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なくし物


ないものがほしい

両親がいて、たっぷり愛されて、幸せそうなあなたを見てる

あぁ、私と出会わなくてもきっと幸せに生きていけるんだろうな

どうしようもない劣等感をそっと仕舞って、何も気が付いていないふりをする

触れた肌が、やけにあったかくて、じんわりと固まった私の心を溶かす

他の人みたいに、あなたみたいに、生きてみたかった

寒い夜、ぽつりと溢した言葉を掬ってくれたはずの彼は甘い夢へと消えてしまった

きっと、あなたもいつかは消えてしまう幻

全てを話してしまったら、歪んだ顔でそっと私を見つめることしかできないのでしょうね

溶けていく

甘くて苦い、

クリームコーヒーみたいに時間が経てば、美しさも失われてしまう

せめてあなたが私のそばにいるうちは自分の醜さを忘れていたい

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