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2024年の個別株投資振り返り

 今年も残すところあとわずかとなりました。個別株投資の振り返りです。


2024年全体パフォーマンス

+350万円(確定損益ベース)
 資産が証券口座のなかでごちゃごちゃなので、増減率を算出するときの分母をどう置けばよいのか難しいのですが、信用取引の担保に入れることのできる資産額(特定口座の投信・現物株と現金同等物)を分母にすると、+30%~40%のパフォーマンスになりました。
 今年のオルカンは+30%超ありましたので、個別株に費やした時間の分だけオルカンに実質負けているというふうな見方になると思います。

金額ベースで今年大きく負けた銘柄

BeeX(4270)

レンジっぽいですが最終的には右肩下がりでした。

 BeeXはクラウドインテグレーターの企業で、SAPやAWSに強く、売上構成もストック要素の割合が高い等、個人的にはもっと評価されるべきだと思っている企業です。一方で、テラスカイが大部分の株式を保有していて、流通株式比率がグロース市場の上場維持基準に抵触しており、会社は2026年2月期までにテラスカイからの売出しによって流通株式比率の改善を目指していること(=将来的に5%程度の売出がありうる)が懸念点のひとつです。

 左の青い矢印のところは2024年2月期の通期決算発表のタイミングで、弱気なガイダンスが示されて株価が大きく下落しました。個人的にはこの会社は弱気なガイダンスを出してくる会社だと理解していたので、いやいやみんなもわかってるはずだよねと思って買い増ししたりもしていました。
 その後含み損状態で保有してましたが、ちょうどイスラエルとイランがバチバチやり始めてしまいまして、「ミサイル発射!」のニュースを見て「これは市況がまずい」と思い、ポジを縮小(損切り)したという形です。

 右の青い矢印のところは今期の1Q決算のタイミングで、案の定弱気なガイダンスに対して良い進捗率の決算が出て株価が急騰。その後もみ合っているところで押し目買い!と思ってポジション持ったら例の8月暴落が来たという形ですね。

 反省点としては、投げてるポイントがどっちもこの銘柄の問題によるものではないという点でしょうか。信用取引メインな点の弊害なのですが、一定程度大きなポジションを持っているときに全体の市況が悪くなる(または悪くなりそうだと思う)と、どうしてもポジションを縮小したいという思いが出て、冷静さを失い、含み損を一旦投げるということをしてしまいます。長期で考えているのであればむしろ買いを入れるべきタイミングもあったでしょう。そもそも信用取引しないという選択もあるかと思いますが、するにしても余力管理をしっかりしたいところです。

 ちなみにまた最近INしました…。

ヒューマンクリエイションホールディングス(7361)

ずーっと右肩下がりではどうにもなりません…。銘柄選択の失敗。

 BeeXとほぼ同じくらいの金額負けてました。
 ヒューマンクリエイションホールディングスは、基本的には受託開発・エンジニア派遣をメインにやってる企業ですが、最近コンサル比率も高まる等、活動領域の幅を広げている企業です。当時意欲的な中期経営計画を出していましたので、四季報の予想数値もよく、業績も着実に成長を見せている企業でした。

 2023年11月あたりからポジション持ってましたが、ちょうどこのあたりで利益率が少し下がってしまって、決算的にはいい数字が出なくなってきてしまいました。中長期目線で考えてたので、まあ次の決算も見ますか…とやってるうちに例の8月暴落が来て、ポジション縮小で損切りしたという流れでした。

 反省点としては先程のBeeXと同様のものが挙げられると思います。また、中期経営計画をわりと無批判に信用しすぎたなという思いもあります。中期経営計画の実現可能性が本当にあるのか? しっかり批判的な目で検討することが当然のことながら大事ですね。もう少し批判的な目を持てていれば、損切りになるとしてももう少し早いタイミングでできたと思いますし、そもそもポジションを取らずに様子見という選択肢も取れたかもしれません。

 ちなみに最近、意欲的な中期経営計画が1年後ろ倒しされて『中長期経営方針』に変更されたようで、2030年にEPS1000(その後株式分割したのでEPS500)の目標が掲げられ、積極的な株主還元策を行うことも約束されています。実際に12月13日には発行済株式総数(自己株式除く)7.35%を上限とする自社株買いが発表されました。

金額ベースで今年大きく勝った銘柄

ジャパンワランティサポート(7386)

