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ももた、4回目の手術をした

その後のももたのことを。
去年、交通事故にあって、3回の手術を受けたももたは、おかげさまで元気にしています。
といっても、私自身が4月以降、コロナになったり、抗がん剤治療が始まったりとばたばたしており、ももたの治療のことが少し後回しになっており、気になっていました。

それまで、なるべく定期的にももたを病院に連れて行っていたのには、理由があります。
ももたの下顎の骨は中央の口先のところで、左右まっぷたつに割れており、それをワイヤーで結んで固定するようにしてありました。
そうしないと下顎が安定せずにふらふらぱかぱかした状態で、食べることも難しい。だから、ペースト状のものしか食べられない。
そういう状態だったので、顎を固定するために、極めて細いワイヤーで結んだもらっていたのです。
ところが、そのワイヤーの結び目の先っぽが、皮膚の中に隠れることなく、ほんの少し、顎の下に出ていました。
すると、そこがどうしても気になるのか、ももたもかいてしまう。
傷口が治りきらず、何度も何度も化膿してしまうため、塗り薬を使ってきました。

ねこの顎の骨というのは、毛皮の上から触れてみても、レントゲンで見ても、とても華奢です。
これで、一応の肉食獣として、肉をかみ切る力はあるんだから、すごい。
細いから、逆に、力がかかりやすくて、くっつきにくいというのもあるのでしょうか。

ねこが大きなあくびをするとき、最初に口をきゅうっと前に突き出して、そこからくわあっと大きく開きます。
そういう2段階のあくびをしようとすると、ももたの顎はおかしくなるようで、ぱきりと音がして、その後は必死で前足で顔を押さえたり、もがくことがありました。
そして、いつしか、大きなあくびはしないようになりました。
ふとした瞬間に、顎の骨がうまくはまらないようなおかしなことになるので、そのたびに、ももたは苦労してきたのだと思います。
にんげんとして、どうしてやればいいのかわからなくて、へたにいじるのももっと傷つけそうで怖くて、撫でてやることしかできずにきました。

その塗り薬がどうにもなくなるので、これは一度は動物病院に行かねばならない。
自分の治療の合間を縫って受診したところ、獣医さんから4回目の手術を提案されました。
しっかりとではないが、以前のような下顎はふらふらぱかぱするような状態ではなく、ゆるくくっついているようなので、ワイヤーを外してみましょう、と。
ちょびっとだけ、迷いが心の中で湧きました。
置いて行くには、ケージの中のももたが、とても心細そうな目をしていたので。

日を改めるには、私自身の不調と体力の問題があるため、意を決して、そのままももたを預け、手術をお願いすることにしました。
それで難しければ、もう一回、顎の固定をお願いすればいいのだし。
このまま、ワイヤーが出ているまんまにしているのは可哀想すぎる。
というわけで、ももたは4回目の手術を頑張らされることになったのです。
今度の入院は1週間。短いものでした。

ももたが退院したら私が入院になったりしたので、実はまだ、抜糸につれていってあげられていないのですが、ひさしぶりにももたの顎の下が綺麗に毛がはえそろいました。
最初は病院から借りた水色の普通のカラーをつけさせていたのですが、顎の下をいじれないようにしておけばいいので、布製のカラーに変えてみたところ、ももたにはその方が動きやすかったようです。
時折、どっかで落としてきちゃうけど、きづけばすっかりと傷が治っていました。

しかも、それだけじゃないのです。
以前に比べて、平気でドライフードを食べています。顎が平気になったということなのかしら。
食事のタイミング、量が変わってきたこと。それから、動きが身軽になった感じもします。
こないだまではもう少しぽよよんとしていたはずなのに、手触りが少し固く引き締まってきた気がするの。
なんだか、ずいぶんと、元気になってくれたような気がします。

ももとは事故に遭う以前よりも、家族との距離が近づきました。人のそばにいることで、安心するようです。
外に興味は持っても、出ようとはしません。窓の外を見ることも少ないです。
けがをした側の頭をすりすりとしてきたり、事故の痛みはもしかしたら、あんまり残っていないのかなぁ。
今日もおなかいっぱいで、ごきげんさんでいてくれるように、かいぬしもがんばるよ。

以前よりも甘え方が激しい気がします。
私が入退院を繰り返しているので、あの子なりに気を使ってくれているのかなぁと思っちゃうのが、かいぬしばかなところです。

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香桑
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