2025年度/令和7年度大学入学共通テスト 試作問題『情報Ⅰ』第4問 問1、問2
リュディアです。引き続き試作問題の内容を詳細に解説しながら見ていきたいと思います。試作問題は次のリンクを参考にしています。
第4問
次の文章を読み,後の問い(問1~5)に答えよ。(配点 25)
次の表1は,国が実施した生活時間の実態に関する統計調査をもとに,15 歳以上19 歳以下の若年層について,都道府県別に平日1日の中で各生活行動に費やした時間(分)の平均値を,スマートフォン・パソコンなどの使用時間をもとにグループに分けてまとめたものの一部である。ここでは,1日のスマートフォン・パソコンなどの使用時間が1時間未満の人を表1-A,3時間以上6時間未満の人を表1-Bとしている。
問1
花子さんたちは,これらのデータから次のような仮説を考えた。表1-A,表1-Bのデータだけからは分析できない仮説を,次の0~3のうちから一つ選べ。(ア)
0.若年層でスマートフォン・パソコンなどの使用時間が長いグループは,使用時間が短いグループよりも食事の時間が短くなる傾向があるのではないか。
1.若年層でスマートフォン・パソコンなどの使用時間が長いグループに注目すると,スマートフォン・パソコンなどを朝よりも夜に長く使っている傾向があるのではないか。
2.若年層でスマートフォン・パソコンなどの使用時間が長いグループに注目すると,学業の時間が長い都道府県は趣味・娯楽の時間が短くなる傾向があるのではないか。
3.若年層でスマートフォン・パソコンなどの使用時間と通学の時間の長さは関係ないのではないか。
<解説>
注意すべきは与えられている表から「言える、言えない」を判断するのではなく、この表がすべて与えられたとしたら、仮説を分析することが可能かどうか?です。「仮説が正しいかどうか?」を問うているわけではありません。そのように考えると選択肢1は時間帯を含む仮説なのでこれらの表からは分析不可能です。そのため正解は1になります。
問2
花子さんたちは表1-A,表1-Bのデータから睡眠の時間と学業の時間に注目し,それぞれを図1と図2の箱ひげ図(外れ値は〇で表記)にまとめた。これらから読み取ることができる最も適当なものを,後の0~3のうちから一つ選べ。(イ)
0.睡眠の時間が420分以上である都道府県の数をみたとき,表1-Aの方が表1-Bよりも多い。
1.学業の時間が550分以上の都道府県は,表1-Aにおいては全体の半数以上あり,表1-Bにおいては一つもない。
2.学業の時間が450分未満の都道府県は,表1-Bにおいては全体の75%以上であり,表1-Aにおいては50%未満である。
3.都道府県別の睡眠の時間と学業の時間を比較したとき,表1-Aと表1-Bの中央値の差の絶対値が大きいのは睡眠の時間の方である。
<解説>
まず箱ひげ図について理解しておく必要があります。私どもも以前にまとめているので詳細を理解したい方は次のリンクを事前にご覧ください。
では各選択肢を順に見ていきましょう。
0.これは成り立たないですね。箱ひげ図は箱の中央の線分が中央値で、箱の部分が平均値を中心として+/-25%の範囲を示します。そのことからも該当しないです。
1.表1-A で半数以上という部分がおかしいですね。箱の外側なので 25%以内程度となります。表1-Bにおいては1つもないという部分は正しいです。
2.これは文章の前半、後半とも成り立つので正解です。
3.箱の中の線分の場所を比較してください。この説明が誤っていることがわかるはずです。
答えは2です。
今日はここまでとします。
では、ごきげんよう。
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