ファンマリージョ観察日記20181110
鳥栖のディフェンス(金監督以降)
鳥栖4‐4‐2は2トップのファーストディフェンスからサイドに誘導し2列目チェーン(プレッシャーライン)で自陣侵入を食い止める守備。フィッカデンティ時代はサイドのスペースは捨てることで中央を固めるトレードオフを選択し徐々にワイプアウトしながらカウンターを狙うスタイルだった。金監督になり中央が2CB-2DHでボックス形成することで強度を確保しつつ、センターサークルとタッチラインの間あたりにプレッシングポイントを上げていこうという意図が見える。
鳥栖のオフェンス
オフェンスについてはトーレスのいるゴール前まで「誰がどのように届けるか」の工程はまだ工事中といったところ。GK権田のパントキックはトーレス以外の金崎、小野あたりをターゲット。つまりセカンドボールをトーレスの前に落とすことを狙っている。半身で構えつつ裏に抜けるトーレスにパスを届ける選手がいないのもこのようなかたちになったのか。
神戸のビルドアップ
○うまくいかない例
13:50〜
スローインからボックス幅に2CB広がることでGK+2CB+藤田で菱型陣形。鳥栖2トップは中央/背後のパスコースを消して外に追いやろうとする。藤田は2トップの背後かつセカンドラインの間に位置する。
14:05
藤田が落ちて鳥栖2トップの視野に入りながら3バック形成。大崎がタッチライン際に張り出してロングボール。ただし現状のスタメンではロングボールを収めるのが得意な選手はいない。確率論からすれば分が悪い。
ということで3センターの藤田or伊野波が落ちて2CBが開くも相手2トップと2列目のプレシャーラインにボールを流し込めない現象が目についた。
そのためイニエスタとポドルスキーが下がることで ボールを前進させる端緒を開くことになる。
○上手くいった例
17:04
金崎がヤセルに食いつくも剥がされバックパスから大崎が比較的スペースを与えられた状態で2トップの間を持ち上がりながら縦パスを通す。このときイニエスタのポジションはセンターサークルの頂点付近からやや左で相手ゴールが見える位置。
18:00
大崎ーヤセルがボックス幅で開いた状態で三田が2トップの間で引きつけてからバックパス。大崎-伊野波から縦パスで鳥栖2列目のプレシャーラインを越える。
古橋は鳥栖の2CB-2DHで形成されたボックス守備の中に侵入して揺さぶる。
21:50
スローイン〜大崎ーヤセルーティーラトンで鳥栖陣形プレシャーラインの外側循環からイニエスタ
24:24
バックパスをGK前川が張り出したティーラトンへキックで届けてヘディングで落とす。
神戸のオフェンス
鳥栖のボックス守備をどう動かすかという点については古橋が1トップで裏を狙うことでラインを下げさせスペースを創出しつつポルディ、イニエスタが3列目の横でボールを持つことで駆け引きをしたが、ボックス守備内のペネトレーターが不在だった。