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MITなど世界大学ランキングトップ校でも音楽を学べない大学はない説

「世界大学ランキングトップ校で音楽が勉強できない大学はない?」という仮説を立てそれを検証した

音楽を選んだ理由は単純に私が絵画やパフォーミングアーツよりも音楽好きだからである。また広い意味での芸術が学べることを検証しようとすると、芸術は英語で「Art」であり、この単語は学術的に幅広い意味で用いられ検索が難しいため、今回は音楽(music)を対象とすることにした。

研究方法

QS世界大学ランキング2022に掲載されている大学上位20校を調査する。地域は全世界、ロケーションは指定しない。QS世界大学ランキングでは1位を100点としている。

この評点のメソドロジーは、学術評判40%、雇用主評判10%、教員学生比率20%、引用数20%、国際教員比率5%、留学生比率5%の6項目であり、最も大きい学術評判項目とは、世界の大学教育・高等教育に関する研究者13万人の意見をベースに評点付けられている。

QS世界大学ランキングのWebページに掲載されている大学名を選択してGoogle検索する。検索ワードは「大学名+music」である。検索エンジンは国と言語によって正しい検索結果を表示することが出来ない場合がある。

例えば日本の東京大学はQS世界大学ランキングで23位であるが「The University of Tokyo  music」とGoogle検索した場合以下のような検索結果が得られる。

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正確な情報が得られていない場合は(この場合なぜか東京藝術大学が表示される)、より精査すべく「misic site:以下大学のURL」で再検索を実施する。

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検索結果の1ページ目音楽に関する大学の講義、大学学部名、学位名等が出ていない場合はその大学では音楽を学べないと判断した。

また、英語を母国語としない国の大学では英語版ページは母国語版と比較すると更新頻度が遅れている場合が見受けられた。その場合に限り、該当する大学の母国語版Webページを閲覧した。

筆者が理解できる言語は日本語、英語、中国語である。言語レベルは該当する言語で修士課程修了できるレベルである。

調査結果

QS世界大学ランキングの1位から順番に調査した。

マサチューセッツ工科大学

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結論から申し上げる。世界大学ランキング1位のMITで音楽は学べる。

MITと聞くと日本の感覚では東工大をイメージするがアメリカではMITは私立の総合大学である。工科大学という名前なのでエンジニアリングが強い大学だと思われるが社会科学の研究レベルも高い。

MITで音楽を学べるコースそれはマサチューセッツ工科大学人文社会科学部の「音楽・シアターアート専攻」である。シアターアートというのは舞台芸術や映画など劇場で公演される芸術作品を指している。

MITの音楽プログラムは専攻に関係なく、音楽史、作曲、音楽技術、クラシック、ジャズ、ポップス、ワールドミュージック等勉強したい学生全員を歓迎している。主専攻とすることもできればジョイントディグリー、副専攻にすることもできる。

しかも、決して音楽は片手間ではない。Alumni(卒業生)を見てみると、MITで数学専攻、修士課程音楽専攻、デューク大学でPhDを取得し、サンディエゴ大学で教授をしているクリストファー・アラン・アドラー

修士課程および博士課程でオペレーションズ・リサーチを先行したエレーヌ・チュー、学士課程で音楽と物理を専攻したダニエル・ウィリアム・ホスケンなど、それぞれ得意を活かして芸術活動を行っている。

数学専攻の人が音楽の道に進んでいる割合が多いように見える。全米の音楽学部で教鞭をとっていたり、アーティストとして活動している。日本では想像がしにくいが、MITで音楽を専攻することは普通ということである。

オックスフォード大学

QSによれば第2位はイギリスのオックスフォード大学である。名前は誰しも一度は聞いたことがあるイギリスの由緒正しき名門トップ校である。

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オックスフォード大学はエリートが集結して知的に勉強するための場所だから音楽などやる人はいないと思う人もいるかもしれないが、そんなことは決して無い。こちらも普通にオックスフォード大学音楽学部が存在している。

