『千束の銃』③
クルミは自分なりに答えを見いだしたいのか、俯いたまま数秒沈黙を貫いた。
「……千束が今日一発だけ仕事で撃った、その結果、射撃訓練をする事にした……か」
ん? と、クルミは顔を上げる。
「何かアレだな、こんなゲームなかったか?」
「あ、『ウミガメのスープ』ですね」
たきなが言うと、千束が、それだ、とばかりにパチンと指を鳴らし、クルミは指をさしてくる。
『ウミガメのスープ』はいわゆる推理ゲームで、はシチュエーションパスルや水平思考パズルと言った名前の方が世界的には一般的だ。
まず出題者がそのままでは矛盾をはらんでいたり、意味が通じないストーリーを出す。
そして何故そうなったのか、回答者が質問を繰り返して真相を見いだしていく……というゲームだ。