見出し画像

【ブルベ記】BRM914博多600km九州横断③ ~スタート→フォトC1赤松峠~


いざ600kmの旅へ スタート~PC1

午前8:50、一度に出ると団子状態で交通の支障になるのでバラバラにスタートをどうぞ、とのことで各々のタイミングでスタート。

まずは博多市街を東へ。
スタート早々から強い向かい風が吹いている。
事前にEpic Ride Weatherで調べて知ってはいたが思った以上に強くグロスが伸びない。
しかもこれが200キロ近く、大分の先まで続くとの予報。
200キロずっと向かい風ってどういうことやねん、と心の中で突っ込む。

そしてこれに加えてさらなる天からの試練が暑さ。
この日の福岡市の予想最高気温は36℃。
熱中症警戒アラートこそ出なかったものの、この気温で向かい風の中パワーを上げようとすればオーバーヒートへまっしぐら。
申し込んだ当初は、9月も中旬になれば少しは気温が下がって涼しいだろうと思っていたが、とんだ見当外れだった。

しばらく進むと標高300m近くある八木山峠へのヒルクライムが始まる。
ここで集団はばらけ、おのおののペースで進む。
すでに太陽が高い位置にあるため日陰はあまりなく、どんどん身体の中に熱がたまっていく。
ボトルの中身もどんどん身体の中へと消えていき、コンビニストップも増える。
いままで走ってきた中で50kmワンストップが一つの目安になっていたが、それでは到底水分が間に合わない。
結果、91.4km地点のPC1まで2軒のコンビニに寄ることになった。



そのPC1、ファミリーマート中津北店に到着したのは14時09分。
グロスは17.2km/hで貯金+46分。
一緒に立ち話をしてたランドヌールが「90キロ走って貯金が1時間もないよー」と騒いでいたのにはびっくりした。
事実、スタートからここまで、八木山峠を含むいくつか小さい峠越えがあったものの基本は平坦で貯金荒稼ぎゾーンだったはずが、爆風向かい風と暑さでそれどころではなくなっていた。
そして自分自身、ここまで貯金を計算している余裕すらない状態だったことにこのとき初めて気づき、「おいおい大丈夫なのか?」と不安が頭を過り始める。


持ってて良かった2-Runタブレット

PC1を出て早々に右太ももに違和感が。
「これは痙るヤツだ」と慌てて後続にハンドサインを出し、歩道に上がり自転車を止める。
右の太ももの前も後ろも両方である。
痙り防止用にMag-Onのローションを持ってきていたので塗って走り出したが、またも痙りかける。

「あー、これはやべーかも」と補給グッズをぶちこんでいたステムバックの中をガサゴソしていると、2-Runタブレットが出てきた。
「そうだ、これ持ってきてたんだった」と歓喜しながら即座に口に放り込む。
念のためさらにMag-Onも塗りたくる。
屈伸運動してみると違和感が収まりつつあったので、しばらくはパワーをかけずゆっくり漕いで様子を見ることにした。

よくよく思い出してみると、PC1でペットボトルの水を頭から被っていた。
その時、脚にもかけただのが、これが原因だったように思う。
かけた水は直前までコンビニの冷蔵庫でキンキン状態に。
いくら身体が火照っているとは言え、急激に筋肉を冷やし収縮させるには十分な冷たさだろう。
それこそサウナもそこそこに、強冷水風呂に入るようなものである。

そんなこともあり急に「なにやってんだろ、おれ」モードになってきてメンタルまでも落ち込む。
脚は痙りかけてまたいつ発症するかわからない。
それに加えて暑さと向かい風で上がらないスピード、想定外に増えない貯金に焦りが湧くも、風が相手ではどうしようもない。

止まるも地獄、進むも地獄。

一瞬、ほろっと頬をつたってきたのに気づいたときは、さすがにマズいと思い、味が大好きな”ライスピュレ りんごはちみつ”を流し込む。
こういうときはおいしいと思えるものを口にして気分転換するに限る。
単なるカロリー不足で心理的にぐらつくことだってあるから。

次のチェックポイントは137km地点にあるフォトチェック1の赤松峠.
少し手前から空には雲が出始めて太陽を遮り、気温も少しずつ下がってきた。
そして痙りかけていた右太ももはすっかり調子を取り戻した。
持ってて良かった2-Runタブレット


日焼けトラブルにグローブ擦れも

そしてもう一つ気になることがあった。
それが両太ももの日焼け。
今回日焼け対策は腕にアームカバー、首後ろにネックシェード、そして皮膚が露出する顔と前首、脚は日焼け止めを塗って対応した。
しかし、どうも脚の太ももから膝周りの陽が当たりやすい部分が真っ赤に焼けてヒリヒリしている。
日焼け止めが汗で流れたのだろう、と何度か塗り直したものの、効果があるような体感がない。
体質なのか前からこの部分と首は日焼けに弱く、日光皮膚炎になってかゆくなってしまう。
その兆候が出ていた。
日焼け止めが合ってないのか、巻き上げた砂やホコリで変な反応をしているのか、いろいろ可能性は上がってくるが、正しいかはさっぱりわからない。
ぬるくなったボトルの水を時々かけてヒリつきを抑えるのが精一杯だった。

気づいたら手のひらはグローブの縫い目が擦れて痛み出していた。
なんかもうこう振り返って書いていると、身体のトラブルを結構抱えてたんだな。


手のひらは終わった今も痺れてる


あの観覧車に向かって走れ

赤松峠の上りが始まると目の前の山の上には観覧車が。
あれはその峠の上にあるハーモニーランドの観覧車。
あそこまで上るのか、と思わず声に出たw。

16時55分、赤松峠の頂上に到着。
前には3人ほどランドヌールがおり順番に写真を撮っていた。
風強いですねえ、やっと涼しくなってきましたねえ、と声を掛け合う。

この時点でグロス は16.9km/h、貯金は1時間13分と少し増えた。


雲が出てきて少し涼しくなった


いよいよ九州横断のタイトル回収へ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?