想力。なんとなくわかっていたような気もするけど、やっぱこれが大事だよね。
妄想力は大きく、広く、深ければそれだけいいとのことだ。あまり多く言及する必要はないのかもしれない。陰キャだといえば通じるだろう。なぜならこれが最もイメージしやすいからだ。
キャラクターづくり、舞台、背景、プロット、伏線などなどをつくるためにはすべて妄想からはじまる。どれだけ、登場人物をアタマの中で動かすことができるか、どのような展開に広げていこうかなど、これは妄想以外のなにものでもない。
妄想が濃厚なモノになればなるほど、それを文章に落とし込んでいくだけなのだ。そのため、何を差し置いても妄想力が重要なのだ。昔は妄想をしていると気持ち悪がられてけど、作家には超重要な能力って、中二病だった頃の私に伝えてあげたい……。
四つ目。中学生までの国語能力。まあ、これに至っては、普通の日本語を理解して書けるってことなのだろう。ライティング能力に関しては、数をこなしていけばそのうち、ついてくるもの。だから、超基本レベルは欲しいってことだよね。
五つ目。睡眠。どこでも、どんなところでも寝ることができるのは圧倒的に強い生存能力だよね。よく寝ないで書き続ける人がいるけど、結果的にいい作品はできないよ。夜は筆が乗るっていうのも十分にしっている。
だけど……、しっかりと寝ろ。
ここまで作家に求められるモノを書いてきたけどさ……
・信念というか、わがままを持つ
・根性がある
・妄想が激しい
・中学生レベルの国語力
・寝むれること
こうやって書き出してみると、恐ろしい人物像が浮かんでくる。こんな人って「大人としてどうなの?」と感じるのは私だけだろうか?
ポジティブな見方をすれば「少年の心を忘れない大人」といったところだろうか。
昭和的思考の陰キャで中二病、さらに脳筋。が、作家に求められること。
明らかにアブナイ人やん……。
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