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目にはさやかに見えねども

8月7日は立秋でした。

この頃になると、ふと思います。
日本語の中で「立秋」が一番好きかもしれないと。
それだけ連日の暑さに参っているということですね。

(まあでも、「感動を伝えたい」だとか「笑顔が最高のプレゼント」だとかよりは、よほど風通しのいい日本語です)

秋の立つその日が、たまたま雨降りだったり、
日差しの落ち着いた曇り空だったりすると、
今年は秋のおとずれが早いのかと、期待します。

そんなこんなで数日間は
暑さに終わりの来ない現実に目隠しをします。


    草も樹もかの日の匂い今朝の秋       梨鱗


もうしばらく会っていない人がいます。
初めて会ったのは、たしか立秋の頃でした。
どうしているのかな、と思います。
会ってみたいと思います。

人といると、その人の身体から出てくる空気みたいなものを感じます。
たぶん、僕もある種の空気を出しているのでしょう。

おたがいの空気がすでに変わっていて、
それを知るのは、ひさしぶりに会った時だとしたら
残念です。


元気でいるといいのだけど。
遠くからそう思うだけで充分だったりします。


    秋蝉のしづかなる辺に触れあへり


    肌といふ秋の湖へと身をひたす

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