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我が家には姫がいる

ももたは今日も元気です。
おなかいっぱいで、ご機嫌さんです。

さて、ももたには弟妹がいます。
そのなかのひとりのことを書きたいなぁ。
便宜上、妹姫と呼びましょう。

姫は、ももたと兄姫の次に生まれた子です。
母親猫が3匹連れてきた子の一匹でした。
こうなったら3匹まとめて世話をするしかないか…?と思って、避妊手術につれていったりなんだりしました。
残念ながら、3匹のうちの1匹の女の子は、家の中に入ってくれず、ついには姿が見えなくなりました。写真の一枚も残っていない子です。

妹姫は、家の中で存在感のない子でした。
気配を消すのがあまりにも上手で、ごはんを食べる時でさえひっそりこっそり。
そうなると、家の中に忍者がひそんでいる、と、家族で笑ったものです。
家にいるのか、どこにいるのかわからない、幻の猫。

とても怖がりさんで、人が近づくと走って逃げる。
寝ているところを見つけて撫でようとすると、爪を立てて怒る子でした。
しかも、口は開けど声はほとんど出ない。そういう意味でも静かな子でした。
たまに、どこからか爪を研ぐ音が聞こえてくるだけ。

それが、家に来て5年ほど経った頃でしょうか。
冬場、こたつ布団の上であるという条件で、私の膝に乗るようになったのです。
これはびっくりでした。

私がいない時はそこで寝るわけではなく、私の膝代わりに座椅子などを布団の下に置いてみてもだめ。
特定の場所に座り、私の膝があり、膝の上にこたつ布団がある場合のみ、そこで丸くなることを好み、撫でたり、ブラッシングを喜ぶようになったのです。
季節が変って春になると、こたつ布団がなくなると、膝に乗らなくなった代わりに、それ以外の特定の場所、決まった椅子の上などで撫でることを許してくれるように徐々に変わっていきました。

少しずつ、少しずつ、声も出すようになってきました。
名前を呼ぶと、必ず返事をします。
彼女が人間が用事がある時も、声を出して鳴くようになったのです。

姫が賢いなあと思うのは、兄弟たちのなかで、一番、明確に意思表示をするところです。
人間への指示の出し方が素晴らしいのです。

たとえば、最初に近くに来てお尻を見せるのはご挨拶で、そっと背中を撫でるとくるりと向きをかえて、にゃあ。
これは、定位置で私を撫でなさい、の合図です。

1mぐらい離れて、にゃあ。舌なめずりをしたり、こちらを向いている時は、ご飯を用意しなさい、の合図です。

1mぐらい離れて、背中を見せて、にゃあ。これは、ついて来なさい、の合図です。
ついて行って、特定の場所で撫でなさいとか、世話をしなさい、になることが多いです。

そうやって慣れてくると、一番の甘ったれさんになったような気がします。
ゆっくりゆっくりと撫でていると、気持ちよさそうに喉を鳴らしながら、ぱっつんぱっつんとシーツやクッションに爪を立てます。
左右のふみふみがゆっくりで、それが愛しくて眺めていたら、Gパンの繊維がぱっつんぱっつんと切れてしまって、ちょっと気になる状態になってしまったこともありました。

いつまでも撫でてはいられないので、手を離そうとすると、最初は叩かれたこともあります。
自分が叩かれるのだと思って怖いのかな?と想像しました。
血を見ることもありましたが、手を怪我するのは猫飼いあるある。

でも、姫様は賢い方なので、そのうち、爪を立てずに叩くようになりました。
ぱしこーんと、なかなかいい音を立てながら叩いてくれます。ちょっと楽しい。
爪を立てずに手のひら(肉球?)だけで叩くのは、兄弟の中で姫様だけの気遣いです。器用でしょ?
手を離さずに、もっと撫でなさいよ、と引き留める仕草なのが、私も分かってきました。

姫様は遊ぶのも好きな子で、家で気配がわからない頃から、小さなぬいぐるみやたたんだ靴下をおもちゃにしていました。
朝になると、こまごまとしたものたちの置き場所が変わっているのです。
ブラッシングで抜けた毛を丸めた毛玉ボールも大好きで、自分で遊びやすい場所に口で運び、遊び始めます。
日にちが経ったから捨てようとすると、大きめの前足で上手にゴミ箱の中から拾い上げているのを見たこともあります。
ね。器用でしょ?

ちょっと毛足が長めのふかふかでつやつやのお嬢さんです。
足の裏の肉球はピンクで、白い毛がぴかぴかと光ります。
眼差しもだんだんと柔らかくなってきました。
お鼻は少し低くて、いつも鼻くそがついちゃうのは、下僕だけの秘密です。
警戒心が強いわりには、誰もいない夜中には、いわゆる「へそ天」で、白いお腹を見せていることもあるようです。
呼ぶと必ず返事をする。寄ってきたりはしないけれど、返事をする。
賢くて器用で、人見知りだけど甘えん坊な、末っ子さんです。

ももたもですが、この妹姫にも、我が家で末永くくつろいでもらいたいものです。

姫の足裏をどうぞ



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香桑
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