2025年度/令和7年度大学入学共通テスト 試作問題『情報Ⅰ』第1問の問2
リュディアです。引き続き試作問題の内容を詳細に解説しながら見ていきたいと思います。試作問題は次のリンクを参考にしています。
問2
次の文章の空欄(エ)、(オ)に入れるのに最も適当なものを,後の解答群のうちから一つずつ選べ。
データの通信において,受信したデータに誤りがないか確認する方法の一つにパリティチェックがある。この方法では,データにパリティビットを追加してデータの誤りを検出する。ここでは,送信データの1の個数を数えて,1の個数が偶数ならパリティビット0を,1の個数が奇数ならパリティビット1を送信データに追加して通信することを考える。例えば,図1に示すように送信データが「01000110」の場合,パリティビットが1となるため,パリティビットを追加したデータ「010001101」を送信側より送信する。
受信側では,データの1の個数が偶数か奇数かにより,データの通信時に誤りがあったかどうかを判定できる。この考え方でいくと,(エ)。
例えば,16進法で表記した「7A」を2進法で8ビット表記したデータに,図1と同様にパリティビットを追加したデータは,「(オ) 」となる。
(エ)の選択肢
0.パリティビットに誤りがあった場合は,データに誤りがあるかどうかを判定できない
1.パリティビットを含め,一つのビットの誤りは判定できるが,どのビットに誤りがあるかは分からない
2.パリティビットを含め,一つのビットの誤りは判定でき,どのビットに誤りがあるかも分かる
3.パリティビットを含め,二つのビットの誤りは判定できるが,どのビットに誤りがあるかは分からない
4.パリティビットを含め,二つのビットの誤りは判定でき,どのビットに誤りがあるかも分かる
<解説>
パリティビットまたはパリティ符号とはデータの伝送や記憶で発生するエラーを検知するための符号化技術の1つで、データ中の1の偶奇を表現するものです。これを利用して検出することをパリティチェックと呼びます。この問題はパリティビットやパリティ符号を知らなくても解けるように説明があるのですが、事前に知っていると精神的に安心しますね。では選択肢を見てみましょう。
選択肢 0 を最初に見たときには正解だと思いました。そのあと1を読んで、どっちかな?と再度考えるくらい微妙な選択肢だと思います。結論からいくと0 は誤りを含んでいます。パリティビットに誤りがあった場合は「データに誤りがあるかどうか」ではなくて「データに誤りがあるか、パリティビットに誤りがあるかどうかを判定できない」というのが正解です。0だけ読んで選択した方も多いかもしれませんね。
1 はパリティビットが偶奇の情報だけなので、どこに誤りがあるか、場所はわからないので正解となります。
2 はどのビットに誤りがあるか、場所はわからないので誤りです。
3 は2つのビットの誤りは判定でき、という部分が誤りです。
4 も 3 と同様ですね。
(オ)の選択肢
16進法で表記した7A を上位桁の7、下位桁のAにわけて考えます。
7 = 4 + 2 + 1 なので2進法で表記すると 0111
A = 8 + 2 なので2進法で表記すると 1010
16進法の7Aは2進法で 01111010 となります。この数の1の数は5個なので右端にパリティビット1を追加して 011110101、つまり1が正解です。
0.011110100
1.011110101
2.011110110
3.011110111
4.101001110
5.101001111
今日はここまでとします。
では、ごきげんよう。