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MISERYに支えられた幼少期と、好きな音楽の話。

hideのMISERYが好きだ。
アップテンポではあるが、とても優しく包み込んでくれる曲だと思う。


あれは確か小学三年生くらいの頃。
傍らで眠る四兄や妹に聴こえないよう、布団の中に潜り込みイヤホンでhideのアルバム「PSYENCE」を聴き込んでいた。
その15曲目が「MISERY (remix version)」だった。

当時の私はすでに精神的に参っていた。
酒と煙草の匂いをさせながら、私の体を弄る為に布団に潜り込んでくる実父。
その実父に「豚」と呼ばれながら逆らうことなく過ごす母。
そんな夫婦の営みを昼間から見せ付けられた事もあった。
同居している伯母は妹である私の母と毎日のように激しい言い争いをしていた。
四人の兄達は私を「可愛くない」「ブス」「デブ」と罵り、妹を可愛がった。

頭が狂いそうだった。もう狂っていたのかもしれないけど。
毎日悲しくて苦しくてどうしようもなかった。
何をしたら楽になれるか、どうすればやり過ごせるかと考え暮らしていた時にhideの作る曲達に出逢った。

hideの曲はポップなんだけど切なくてカッコよくて夢みたいで優しくて、当時の私に寄り添ってくれているような気がした。
端的に言えば現実逃避をさせてくれたのだ。
その中でも「MISERY」が一番私の心に刺さった。


悲しいと言うならば 空の青ささえも
届かないもどかしさに 君は泣くんだろう
君の小さな身体包んでる夢は 痛みを飲みこみ 鮮やかになる
hide MISERY 歌詞より引用

このフレーズを聴いた時、この苦しみもいつかは何かの糧になるのだと思えた。
こんなに醜くて薄汚れた私でも存在していいのだと思わせてくれた。

hideだけじゃなくその後も色々なアーティスト達が私を支えてくれた。
GLAY・L'Arc~en~Ciel・DIR EN GREY・the GazettE・Janne Da Arc・メリー・シド……挙げていけばキリがない。


最近ではキズというバンドにハマっている。
大好きなボーカリストである摩天楼オペラの苑さんとコラボしていた事で知った。
今の私をギリギリのところで支えてくれているのはキズかもしれない。
とにかく楽曲も演奏技術も歌声も全てが素晴らしい。
そして「生まれなくて良かった」「一緒に死のう」と歌ってくれるバンドは最近ではあまりいないのではないかと思う。
いつだって苦痛と哀傷の日々の癒しになるのはそういう曲達だ。

キズに興味を持ってくれた方はまずはコラボ企画の「一撃」の再生リストから聴くのがオススメ。
様々なゲストボーカルを迎えてキズの楽曲を一発撮りするという企画。
摩天楼オペラの苑さんが出演したのもこちらの企画だ。
メリーのガラさんが出演した回は、ガラさんの一フレーズ目で涙が溢れた。
あんなに切なく悲しげに、それでいて力強く歌える方を私はガラさんの他に知らない。
語り出すと終わらなくなるのでこの辺にしておこう。

いずれは書きたいと思っていた事を書いたら、日記というよりは随筆になってしまった。
ただの一般人が思うがままに書き殴った記録なので許してほしい。

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