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書籍『天空のミラクル』
村山早紀 2016 ポプラ文庫ピュアフル
ほんの少し、不思議な力を持つ少女。
きっと少女の頃は、こんな不思議な力に憧れるものなのだ。
その頃に読んでいたら、きっと主人公と同じように唇を噛み締めて、気持ちを抑え込むようにして耐え、勇気をふるって戦ったことだろう。
大人たちの言葉を自分に話しかける言葉のように、心に刻みながら。
今、大人になってこの物語と出会った私は、主人公を守る守護霊のように肩越しからはらはらと見守るようにして読んだ。
小さなお嬢さんたちが、それぞれの精一杯で戦っている時、大人がしてあげられることは少ない。
その戦いは肩代わりができないものだから、はらはらと心配し、無事と成功を祈るしかない。
作者が大好きだったという物語は、優しくてまっすぐで、間違いなく風早の物語。
このデパートって星野百貨店?などと驚いたり、にやにやとしたくなる。きっとここはあそこに繋がっていて…とか。
この世界は思いがけない不思議がいっぱいで、この町の人はなんとなく慣れているから大丈夫よ、と、さやかに声をかけたくなった。
大丈夫。いろんなものたちが守って、見守っているから、きっと悪いようにはならないから。
それこそが、大人である作者から世界の子ども達へのメッセージであるように思った。
子どもは世界を守るなら、大人は、心ある大人は、子どものこころを守るんである。
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