【いろは歌】のレシピ〜その2~
◎七五調を意識する
それでは『フリージア』『花』『咲け』『開かれ』を組み合わせて文を組み立てていきましょう。
まずは試しに『フリージア咲け』と『花開かれ』で組み合わせます。
文字数で考えると『ふりーしあさけ(7文字)』と『はなひらかれ(6文字)』になりました。これを七五調に当てると前者は合格で後者は中途半端になりました。これは手を加えなければなりません。
『花開かれ』を七五調の7とするか5とするか。ここがパングラムにおける思考の分かれ道となります。『花開かれ』を一文字省いて5にするとしましょう。『はなひらか』つまり『花開か』となって、おかしな日本語ができあがってしまいます。なので、何か一文字足して7としましょう。
仮にここでは「た」を選んでみます。
『はなひらかれた』つまり『花開かれた』という7文字の文ができました。これを『フリージア咲け』と合わせてみます。
『花開かれたフリージア咲け』
悪くはないですが、これでは七七調の14文字ですね。なので2文字省いてみましょう。【メインワード】である『フリージア』は最初から5文字ですから、ここではそちらを尊重して邪魔な『咲け』を省くことにします。
『花開かれたフリージア(はなひらかれた/ふりーしあ)』
上手く七五調12文字の文が出来上がりましたね。
ひとまず一行分が完成しました。
◎七五をユニットとして考える
以上の過程を踏まえて、ここではなぜ最初は窮屈な七五調に挑戦した方がいいのかをご説明いたします。
端的に説明すると、よほどの言語パズル脳の持ち主でもない限り、最初から48文字全てを考慮しながら意味を為す文章を組み立てるというのはとても難易度の高い作業だからです。
何もないところにフリーハンドで絵を描くとか、設計図もないのに家を建てるとか、初心者が挑んでも失敗するか途中で投げ出してしまいますよね。
そういうわけで、まずは七五調というプラットフォームの上に、少しずつ単語を並べていきながら、最終的に意味を為す文を完成させる方が完成への近道だと筆者は考えております。
これが【いろは歌】【パングラム】の完成に大切な、文字の山から単語を抜き出し、それを上手く七五のユニットに乗せられるように選んでいく作業の初歩となるのです。
そうやって【いろは歌】や【パングラム】の作法に慣れていけば、もっと自由に組み立てて完成させることもできると思います。
当コラムではそのあたりを考慮して、七五調の四行構成での作成手順をご紹介しているわけです。
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