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夫の4ヶ月育休から見えてきた"男性育休"に立ちはだかる壁

男性が育休を取得することは、新しい家族の形態を形成する上では有益でしかないと思う。特に、数週間ではなく最低でも3ヶ月ほど取得できた場合は。

もちろん、お仕事の都合上難しい場合もあるだろうことは承知しているものの、数週間だと「家事育児のテーマを知る」に留まってしまい、「パートナーの悩み・葛藤を理解する」「子どもの変化を感じる」「新たな家族像をともに描き役割分担し直す」ことは難しい気がする。

会社だって、人が増えたり減ったり組織改編があったら、ビジョンや目標の建て直しや確認、役割分担の見直しをするはず。家族が増えるということは、ビジネス以上に今までの経験や知識が活かせない上、手を休めたら命が消えてしまう一大プロジェクトである。

だからこそ、赤子が新生児期を超えて哺乳・睡眠がある程度落ち着くであろう3ヶ月までは、ぜひとも育休を取って欲しいなぁと思う。
(24時間でなくてもいいと思う!半日とか、週3日とかでも🙆🏻‍♀️)


だがしかし!!

男性が数ヶ月の育休を取得し豊かな時間にしていくには、結構なハードルがあるのではないかと思う。「私(母親)は当たり前のように取得して仕事を休むんだから、パートナーも同じように取ってよ!」と言うのは簡単だけれど、もしかすると男性は女性以上に取得前・取得後で心理的な葛藤があるのかもしれない。(分かりやすくするため男女の区別で書くけれど、人それぞれ性格や特性はあるから、一概には言えない)


取得前の壁①:仕事=キャリアが中断することへの不安

女性にとっては当たり前だけれど、男性にとっては今まで考えたこともなかったキャリアの中断。特に昭和以前の男性は育休制度もなかったから、子どもが増えた=男はもっと仕事をして稼ごう!という方程式が潜在的に埋め込まれていたはず。
育休を取った方がパートナーのためにも家族のためにも良いはず、と頭では分かっていても、いざ取得するとなると、「ちゃんと復帰できるか?」「評価に響かないか?」「復帰した時自分の仕事はあるか?」と不安が尽きないのではないだろうか。

取得前の壁②:育休中の過ごし方が全然想像できない

①の不安と同時に押し寄せるのは、「育休数ヶ月も取って、俺何やるの!?」という更なる不安。

今まであまり家事育児をして来なかった人の場合は特に、その4文字の中に何が含まれるのかがイメージできず、育休取ってもやることないのでは?と最初感じるはず。例えば、朝食準備、長子の保育園送り、と箇条書きしたとしても、その中には「食材の在庫確認、メニュー決め、(子どもが起きる前に)前日の洗い物の片付け、調理・準備、提供、片付け」や「起こす、着替えさせる、食べさせる、保育園の荷物準備」など細かな見えない項目が含まれる。当たり前のことだけれど、普段関わっていない場合はフワッとしか想像できず「いやいや、それくらいなら仕事してても大丈夫やろ」と思ってしまうかもしれない。

取得前の壁③:会社からの理解不足

最後の壁はこれ!!
今は育休取得が推奨される時代なので非難されることは少ないと思うものの、上司世代は育休なんてなかったTHEマッチョイズムを生き抜いた人たち。もしかすると、「数ヶ月も取って何するの?奥さんに邪険にされて終わるよー?」的なことも言われるかもしれない。


そんな不安や障壁を超えて何とか育休を取るものの、その後にも更なる壁があるのが育休!(きっと。笑)


取得後の壁①:普段の仕事と全く違うことへの戸惑い

仕事は、目標があってそれに向けて役割分担して、各々の裁量で優先順位を決めて着実に進めていく。じっくり考えたいタイプの人は企画時間を設ければいいし、動きながら考えたいタイプの人はミーティングを組んで推進すればいい。

一方で、育児はすべての主導権を子どもが握っている。
1歳を超えてくれば、ごはん→遊び→お昼寝→お風呂…と言ったスケジュールを組めるものの、生後間もない時は授乳・オムツ替え・抱っこなどがいつ求められるか分からない。
育児本には「授乳は3時間に1回が基本」と書いてあるものの、そんな規則正しく飲んだり寝たりしないのが赤子。

加えて夜の寝かしつけも担当する場合は、基本連続で寝られても2~3時間位なので、睡眠不足にもなる。仕事でパフォーマンスを上げるために規則正しく寝よう、と思っていた人ほど、寝られないことへのストレスは高くなるのではないだろうか。

取得後の壁②:相談相手がいないことの焦燥感

ママ友とはよく聞くものの、まだまだ少ないのがパパ友。
育児家事のちょっとした悩みを打ち明けたり相談したりしたいと思っても、同じ境遇に立っている同世代が少ないと、なかなか発散させることができない。
職場には同じ経験をした人がいるかもしれないが、なんせ育休中なので連絡しづらい。かつ、旧友にも大した用事ではないから連絡しづらい。などなど。女性よりも圧倒的に気軽に誰かに聞く・相談することが苦手なのが男性という気がする。


取得後の壁③:正解がないことへの困惑・混乱

育児は、本当に正解がない。目の前にいる子ども一人ひとりが持つ性質によって、彼らが好むミルクの量や飲ませ方、睡眠の量やタイミング、抱っこの仕方など全てが変わるからこそ、“一般化して次の学習に生かす”ということがしづらい。今日、この子にとってご機嫌な関わり方ができたからと言って、明日も同じ関わり方でご機嫌をつくれるかは分からない。それ程に、子どもたちは物凄いスピードで変化していく。
だからこそ、ビジネスの世界で“複数の経験を一般化して示唆を出し、次の経験に生かして成長してきた”タイプの男性は、特に育児との違いに慣れることが出来ず混乱するのではないだろうか。



夫の育休は2カ月前に終了してしまったから育休期間中の様子や話を思い出しながらの執筆になってしまったけれど、これから育休を取ろうとしているパパさんや、育休取得を旦那さんに希望しているママさんがいれば、少しでも参考にして頂けたらと思う^^

我が家もまだまだチームビルディング中。
ゆっくり長い時間をかけて、新しい家族の形をつくりあげていきたいものだ🏠


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