私が彼に惹かれた瞬間のキロク
※2022年5月4日にツイートした文章に少し修正を加えたものです。
連休中にどうしてもやりたかったこと。
2年前の私と千葉雄大さんにまつわる思い出話を文字に残したい。(超長文です)
おっさんずラブintheskyが最終回を迎えたころ、地元の札幌芸術の森美術館の展覧会の前売りが始まった。「みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ―線の魔術」だ。
アール・ヌーヴォーの時代が好きなこともあって絶対に行きたい!と前売券を購入し行けるタイミングを推測っていた。ところが年が明け2月初旬、コロナが北海道に広がり始め、全国に先駆け緊急事態宣言が発出されてしまった。美術館は無期限に閉館となり、ミュシャ展も再開の兆しは見えなかった。
もうダメかなと諦めかけてた4月の初め、一時だけ美術館が再開した。ミュシャ展も再開のお知らせが。もう絶対に行かなくてはならないという衝動にかられ、仕事を無理に早退して車を飛ばして美術館に向かった。
人数制限で客はほとんどいなかった。
音声ガイドは 「千葉雄大 」だった。ヘッドフォンを耳に当て、仄暗い入り口で1番の再生ボタンを押すと、「私の名前はアルフォンス・ミュシャ…」と落ち着いた声が私の耳元で囁き出した。
私は足を進めてメインのリトグラフの前で立ち止まった。ガイドのボタンを押すと、劇場に自分の絵が飾られた喜びに躍る千葉くん演じるミュシャの声。目を閉じると当時の印刷所の輪転機の音や、馬車の音、土煙やインクの匂いまで漂ってくるような錯覚に陥っていた。
この一瞬から私はミュシャの生きた時代にタイスリップし、作品の世界に入り込んだのだ。ミュシャ本人の肖像でもない、あるのは彼の作品と千葉くん声の芝居だけ。それなのにこんなにも想像力を掻き立てられるなんて。私は彼の声とこの不思議な感覚にしばしの間酔いしれていた。
私と作品と彼の声だけの空間、独り占めしていたという何かとても贅沢で貴重な時間。今でもこの不思議な感覚と耳元から聞こえた彼の声は鮮明に覚えている。
そして、またいつの日かこんな不思議で素敵なトキメキを私は待っている。
#千葉雄大 にまつわる私の思い出
ご静聴ありがとうございました♪