学部Webページによれば、「オックスフォード大学音楽学部は、英国で最大かつ最も活気のある音楽学部の1つです。音楽のあらゆる面で国際的に有名な教育と研究の中心地として、活動や勉強するための刺激的で刺激的な環境です」と記載するくらいに力を入れている。

いやむしろ「僕たちエリートだからこそ音楽くらい世界トップレベルで磨かないとまずいよね」という雰囲気すら感じる。当然ながら一つの学部なので学部から大学院までがっつりと用意されている。

カリキュラムは作曲、演奏家、音楽学者、民族音楽、音楽心理学など13にも渡り、マスタークラスやワークショップ、公開講演会、楽器コレクション、電子音楽スタジオなどのリソースが準備されている。パフォーマーも研究者もどんとこいという感じである。

つまり、オックスフォード大学で音楽を勉強することはできるし、むしろイギリス屈指の音楽学部であることを主張している。

スタンフォード大学

QSでは3位とされているのはスタンフォード大学である。名前は聞いたことがある人は多いと思うが実際どこにあるか知っている人は少ない。サンフランシスコの南、Googleもあるシリコンバレーという地域にある大学である。

上位2校が当然のように音楽専攻を備えているのであるから、シリコンバレーの名門校スタンフォード大学に無いわけがない。スタンフォード大学音楽学部というのが普通に存在している。

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「スタンフォードの音楽学科は、作曲、指揮、演奏、音楽史、民族音楽学、音楽理論、認知科学、インターメディアおよびコンピューターベースの技術における音楽制作と学術研究を結集しています」

スタンフォード大学の音楽学科はオーケストラや室内楽、ジャズ、合唱など様々な音楽ジャンルの勉強に加えて、美術史、民族文化、コンピュータ、電気電子、神経科学のような別の分野と学際的に連携した研究を強調している。

学部の音楽専攻としてもよいし、副専攻としてもよく、またパフォーマンスアートのサーティフィケート(証明書)も取得する事ができる。

また、音楽学部のサポートをしている「Friends of music at Stanford」という組織は80年以上音楽家たちを支援しており、大学全体で150人以上の音楽学生にレッスン奨学金の支援をしたり、国内および海外のパフォーマンスツアーをサポートしたり、経済的必要のある学生に経済的支援を提供したり、地域の子供たちに無料の音楽イベントを提供したり、訪問アーティストによるマスタークラスと学生への働きかけを提供したり、音楽学科が音楽指導と演奏のための施設を改善するのを支援したりしている。

なんと厚い援助を施してくれるのだろうか。ということでスタンフォード大学でも音楽をちゃんと学ぶことはできる。

ケンブリッジ大学

ケンブリッジ大学は前出のオックスフォード大学と並んで「オックスブリッジ」と呼ばれるイギリスのトップ校である。

オックスフォード大学にあるのにケンブリッジ大学に音楽学部が無いということは許されるのだろうか?と心配するまでもない。すぐにケンブリッジ大学音楽学部が見つかった。

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ケンブリッジ大学の音楽学部は21名の学術研究教員、20人の講師、200人の学部生75人の大学院生を有している。中世音楽、ルネサンス音楽、現代音楽オペラなどからポップ・ミュージック、民族音楽、作曲などこちらも広く科学的研究がされているようだ。

つまり、ケンブリッジ大学でも音楽がちゃんと学べる。

ハーバード大学

日本で高い知名度のあるハーバード大学はマサチューセッツ州ボストンのなんとマサチューセッツ工科大学のすぐ近くにある私立大学である。

なぜ日本でハーバード大学が最も有名なのかはよくわからないが、ノーベル賞受賞者輩出数ではマサチューセッツ工科大学についで第2位でありアメリカを代表する大学であることは違いない。ハーバード大学にも音楽学部がある。

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ハーバード大学の音楽学部には学部・大学院課程はあるが、さらに2つのダブルディグリープログラムを提供している。

