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【コラム】#2 視線が交わる先
20年ほど欧州に住んでいる リサ@サブミッシブ です。
日本を離れていると、時折、日本の古典や歴史について再学習する機会があり、そのたびに日本語の優美さに感銘を受けます。(周囲からの質問がきっかけなこともありますが、ね…)
例えば、「まぐわう」。
意味がすぐに分からない方もいらっしゃるかも…ですが、
端的に言うとセックスをすること。
他にも、「色ごと」、「情事」、「密通」…、性的な表現は多様ですが、特にこの言葉に魅力を感じるのは、二人だけの時間を感じさせる点かもしれません。
漢字で書くと、「目交う」。つまり、二人の視線が重なり、相手を見つめ合うことを指します。
日本最古の書物である『古事記』に登場する「国生み」の神話において、
伊邪那岐(イザナギ)と伊邪那美(イザナミ)という男女の神が出会い、
まずイザナミが「なんと愛らしい男、素晴らしい男だろう」とイザナギを褒め、次にイザナギが「なんと愛らしい女、素晴らしい女だろう」とイザナミを褒めたという場面があります。
二神は目を合わせた後、身体を重ねたとされています。
言葉や表現は社会の変化とともに変わっていきますが、『古事記』に登場する表現を見るたびに(特に前述の二神の会話の部分)、現代の性的表現よりも直接的でありながらも隠喩的というか、日本語は非常に興味深い言語だと感じるのです。
with the graceful moments 💕
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by リサ@サブミッシブ