半導体産業について #15 IPベンダー #3
株式会社リュディアです。今回も引き続き半導体産業についてまとめてみます。
前回までの 半導体産業についてのまとめ へのリンクは以下を参考にしてください。
今回は半導体IP の中のソフトIPについてまとめてみます。ソフトIP はハードウェア記述言語、あるいはそれを暗号化したファイルで提供されることが主です。英ARM を筆頭に英Imaginationあたりが2強でしょうか。厳密には今は英Imagination ではなくて中国の企業ですがこのまとめでは英 Imagination と記述します。
洗練された半導体 IP ビジネスの基礎、つまり半導体IP のライセンスモデルやロイヤルティモデルのビジネスを始めたのは ARM であると言われています。同じ時期にイマジネーションテクノロジーという会社も英国で創業され、今の イマジネーション になっています。
ARM は CPU Core、イマジネーションはGPUが主力製品と考えてください。他のソフト IP の会社からは画像処理エンジンの半導体IP、MPEG4などの汎用IP も提供されています。汎用のソフトIP はまたしても Synopsys と Cadence が大手の供給元です。ただソフトIP の断トツのトップは ARM になります。
特にARM は Eco System (生態系)と呼ばれる ARM を中心としたビジネス圏を構築したことが興味深いです。ARMを中心とした共同体 = ビジネス圏に他社が参加して一緒にビジネスを行うイメージです。例えば回路の設計だけでなく、ARMの CPU の上で実行するソフトウェアの開発環境を提供する会社やソフトウェアのでバグ環境開発会社などが参加しています。
また ARM がすごいのは、Intel, AMD のチップ以外の世の中の CPU や SoC と呼ばれるチップはほぼ中心に ARM の CPU Core が使われいます。アップル、NVIDIA, クアルコム、メディアテックなどほぼすべてと言ってよいほどです。一時期、どこが勝者になっても ARM が儲かると言われた時代もありました。
日本では日立グループが SuperH というマイコンシリーズで最後まで粘りましたが、それ以外は自社マイコンを諦めて ARM にシフトした時期がありました。今も各社が開発したマイコンを一部使っていますが、応用範囲の狭いカスタム品のみで広い顧客に販売するには ARM の CPU が入っていることが必須となります。
ハードIP とソフトIP をまとめてきましたがARMとImagination 以外は結局、Synopsys と Cadence という EDAベンダーに飲み込まれつつあるというのが今のマーケットの状況ではないかと思います。
半導体産業について に関するまとめの続きは以下からどうぞ。
では、ごきげんよう。