風花雪月初見記5【メインストーリー:黒風の塔】
【前回のあらすじ】
教団は怖い。生徒も怖い。
【黒風の塔】
今節の課題は王国領に現れたある『賊』の討伐。その賊とは……
ゴーティエ家?それって……
ウチのクラス(スカウト勢)のシルヴァン=ジョゼ=ゴーティエのご実家ですか!?
しかも廃嫡とは穏やかではない。シルヴァンの兄もしくは弟になるということですよね? 廃嫡の理由は『紋章がないこと』で、王国では特別珍しい話でもないらしい。そんな……惨……。
おそらくですがマイクランくんは兄ではないですか?法的な(民法の類が存在するのかは分かりませんが)継承権一位が紋章持ち(シルヴァン)の上に居るのは、都合が悪かったのではないですか?
まあとにかく、とりあえずはこれが今節の課題とのこと。嫌な予感がしますが、頑張ります。
あとハンネマンさんが私を探してるみたいです。かなり行きたくないな。ハンネマンさん、露骨に私の““肉体””を狙ってくるので。
行きたくねえなって玄関でうだうだしてたらウチの級長に捕まりました。こいつも怖いんだよなあ、こいつはハンネマンと違って『肉体』よりも『天帝の剣』を狙っているようですが。
ごく自然に同席しようとするのやめなさいよ。
続いてはハンネマンの部屋。
クロードはなんか同盟のなんちゃらで連れて行かれたので単騎突入です。
おう来たぞ。
タイトル回収でした。
はー、ファイアーエムブレムってそういう……?
代々主人公がこの『炎の紋章』を宿しているのですか?
では、気を取り直して課題に。辛いだろうけど、シルヴァンは連れて行くことにします。気を遣って外されるのも嫌だろうから。
この子全然軽薄じゃないよね。
無理して軽薄に見せてないでそうしてなさい。
さて、ステージは塔。要塞めいたものを感じさせ、実際に北方の民を迎え撃つ要所のひとつだったみたいですね。下からも増援の挟み撃ち状態だったので、小分隊を作って対応するといった対応にしました。
進軍にターン数を持って行かれましたが、マイクランまではまあ、危なげなく。
え
おい……
お前ら…………
ふたりとも辛゛か゛っ゛た゛な゛あ゛😭
いや地獄! 信じられんくらい地獄。
マイクランも小さい頃から下に(この世界の尺度では)正当な継承者が居て、こんな……弟を『お嬢さん』って呼ぶくらいに辛い日々を過ごしてきたんだろうな。むしろシルヴァンが生まれる前からそういう扱いだったかもしれない。それほどフォドラにおいて『紋章』は重要なものであると伺っています。正直シルヴァンも『お嬢さん』とか呼ばれなきゃなんないほど甘やかされちゃいないと思うけど(この場で私に槍を振るわされているので)、それでも、いや、むしろ紋章を宿して闘うのは自分こそやりたかったことで、マイクランの受けてきた扱いには遠く遠く及ばないんだろうな。シルヴァンが生まれる前は、『弟に紋章がなかったら俺が守ってやんなきゃ』みたいに思ってたかもしれないな。実際生まれてきたのは紋章持ちで両親の愛を一身に受ける子だが(もしかしたらフォドラって、産前に胎児の紋章が分かる技術があったりします?だったらすみません)。
シルヴァンもシルヴァンで、この感じ……かなり居心地悪かったろうなあ。『貴様さえ……貴様さえいなけりゃあ……!』を聞き飽きたと言うくらいに。紋章なんてものは兄にあった方がと思った日もあったかもしれないな。兄自体が嫌いとかじゃなさそうだし、余計に嫌だっただろうな、この運命の廻り合わせが。てか、貴様さえ居なければ大丈夫なんだ?じゃあマイクランもシルヴァンが生まれる前はしっかり愛されていたのかもしれないな。紋章検査(?)前は優しい兄だったかもしれないし。そうなると余計さ……憎まれても憎めないし、後継者候補から外れようと軽薄なことばかりしていたかもしれないな。恐ろしいことにここまで全てが妄想です。
ん?
え……?
こんなのってないよ!!!!
同意だわ!連れてきて悪かったな!!
英雄の遺産、怖すぎだろ。
その身に不釣り合いな力を手にした代償とでも言いたいのか。
知ってる……?
つーかさ、ソティスは疑いようもなく女神様なんだろうな。その仮定だと、ソティスが眠りに就く前もこのようなことはあったってこと?まあ有りそうじゃあるか??
謎は残しつつ帰陣です。
レアさま怖くない?
なんか箝口令を敷かれた気持ちだぜ。
と、いうわけで英雄の遺産を返還し一件落着……
色々言いたいことはありますが、多すぎるのでひとつだけ。
シルヴァン……おまえ……
急に私を刺すな。
—5日目おわり—
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