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【Educussionレポート】 熱狂の灯が、燎原の火のように熱く燃え盛る日まで。


5月23日(土)、「第2回エデュカッション(Educussion)」が開催されました。これはラーン・バイ・クリエーションのワークショップとして企画したオンライン教育会議で、世代もハンディキャップも越えて幅広く集い、Zoomの画面上で熱い想いを交わしました。
当日のイベントの模様を、自らの意志でボランティアとして手を挙げ参加してくれた3人の学生ライターがレポートしてくれました。
トップバーターとして登場するのは、前回のエデュカッションで「毎日が文化祭」という名言を残した高校生の上田けいくんです。

熱狂の灯が、燎原の火のように熱く燃え盛る日まで。


今回からライターのボランティアをすることになった高校生の上田です。
エデュカッションには、母に誘われて参加しました。
今まで行われた2回とも参加しています。
今回僕が皆さんにお伝えしたいのは、第2回の「熱狂」というテーマについてです。

皆さんは、「熱狂」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
例えばサッカーのW杯であったり、オリンピックであったり、音楽フェスであったり、大勢の人がそのイベントに夢中になっている状態を思い浮かべるのではないでしょうか。「熱」という字や「狂」という字から連想されるものとして、そのイメージは自然なモノでしょう。

しかし、「熱狂」という言葉は、他の場合にも当てはまるのではないでしょうか。子どもが一人遊びに夢中になっているとき、無口であっても本人はそれに「熱狂」しているでしょうし、トレーニングなどを淡々とこなしているような人でも、静かな「熱狂」の中にいると言えるでしょう。
そんな「熱狂」について、2回のグループセッションを通して僕が学んだことをお伝えしたいと思います。

まず1回目のグループセッションでは、3つの問いが用意されました。
1) あなたが熱狂するときは、どんな瞬間ですか?
2) そのときのことを具体的に教えてください。
3) 何があなたを熱狂させましたか?

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以上3つの問いについて、グループ内でお互いに聞きあう形で各々の体験をシェアしていきました。

僕は、小さいころから好きなサッカーを中心としてお話しさせていただきました。1つ目の問いに対する僕の答えは、「サッカーの試合を見ているとき」、また、「自分がサッカーの試合に出ているとき」です。幼いころから毎週のように試合の観戦に行っていたことと、小学校3年生頃からチームに所属して本格的にサッカーを始めたことをもとにお話ししました。

お話していくうちに、2つ目、3つ目の問いに対して「観戦しているとき」と「自分が試合に出ているとき」の両方に共通する答えが浮かんできました。それは、「周りに人がいて、続けてきたことが報われたとき」「続けてきたことの結果が、徐々にではなく急激に結果として現れたこと」です。
同じチームを応援している人、自分のチームメイトなど、周りに同じ景色を見ている誰かがいて、応援し続けてきたということ、試合に勝つために練習を続けてきたということが、その時間が結果として現れるということに、僕は熱狂するのだとわかりました。

ただ、これは僕の場合にすぎません。
僕は「嬉しい」が熱狂の主な要素でしたが、他の方の場合は、理不尽なことに憤りを感じて今の職業につき、そこに熱狂を感じていたと仰って下さったので、「憤り」が熱狂の素となることもあると言えるでしょう。

また、大学生の方は友達が作りたいと言っていたサークルを一緒に作る過程に熱狂していたと仰って下さったので、「楽しい」もその要素になると言えます。

この1回目のグループセッションのまとめとしては、人によって熱狂の方向性が違うこと、しかし、周りに誰かがいて、その声を代弁するということ、その人に協力するということ、その人と一緒に何か結果を残すということが熱狂の特性であるということがわかりました。

その後、それぞれのグループで出た内容を全体に共有するステップにすすみました。
そこで出た内容を加味してもう一度「熱狂」について考えたとき、僕の中でこのような考えが浮かびました。

「熱狂」とは「今まで点でしかなかったものがつながる瞬間、また、0が1になる瞬間に起きるものなのだ」ということです。

努力も、結果が出るまでは経験としての点でしかありません。
努力自体が目的ではないので、その先にある結果までを見据えたとき、努力はほんの小さな点でしかないでしょう。
しかし、ある瞬間に、ふとした時に、その努力が結果として現れる、その瞬間に全ての点が繋がり、その点同士がつながるエネルギーが熱狂として僕たちを熱くさせるのではないでしょうか。

しかし、ここで2つ疑問が生まれます。
1つ目はどうすれば点同士がつながるのか、0が1になるのかということです。確かに、努力をすれば点は増え続けるでしょう、しかし、それだけでは熱狂にまでは至りません。
その繋がりは、どのようにして生まれるのでしょうか。

2つ目は、その熱を絶やさないためには、どうすればいいのかということです。
1度熱狂してすぐに燃え尽きてしまうのではなく、その熱を持続させるということ、点を増やしながら、それ繋ぎ続けるということ。
この2つの疑問について、2回目のグループセッションでグループの皆さんに質問させていただきました。

僕は高校生なので、学校という枠の中で点を増やし、繋げていかなければなりません。
しかし、どうしてもその限界はあります。毎日同じように学校の課す「ねばならない」をこなしていると、自分の興味を起点にして点を増やしていくということも難しくなります。
そこで、人生において先輩の皆さんに「どうすれば学校生活の中で自分の興味の範囲を広げたり、その興味を自分の思うとおりに深められるのか」という質問をさせていただきました。

最初に答えてくださった方は、大学で野球をするという大きな目標があったため、高校はその手段でしかなく、そこで課せられるものは自分にとって苦にならなかったと教えてくださいました。
この言葉は、今だからできることに執着しすぎて、それをやる場所は他にもあるということに気づけていなかった僕に強く響きました。
また、大学生の方のお話で、一人でできることとみんなでできることの両方を考えて、行事の時だけでなく、普段からみんなのパフォーマンスがあがり、どうすれば毎日が楽しくなるかをひたすら考えていければいいという言葉もいただくことができました。

この枠から、別の場所へ。
周りを巻き込みつつ、その熱狂を生む点そのものを増やし続ける。
そこへ加える自分の覚悟は、何にも負けない燃料となり、その熱狂の渦はきっと長く人を幸せにするはずです。

今、世界はコロナ禍にあり、周りを巻き込んでの熱狂というのは難しいかもしれません。
しかし、今だからこそできる静かな熱狂もあると思います。
例えば友達と動物の森をやるでもいいし、自分の興味のあることをとことん調べる作業に入ってもいいし、僕たちには実はたくさんの選択肢があったということを再確認できる時間なのではないでしょうか。
僕は今、家で「そのとき」のための準備を進めています。
高校生なのに、高校生だからこそ、できる何かがあると思っています。

熱狂の灯は、僕の中にも、きっと誰の中にもあるものです。
それが燎原の火のように熱く燃え盛る日まで、お互いにその灯を絶やさないようにしましょう。
いつかその火が交わり、楽しくて仕方がないような毎日が来ることを願っています。

文章
上田 けい|Learn by Creation ワークシップ・チーム 学生ライター

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セッションそれぞれの全体での共有、そしてEducussionを通じての全体での感想を、こちらも参加者の方がスペシャルサポーターとしてグラフィックレコーディングをし作品として仕上げてくださいました。
ぜひ合わせてご覧ください。

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グラフィックレコーディング
東郷 りん |Learn by Creation スペシャルサポーター

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