1つはニューイングランド音楽院のプログラムで、学生は5年でハーバード大学から文学士号を取得し、ニューイングランド音楽院からMM(Master of Music)を取得する。

もう1つはバークリー音楽大学で、ハーバード大学で文学士号を、バークリー音楽大学でMMまたはMA(Master of Arts)を5年以上で取得できるという。

通常総合大学の音楽学部というのは単に技術を磨くというだけでなく、学術研究志向があるのだが、ニューイングランド音楽院やバークリー音楽大学はどちらもパフォーマンス分野でも有名な大学である。

演奏家として腕を磨きたいという場合でも、ハーバード大学からこうした大学のダブルディグリープログラムに参加することが可能である。つまり、ハーバード大学でも音楽は普通に学べる。

カリフォルニア工科大学

カリフォルニア工科大学通称Caltechは日本ではあまり知名度は高くないかもしれない。こちらは東のMITと比べて、西のカルテックと呼ばれる(たぶん)。大学としての歴史も新しく、ディープな理工系総合大学である。

カルテックは他の大学と比べて規模が小さい。学生数は2238人と日本の電通大の4605人とくらべてもその半分程度である。だから流石に音楽は学べないのではないかと思っていた。

しかし、調べてみると工科大学だからといって人文社会科学が疎かになることは決して無い。カルテックには音楽専攻こそなけれど、もちゃんとパフォーマンスアートが学べる機関が存在した。

カリフォルニア工科大学パフォーマンスアート・ビジュアルアートである。

学部教育を受けることはできないようだが、パフォーマンスアート・ビジュアルアート専属の教員が在籍しており、ちゃんと学生向けに単位を出している。

音楽関係単位で言えば、「ギター」「室内楽」「シンフォニーオーケストラ」「ウィンドオーケストラ」「ジャズ、インプロビゼーション」「グリークラブ」「シアタープロダクション」がそれぞれ3単位で提供されている。

学部、大学院としては無いのでカルテックで音楽専攻として卒業することは出来ないだろうが、音楽の授業を受けることはできるようだ。

インペリアル・カレッジ・ロンドン

クイーンのギタリストであるブライアン・メイが卒業し、なんなら最近天文学で博士号を取得したのがこの名門理工系総合大学である。世界大学ランキングでは堂々7位である。

残念ながら、インペリアル・カレッジ・ロンドンには音楽を学ぶための学部や単位を出す組織は存在しないようである。これはブライアン・メイに依頼して早く音楽学部を設ける必要があるだろう。

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もちろん、音楽やアートと全く無縁ということではなく、大学としてオンラインコンサートや音楽家とのオンラインミーティング、練習室の提供、音楽レッスンや貸し楽器の提供などを行っているそうである。

スイス連邦工科大学チューリッヒ校

有名なアインシュタインの母校でありスイスの名門理工系総合大学である。残念ながらETHにも音楽学部または音楽に関する単位を出す機関は存在しなかった。2連敗である。

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しかし、ETHはチューリッヒ大学(UZH)と隣接しており、音楽はチューリッヒ大学において音楽学部として提供されているようである。ETHとUZHとのジョイントコンサートも定例的に開催されている。

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ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)

こちらはロンドンにある名門大学でロンドン大学と呼ばれる。かの夏目漱石もイギリス留学中に英文学を聴講した。ロンドン大学はロンドン大学を構成する複数の教育研究機関の中心となる大学である。

ロンドン大学としては、王立音楽アカデミーや、ロンドン・ビジネス・スクール、キングス・カレッジ・ロンドン、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス等が存在し、それぞれ独立して学位を出している。

そういう成り立ちなのでUCLで音楽を学ぶというよりは、ロンドン大学の王立音楽アカデミーで音楽を学ぶということのほうが一般的であろうが、一応調査してみたところ音楽に関連する学位を出していた。

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それが、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン音楽教育修士課程である。

