高校数学 三角比(三角関数) #9

リュディアです。引き続き三角比(三角関数)について見てみます。今回は正弦定理です。正弦と名がついているので sin に関する定理のようですね。重要な定理ですのでしっかりと理解してください。まず正弦定理を見てください。任意の三角形の外接円の半径をRとしたとき次の式が成り立ちます。

この式は何を言ってるかというと次の比例式が成り立つということです。

この式の証明というほどではないのですが特殊な条件下で導出をしてみましょう。証明が目的では無くて皆さんの頭に残りやすくすることが目的です。本来は任意の三角形に対して成り立つ定理なのですが直角三角形を考えてみます。次の図を見てください。

直角三角形とその外接円です。外接円の半径をRとすると次のような関係が成り立ちます。

角Bと辺bの関係が導き出せました。簡単ですね。次に三角形の向きを変えて同じことをしてみます。

角Cと辺cの関係が導き出せました。こちらも簡単ですね。最後の角Cについても同じことをしたいのですがCが直角であるため対応できません。でも角Cと辺c の間にも同じ関係が成り立ちそうですから、その内容だけ確認してみましょう。

特殊な状況下ですが正弦定理を確認できました。もう一度正弦定理を書いておきます。

よくあるのは正弦定理の分子、分母がわからなくなるという意見です。ここは次のように考えてください。

sinA, sinB, sinCのA, B, C はせいぜい 0 ~ 180°までの間、つまり 0 < sinA, sinB, sincC ≤ 1 です。一方で辺の長さa, b, c は 0 < a, b, c < すごく大きな値、でもOK ですね。辺の長さなので何でもありです。もし分母がa, b, c で、分子がsinA, sinB, sinC である場合に辺の長さが非常に大きいとそれぞれの項が0に近づきます。しかし長い辺がある、ということは外接円の半径Rも大きいとなり矛盾しますね。このことから分母は  0 < sinA, sinB, sincC ≤ 1で制限されるsin、分子は辺の長さなので何でもOK と考えてください。こちらも毎回考えるのではなくて、一度、この考え方が理解でれば次からは自然に式が出てくるようになります。いずれにせよ、暗記するよりは考える癖をつけてください。

では、ごきげんよう。

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