半導体産業について #4 シリコンウェハーメーカー

株式会社リュディアです。今回も引き続き半導体産業についてまとめてみます。

前回までの 半導体産業についてのまとめ へのリンクは以下を参考にしてください。

今回から具体的に半導体産業の分野別にいろいろな会社を見ていきたいと思います。まず半導体を製造するための材料を扱う会社から見ていきましょう。材料といってもいろいろあります。シリコンウェハー、または単にウェハーと呼ぶまさに半導体を作りこむための基礎になる材料から、製造の過程で使うガスや、フォトマスクというカメラフィルムのネガに相当するようなものも含まれます。

製造過程で使うガスなどを扱いだすと材料点数は膨大な数になるのでここではウェハーを供給する会社に絞ってまとめてみます。2020年の情報ですが以下に5位までの企業がまとまっています。

1位は日本の信越化学工業でシェアは 31.4%2位も日本の SUMCO(サムコ) で 24.4%2社を合わせると世界の 55% を占めることになります。2社の公式ページへのリンクを以下につけておきます。

信越化学工業は日本国内の化学メーカーで最大の時価総額と営業利益を誇る会社です。日経平均やTOPIXにも大きな影響を与える会社と言えます。SUMCOは三菱、住友系の会社で SUMCO に社名変更する前は三菱住友シリコンという名前でした。SUMCOは Silicon United Manufacturing COrporation の略とのことです。半導体材料で最も重要となるシリコンウェハーにおいては日本の2社によるシェアが非常に大きいことがわかりました。では3位以下を見てみましょう。

3位のグローバルウェハーズは台湾の新竹(しんちゅう)にある会社です。台湾が半導体や液晶関連の会社を集中させる経済特区です。グローバルウェハーズが日本の東芝系のウェハー製造会社を買収したグローバルウェハーズジャパンという会社もあります。シェアは17.8% です。

4位の SK Siltron は韓国の SKグループですね。巨大財閥の1つ SK のシリコンウェハー関連会社です。シェアは 13.5% です。

5位は Siltronicです。元はドイツの会社ですね。シェアは 9.8% です。ところで3位のグローバルウェハーズが5位の Siltronic を TOB にて買収しました。以下にグローバルウェハーズのプレスリリースへのリンクを記載しておきます。

この合併により SUMCO を抜いて世界2位の規模になるようです。海外の会社は次々に同業他社を吸収して巨大化していく傾向があります。

日本では半導体はダメになってしましましたが世界では半導体はまさに国力の結集として扱われています半導体材料を含む化学系の会社が日本の半導体関連会社における最後の砦と言われています。化学系はすぐに真似ができず成果が出るまで時間がかかるので参入障壁が高い分野と言われています。

日本でも今後、半導体分野への投資を増やしていくようなので、その間、信越化学工業や SUMCO には持ちこたえてもらいたいものです。ただ国が投資しても失敗する、という悲観的な考え方もありますので注意が必要です。たとえば以下のようなニュースがありました。確かに日の丸プロジェクトは失敗していることが多いですね...

半導体産業について に関するまとめの続きは以下からどうぞ。

では、ごきげんよう。


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