調整が来るまではほぼ3倍になっていた。

 保有は2022年末頃からでした。この企業は延長保証事業がメイン事業で、ストック性がかなり強く収益が安定している&利益率も高いところ、ちょうどBPO事業も始めてフロー収益も計上され始め、決算がずっとイケイケで、株価もイケイケでした。

 ところが、2024年2Q決算で、主要な取引先であったヤマダデンキ関係の延長保証事業の新規会員登録が停止される旨のアナウンスがあり、株価が大きく調整することになりました。また、これまで事業を牽引してきた庄司社長が健康上の理由により辞任するといった経営体制の変更もありました。

 私がこの銘柄に投資していたのは、好調な業績と魅力的なビジネスモデルといった点もありましたが、庄司社長の上場会見を見て、この社長なら期待できると思ったことによるものでしたので、社長交代のリリースが決め手となって保有株を全て投げました。

 この銘柄については反省点があり、実は2024年1Q決算あたりから、この会社の延長保証事業の勢いが鈍化しているんじゃないか?という懸念を、バランスシートを見て感じていました。ただ、株価自体は堅調に推移していたので、自分の杞憂なのかな?と思い、その懸念に気づきつつも軽視していました。懸念を重視して一部ポジションを利益確定するという選択が取れていれば、利益額はもっと増えていました。結果論かもしれませんが、上手い人であればもう少しうまく立ち回れていたんだろうなという印象です。まだまだ経験も浅く、自分の考えに自信が持てなかったですね。

笑美面(9237)

超小型株のため値動きが荒め。

 老人ホームの紹介業のほか、老人ホーム運営のコンサルも行っている企業です。

 2024年の通期見通しがかなり強気で、これはしばらく株価が伸びそうと思って、ストップ高の翌日大きく下がったところで1回目のIN。PER25倍~30倍くらいが目標だったのでそのあたりで利確。

 その後、2024年3Q決算で進捗率がかなり悪く、ストップ安の後更に大きく下げてきている局面で、社長がラジオ番組等に出演していたところ、通期目標達成には自信がある旨の発言があり、理由として挙げられていたものも納得できるものだったので、株価は未達を織り込みすぎているのでは?と感じて2回目のIN。ただ、本決算が出る前にかなり煽られていたこともあって投資家の期待値が高すぎるんじゃないか?とも感じ、実際の本決算前に一部利確。
 実際の本決算は通期計画をほぼ達成しており、社長の発言通りだったのですが、2025年の見通しが期待よりは利益が伸びずというところで、決算後は軟調な展開です。

 現時点でも保有中です。前期もしっかり成長していて、今期も売上高+50%、EPS+23.9%の予想の企業がPER10倍台後半はさすがに評価不足なんではないかと思ってはいますが、一方で老人ホーム紹介業で高額の紹介料を老人ホームから受け取って斡旋することが社会問題化しそうな雰囲気があること、業態的にバリバリ稼ぐと行政サイドから何らかの規制が入りそうだなというのがリスクだなと考えています。また最近社長が「取引先との関係強化」という名目で自身の持ち株を譲渡したことも気になっています。

 この銘柄については割と狙い通りのトレードができていたと思います。

2025年に向けて

 年間損益がプラスだと調子に乗ってしまいそうになりますが、実際のところは自分の実力というよりは、市況が良かったというファクターがかなり大きいと思います。今、恵まれた環境であるうちにしっかり勉強して経験して成長して、厳しい局面がやってきてもうまく立ち回れる投資家になっていきたいですね。

 個人的な感想としては2024年は取りこぼしが多い年でした。含み益を伸ばそうと握りしめたが結局値が戻ってきてしまうということがよくありました。過剰にホームラン狙いをしているような気がするので、ツーベースくらいでいいやの考えも少し持つ必要があるのかなと思っています。

 また、業績の成長性と株価の割安さを理由に株を買うことが多いんですが、特に2024年前半あたりまで、チャートが横ばいかやや右肩下がりな企業を安易に選んでることが多かったです。これは良くなかったなと最近は思っています。このアプローチは、自分だけがこの企業のポテンシャルに気付いている、市場は間違っているというアプローチで、確かに当たれば最もパフォーマンスが出ると思うのですが、少なくとも初心者である私がこんなアプローチをするのはあまりにも自信過剰だったと思います。もちろん、よくよく調べた結果であればいいとは思うのですが…。

 長くなってしまいました。ありがとうございました。

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