PCブラウザ版脱出ゲーム 備忘録①
■ 脱出ゲームとの出会い
筆者が最初にプレイした脱出ゲームは、むぎ茶のもと様の『ゆみちゃんの部屋から脱出』です。
2011年12月公開の作品ですが、プレイしたのはそれより数年後だと思います。
何気なく遊んだこの作品から一気に脱出ゲームの虜になりました。
それ以来、脱出ゲーム紹介サイト日本語版無料脱出ゲーム集を利用する機会が増えました。
当時は日本語版無料脱出ゲーム集・脱出ゲーム王・脱出ゲーム大百科・だしゅつ!といった脱出ゲーム紹介サイトをよく見ていました。利用頻度も降順です。ヒントなどコメント投稿や交流は滅多にせず、所謂ROM専でした。
日本語版無料脱出ゲーム集にて紹介された作品は一通り遊びました。
余談。
『ゆみちゃんの部屋から脱出』に関して、タイトルは疎かピンク色を基調とした部屋と動物の積み木パズルという断片的な映像しか覚えておらず、先程久しぶりに見た日本語版無料脱出ゲーム集のURL末尾に適当なページ数を入力したら丁度見つけるというミラクルが起きました。何たる運の無駄遣い。
■ Flashゲームの栄枯盛衰と紹介サイトの動向
PCブラウザ版脱出ゲームの全盛期
Flash黄金時代は大体2000年~2007年前後とされています。
日本国内におけるFlash製の脱出ゲームの草分け的作品は、言わずと知れた『CRIMSON ROOM』です。2004年公開の作品で、作者は高木敏光様です。
Flash製の脱出ゲームの全盛期は2008年~2015年前後でしょうか。
先述の紹介サイト以外にも様々なwebサイトが存在しました。
脱出ゲーム大百科の『ピクトさんをさがせ!』シリーズや脱出ゲーム王の『鍵のち扉』シリーズなど、各サイトのオリジナル作品も多数ありました。
当時活躍したクオリティの高い作品を制作されるクリエイターは、挙げ始めると枚挙に暇がありません。参考までに一部の作家を列挙します。
〈※順不同、太字は現在も活動継続中の作家〉
Neutral(Mya) 様
58works 様 ※日本語版無料脱出ゲーム集の管理人
マイルドエスケープ(Tesshi-e) 様
いーちま珈琲堂(いーちま) 様
ロバミミ(K) 様
コトリノス 様
yonashi 様
45rpm(suzumeDr) 様
migilua 様(旧ぷぅぽ)
ゲルマン塊 様
散歩マンの脱出部屋 様
86ゲーム 様
AZTEC GAMES 様
petithima 様
灯りの在り処 様
AppGoya 様(旧Hottategoya Games)
脱出太郎 様
TERMINAL HOUSE(GUMP) 様
晴れときどき脱出(たく) 様
PCブラウザ版脱出ゲームの衰退期
アプリゲーム(モバイルOS向けゲーム)が台頭し始めると、当時活躍されたクリエイター諸氏は続々とアプリ又はsteamに主戦場を移し始めました。
2018年1月に日本語版無料脱出ゲーム集の更新が停止しました。58works様は創作の傍ら管理人をされており、既に本格的にアプリゲーム制作に移行していました。
その後、類似サイトも徐々に更新停止に。更新が滞るのは無理もありません。紹介する作品が減れば、費用対効果が見合わなくなっていきます。
やがてFlashが終焉を迎え、個人webサイトを閉鎖し、創作活動を引退するクリエイターが散見されました。
PCブラウザ版の国産インディー脱出ゲームは衰退の一途を辿ります。
脱出ゲーム紹介サイトでまともに機能しているのはだしゅつ!くらいになりましたが、そんなだしゅつ!も今や更新停止中です(2023年10月~現在)。
脱出ゲームセンターが更新を継続していますが、ほぼ海外作品です。
脱出ゲームは需要が高く、閲覧数やDL数を獲得しやすいジャンルです。
反面、ゲームの性質上、同じ作品を繰り返し遊ぶことは稀有です。常に新作が求められます。
その都度、新しい謎解きを考える作業コストはかなり高い筈です。
そうなるとクリエイターはより収益に繋がるプラットフォームに集うのが必然です。いくらプレイヤーから需要があるジャンルでも、クリエイターがいなければ作品は生まれず、作品がなければ遊べません。
今後、PCブラウザ版の脱出ゲームが隆盛を取り戻すことは困難でしょう。
■ PCブラウザ版脱出ゲームの行く末を憂う
ゲーム業界、クリエイター界隈に新陳代謝が起こることは非常に良いことです。「散切り頭を叩いてみれば文明開化の音がする」と言いますし、新しい波に乗れぬ者は淘汰される、無情の世です。
とは言え、筆者はそう簡単にPCブラウザゲームへの愛着を捨てられません。
そして、思うところあって、今春あたりから連続してだしゅつ!の新作たれ込みスレに複数の作品を他薦し始めました。
新作たれ込みスレとは、有志が作品情報を書き込むスレッドです。
それ以前もいくつかご紹介(たれ込み)したことがありました。
初めてご紹介した作品は、蛙彦様の『ストレイルームからの脱出』です。この作品は2018年1月にゲームアツマール(旧・RPGアツマール)で公開されました。残念ながら現在は遊べません。
次にご紹介した作品は、2018年2月公開のえふやん様の『ラボラトリ-研究所からの脱出-』です。こちらもゲームアツマール投稿作のため、現在は遊べません。
その次にご紹介した作品は、ロバミミ様の『Escafe』です。この作品は2021年08月に公開されました。2009年公開のFlash作品(おそらくロバミミ様の初作品)のリメイク版です。現在、ロバミミ様の個人webサイトは閉鎖され、本作以外の作品も含めプレイできません。
本格的に他薦し始めたきっかけは、2022年12月20日のゲームアツマールのサービス終了の報でした。ゲームアツマールは好きなクリエイターも多く、よく利用していました。長く利用していたこともあり、突然のサ終はそれなりにショックでした。
先述の通り、ゲームアツマールにも脱出ゲームの投稿はありました。
後悔のないよう、可能な限り遊び尽くすことにしました。このまま恒久的に遊べなくなるのは勿体ないと思える作品が多かったです。
この時期から「埋もれているインディーゲームの良作はまだまだ有る筈だ」と考え、これまでゲーム投稿サイトや個人webサイトにて公開された過去作を虱潰しに渉猟し始めました。
⇒「PCブラウザ版脱出ゲーム 備忘録②」へ続く
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