花を贈る
先日、同じように婦人科のがんで闘病中の伯母が喜寿を迎えた。
伯母は余命は年内であろうと宣告されたばかりだ。
遠方であるので、このコロナの流行している中では気軽に会いに行くわけにもいかない。
それで、せめて花を贈ることにした。
通販のサイトは便利で、花キューピットもあるし、個々の花屋さんのオンラインショップもある。
いくつか見て回っていると、伯母の住む同じ県にある花屋さんで、アレンジメントがおしゃれなところがあった。
喜寿のお祝いというと紫の花を勧めるサイトもあったけれども、優しい色合いがよいと思った。
伯母は抗がん剤治療を受けてから視力が落ちたと言っていたから、ピンク系で、明るくて優しい色合いか、香りのよい花を選んでほしいと注文した。
最初は送り先を入力せずに注文してしまってあわや自宅に届くところだったし、それをキャンセルして注文しなおしたら届け日を入力し忘れるし、まったく不慣れでお店には申し訳なかった。
それでも、無事にアレンジメントを届けてくださった。
伯母は生まれて初めて花束をもらったと感激したんだそうだ。
夫や息子に見せびらかしたら男どもがしゅーんとしとったわ、などと、元気な明るい声で聞かせてくれた。
受け入れようとする勇気と、できることは試みようとする前向きさをもって、今後の治療について話し合うことができた。
幸い、私のほうが一足先に緩和ケアも利用しているので、緩和ケアの利用をためらわなくてよいことを説得力をもって伝えられてよかった。
花は、生活に必ず必要なものではないかもしれないが、こうして心を慰め、励ます力を持っている。
ほんの少し、生きる力を伯母に継ぎ足すことができただろうか。
次は母の日に、母や伯母たちに花を贈ろうと思う。
素敵な花屋さんに感謝。
フルールドニアー
〒665-0865 兵庫県宝塚市寿町8-16
定休日:月曜日
http://www.f-nier.com/