学部課程では音楽専攻はないようであるが、音楽教育に特化した修士課程としてイギリス国内だけではなく海外の音楽教育政策の実践に影響力を与えているという。また多くは博士課程に進学し研究を続けるそうである。

ということでUCLでは音楽教育を学ぶことができる。

シカゴ大学

シカゴ大学もまたアメリカを代表する私立総合大学である。やはりここにもちゃんと音楽学部がある。シカゴ大学の人文科学部門音楽学部である。

こちらは学部生はもちろん、大学院課程もある。それに学生向けに「なぜ音楽を勉強するのですか?」というページまで提供しており、副専攻としての音楽をものすごく後押ししているようだ。

「シカゴ大学では、関心や道筋が何であれ、大学を定義する厳格な探究の伝統を通じて、新しくエキサイティングな方法で音楽に取り組むことができます。これまでの教員は世界中の音楽研究分野を形作っており、現在の教員は幅広い分野の研究の最先端にいます。」

「あなたの関心や音楽への道筋が何であれ(whatever your interest in and path to music is)」歓迎しているという文言が素敵である。

シカゴ大学音楽学部は90年以上の歴史があり、音楽研究のリーダーとして振る舞っている。作曲、民族音楽、音楽史、音楽理論などそれぞれの分野で一流の学者が在籍している。

1980年代以降学際的な研究にも力を入れ、認知科学、心理学、物理学における音の生成、哲学、神学、人種及びジェンダー研究の共同研究も進められている。ということでシカゴ大学では音楽が学べるという。

ランキング11位以降の大学では音楽が学べるか?

11位のシンガポール国立大学には音楽学部がある。12位の同じくシンガポール南洋工科大学には音楽副専攻が用意されており、大学院課程には音楽教育修士課程がある。

13位のペンシルバニア大学には音楽学部がある、副専攻もある。14位のスイス連邦工科大学ローザンヌ校には音楽学部はない。ただデジタルヒューマニティー分野において「デジタルと認知音楽学研究室」がある。

14位のイェール大学には音楽学部がある。16位のエディンバラ大学には音楽の学士課程(Arts, Humanities&Social Sciences College)がある。

17位の清華大学には音楽専攻は無いが芸術教育センターがあり、音楽や芸術分野で優れた人材を採用する芸術団入試や大学院課程が設置されている。

18位の北京大学にも音楽専攻は無いが人文学系内に音楽に関係する講義が設置されている。また北京大学歌劇研究院というオペラを専門にしたアカデミーが設置されている。

19位のコロンビア大学には音楽学部がある。20位のプリンストン大学には音楽学部がある。

検証結果

検証の結果、QS世界大学ランキング上位20校において音楽学部が設置されている割合は60%であった。

また、音楽学部は設置されていないものの音楽専任教員の在籍するセンターの設置、音楽教育に関する課程の設置、音楽に関する単位を提供している大学の割合は25%であった。

また音楽に関する教育を提供していない割合は15%であった。

音楽学部を設置または音楽関連の学位を出している大学:12校 60%
MIT、オックスフォード大学、スタンフォード大学、ケンブリッジ大学、ハーバード大学、シカゴ大学、シンガポール国立大学、ペンシルバニア大学、イエール大学、エディンバラ大学、コロンビア大学、プリンストン大学

音楽センター設置、音楽教育・音楽関連単位を出している大学:5校25%
カリフォルニア工科大学、UCL(ただしロンドン大学機構としては王立音楽アカデミーが存在する)、南洋工科大学、清華大学、北京大学

音楽に関する学位、音楽関連単位が確認できない大学:3校 15%
インペリアル・カレッジ・ロンドン、スイス連邦工科大学チューリッヒ校、スイス連邦工科大学ローザンヌ校

