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病歴26:第1クールから第2クールへ

この記事では、今回の抗がん剤治療のスケジュールについて、書いていこうと思う。
今週からは第2クールに入った。クールというのか、二回目というか。この表現の統一が難しい。
前回は1クール3セッションだったので、クールという表現がしっくり来たが、今回は1クール1点滴なので、クールというのもなんだか違うのかなぁ…?

さて、おさらい。
4月18日(月) 再発の告知。抗がん剤で治療していく方針決定。
4月20日(水) 入院。
4月21日(木) 1クール目の抗がん剤治療。
4月24日(日) 退院。
そこから、G.W.をはさみ、ちょっとばかりのんびりゆっくり。
この治療の日程のおかげで、以前から企画していた県内の温泉でちょっと贅沢する旅行にも行くことができた。この旅に行くことができるように、主治医も日程を組んでくれて、上記の最速な治療開始パターンになった。

そこは、原鶴温泉という、福岡県南部にある古い温泉地。
何度も何度も、検索サイトを行ったり来たりして、六峰館という宿を選んだ。
決め手は、部屋湯。半露天風呂つき。お部屋で温泉。ひゃっほう。
パートナーと泊まるので、一番ゴージャスな部屋でなくていい。6人でもOKなんてお部屋だと、空間があまりすぎる。
ほどほどのお値段のところで、でも、ご飯は、パートナーの好みに合わせて、鰻尽くしに変えてもらって、楽しみにしていた。
なにか特別な記念日というわけではないけれど、ちょっとだけ(個人的には思い切りのレベル)贅沢をしてみたかったのだ。
この二年間、コロナ流行の影響もあって、前回の抗がん剤治療が終わったら行こうと言っていた旅行も行っていないし、お疲れさま会を自分で企画した気分だった。
まさか、これからもう一回がんばりましょうの会になるとは思わなかった。

幸い、六峰館さんはとても親切なお宿で、抗がん剤治療を受けているのでお刺身が食べられない旨をお伝えすると、お魚の煮つけに変えてくださったり、ささっと対応してくださったことがありがたかった。
また、今回、私が学習したこととして、部屋つきの温泉であれば、今後、髪が抜けたり、外見上の理由で入浴をためらわれるようにな時に、気兼ねなく楽しめるということだ。
帰宅してから、そのことを母と話すと、今は亡き叔母が乳がんで乳房手術をした後に親戚同士で温泉に行ったけれども、身の置き所がなさそうにしていたことを思い出していた。
もう20年以上前のことになる。
こちらの知識も、設備も、今とは違う。
少しずつ、失敗しながら賢くなっていくしかない。

おかげさまで、すっかり食欲も回復した状態で、帰宅。
就労は継続しているが、G.W.で連休があった分、休み休みで助かった。
と言っても、この間、先の記事でも書いた通り、なぜかじっとしていられない、落ち着かない状態にはなっていたが。
これから、あれもできなくなる、これもやりづらくなる、という見通しが立つ分、焦らずにいられなかった。
できるうちにできることを、と思うと、今だけ頑張ろうと気合が入りすぎていたのだとも思う。

5月9日(月) 血液検査。血液の状態を見て、次の抗がん剤治療ができるかどうかの判定。
5月16日(月) 2クール目の抗がん剤治療。
3日間、仕事は休んで、今日から出勤している。
2クール目に入ってから、急に強くなってきたのは、手足のしびれや痛み、脱力感だ。
もともと不器用なのに、手が動かしづらくて、作業がしづらい。字を書くことや、箸を動かすことが難しく感じる。
スマホの画面を触るだけでも指がぴりつき、キーボードを押し間違えないが、押すたびに指が痛くなる。
料理をしようとすれば包丁を落とすし、食器を洗えば食器を落とすし、家事が難行苦行に入ってくるターンだ。
足指もしっかりとつかむ感じがなくなるのか、ふらつきやすくなってきた。
それに、味覚の異常。これまでは塩味をえぐく感じることが多かったのであるが、昨日ぐらいから塩味を感じなくなってきた。
2回目の点滴が終わってから、口の中には、シンナーのような甘い化学物質臭がただよっており、それが味を変えてしまうフィルターになっている。

前回は、これで、プリンとじゃがりこが主食の生活になって、太ったんだよなぁ…。
今回はどうやって乗り切ったものか。
体重の増加はこだわってはいけないと思うものの、気が重い。この1年で、実は5kg増えている。
運動量が下がっているし、筋力量が下がっているし、代謝が悪くなっているし、その時々の薬の副作用を加味してみても、数値は残酷である。
これで膝や腰が痛くなると、ますます運動への意欲が下がるから、ほんとによろしくない。
かといって、コロナの影響を考えると、室内で集団で行うヨガに再びトライする気にならず、ジムというのも生活の中に入れ込みづらい。
それで、Twitterの知人に勧められて、サウナスパッツなるものを購入。安い割には、汗をかきやすくなったので、これはよいかも。
ちょびっと歩いたり、エアロバイクをしたり、悪あがきは続けようと思う。
なにしろ、体力はあったほうがいいのだから。

当面の治療のスケジュールは、1か月先が不透明な状況が続く。
5月23日(月) CT。2回、抗がん剤治療をしてみての効果判定。
6月3日(金)にたぶん、血液検査。
6月10日(金) 順調にいけば3クール目の抗がん剤治療。
次からは金曜日に抗がん剤の点滴をしてもらうつもり。
なんだかんだで、毎週は通院しないといけないようだ。
3週間に1回の点滴なら、通院頻度も下がって通いやすいのではないかと思ったけれども、そういうわけでもなかった。
病気が病気、治療が治療なので、仕方がない。

就労と並行しての治療の継続は、職場の理解がないと難しいと痛感する。
私は幸い、理解のある職場でよかったが、離職してしまうと病状は回復しても就労に復帰することが難しくて困る人もいるだろう。
慢性疾患を抱えながら生きること、働くこと、は、引き続き、私の問題意識になって行くのだろうなぁ。
そこに、家族を世話すること、家事をすること、育児をすることなども加われば加わるほど、大変さは増す。
かといって、独身で、全部自分でしなければいけないというのも、相当の苦労になるはずだ。

こんなに高齢化の社会になったのだ。
働ける人が働ける部分を寄せ集めて、成り立つようなシステム作りって目指せたらいいのに。
毎週40時間以上、公私を分けて、私を無視して、ばりばりと働ける人だけ働くシステムじゃなくてさ。
いくら言っても詮の無いことかもしれないけれど、ぶつくさ言いながら、今日もできることをできる範囲で頑張るのです。

数か月後、秋口ぐらいにもう一回、温泉、行けたらいいなぁ。

部屋のお風呂はこんな感じ。風の気持ちよい日でした。


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