考察

世界大学ランキングトップ20校を調査した結果、大学が正式な機関として音楽教育に関与をしていない、音楽に関して全く学べないという大学は15%しか存在しなかった。

20位以降には23位に東京大学がランクインしているが、冒頭で紹介したとおり大学として音楽学部や音楽学専攻は設置されていない。今回の調査方法ではシラバスを網羅しているわけではないので東京大学は音楽に関する学位、関連単位が確認できない大学に区分される。

ただ、東京大学のシラバスを「音楽」というキーワードで検索したところ、ゼミナールとして音楽に関する講義が全3件であった。もしかすると、専門的な音楽に関する講義は提供されている可能性はある。

しかし、それはインペリアル・カレッジ・ロンドン、スイス連邦工科大学チューリッヒ校、スイス連邦工科大学ローザンヌ校に関しても同様にシラバスまでは調査していない。

日本の大学はオーケストラやサークル活動といった活動は盛んである。また、東大工学部のピアニスト角野さんなど普通に才能ある人が別の勉強していることはある。

しかし、今回の調査で明らかになったように、多くの世界的な大学が音楽学部を有し、または人文科学の中に音楽研究を据えていることが多いのに対して、日本の総合大学ではほとんど音楽を学ぶことは出来ない。

むしろ意図的に音楽に関して総合大学から切り離して考えられているように見える。日本の大学は音楽が学べないことのデメリットとはなんだろうか。

世界的なコンクールでの活躍を見る限りでも演奏家や作曲家として音楽レベルが低いということはないだろう。それより、知を生み出すはずの総合大学に学生の知的関心に答えられない可能性があるのではないだろうか。

例えばアカデミー賞を受賞した「ラ・ラ・ランド」という映画の監督デミアン・チャゼルと、作曲家ジャスティン・ハーヴィッズはお互いがハーバード大学のルームメイトであったが(彼らが何を専攻していたかは不明)これは偶然とは思えない。

音楽が大好きで、学業もできる人物が大学に入学したとき、主専攻とする分野に加えて、大学が音楽に関する大学レベルの講義を提供しており、パフォーミングに関しても講師を招いていたら、主専攻に加えて音楽もまた高いレベルで活かすことができるだろう。

大学内でアーティストのセンスを持つ人との出会いも増える。前出のデミアン・チャゼルとジャスティン・ハーヴィッズのような関係性も築くチャンスができるかもしれない。

さらに、研究面でもメリットはあるだろう。MITやスタンフォード大学のように認知科学や物理・数学との関係性を追求して音楽分野や、心理学、物理学、数学分野に新たな視点を持ち込むことができるかもしれない。メディアラボでも音や音楽に関係する研究は珍しくない。

こうした研究の追求は日本の大学でも研究者レベルではされているものの、大学全体として学部生や大学院において学生の能力を伸ばし、主専攻に加えて、新しい視点や表現方法を育てるような教育はされていない。

こうした点に注目したとき、大学教育において音楽学部として音楽を学ぶ、芸術を学ぶことそれ自体に意味があるという以上に、大学に集まる学生が様々な興味関心を持つきっかけ、伸ばすきっかけを提供することこそが、本来のUniversityの役割であるとすれば音楽学部がないことは大学の教育機関としての価値を損ねているのではないかと思うのである。

今回の研究では、トップ20校に入っていないヨーロッパやオセアニアの大学について大学教育における音楽の立ち位置は明らかになっていない。またアメリカの大学において音楽学部が設置されることが一般的である理由については明らかではない。今後のさらなる研究が求められる。

研究後記

最近Twitterに「早稲田と東工大に芸術学部をつくりたい」と記載した。こんなことをもくろみている人間が存在すると宣伝することで、「日本の総合大学においてなぜ芸術・音楽が学べないのか?」という素朴な疑問を持つ人が増えることを願っている。

なお2021年8月24日現在2名の賛同者(いいね!)を頂いており、今後もこの活動を盛り上げていきたいと考えている。

ネタではなく理想としては本当につくりたいので大学関係者の方々共に大学のレピュテーション、教育レベル、研究レベルを高めて行きましょう。

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