【ブルベ記】BRM1005近畿400km河内長野 琵琶一④ フォトC1~白鬚神社
夜のビワイチは虚空との対話
起点のフォトチェックを済ませていよいよ本格的にビワイチスタート。
この先171.2kmのフォトチェック2までの83.4kmはチェックがなくノンストップだ。
とはいえ走り続けるのは50kmが限度なのであらかじめコンビニの位置を調べて1もしくは2ストップにする予定でいた。
ビワイチの手前からご一緒していたたねがしまんさんが「前引きますね」とするする前に出ていくと、車間がだんだんと離れ、千切れたw。
先を急ぐとはいえ、追いかけるとオーバーペースだ。
まだ道は長い。
少しずつ少しずつ彼のテールライトが遠くに離れていくのを見送るだけった。
夜の琵琶湖、ほんと何もなく真っ暗。
灯りといえば途中にぽつんとある街灯か対岸と右手の遠くに見える街明かりだけ。
そして音もしない。
横を通り過ぎる車が時折来てけたたましい音を鳴らしていくだけだ。
虚無
動くもの、生きとし生けるものの存在が消えた世界でひたすら前へ進む。
ふと空を見上げると星空が。
ブルベでの夜間走行はこれで5回目だが、これほどまでに星が見えたことはなかった。
思わずアイウェアを外してアップライトポジションで星空を眺めた。
幸いガードレールには反射板が取り付けられていたので、フロントライトを照らしていれば道の形、カーブの程度の把握はできた。
暗いながらも比較的安心要素高めだ。
なんて思ってたら突然に尿意が。
夜で気温が下がってくるとどうしてもトイレが近くなる。
フォトチェック後にいくつか道端にトイレがあったがその姿はいつの間にか消え、公衆トイレの姿は見当たらない。
やばいやばい、と思いながら進んでいるとキャンプをしているテント群が見えてきて、その近くに公衆トイレらしき建物を発見。
トイレであることを祈って急ぐと…、そこはまさに求めていたトイレだった。
( ´ー`)フゥー...
まさかの3ストップ
ビワイチが始まり最初の休憩は107.4km地点のローソン琵琶湖大橋東詰店。
時刻は23時35分でここまでのグロスは19.0km/h、貯金は1時間29分となっていた。
ここはPC3まで2回の休憩を取るプランで進んだ際の1回目で計画していたコンビニなので、2ストップは確定となった。
たくさんのランドヌールが休憩を取っている。
ビワイチもう飽きてきた、とみんなで愚痴り合いながら補給を取る。
オレンジジュースにドールのフルーツミックス、携帯するバナナと果物祭りだ。
ゆっくり休んで再スタートするも、またしばらく走ると尿意が。
先ほどの休憩でもトイレには入ったのに……。
ブルベでトイレが近いのはほんと困る。
でも我慢しては身体に毒なので入れる場所があれば入ろう、3ストップもやむなしとなった。
125.6km地点のローソン近江八幡島店でトイレ休憩。
2年前に横浜から京都まで泊まりがけで走ったときも、今回のように「止まらないとヤバい」みたいな状況でお世話になったコンビニだ。
確かあの時もトイレだったような……。
トイレを借りてチョコレート買って早々に再出発した。
148.3km地点のファミリーマート彦根ミシガン通り店でビワイチに入って3度目の休憩。
時刻は日が変わり10月6日の1時37分、グロスは19.3km/hで貯金は2時間11分。
白鬚神社までの貯金の目標にあと1時間と迫った。
冷え込んできたのでミネストローネを入れ、レッグウォーマーとアームウォーマーを装着。
ビワイチ区間、マジで闇の中の快走路で何も書くことがない。
走り始めてしばらくすると滋賀の名物、バウムクーヘンで有名なクラブハリエの横を通り過ぎる。
地中海風な白基調のおしゃれな建物でカフェスペースもある。
ここも2年前にお世話になったところで、あのときは大垣からの関ヶ原越えが思ったより冷え込んで、ここで補給と暖を取った。
今回はもちろん真っ暗なのでゲート横の名前を撮って先を急ぐこと。
街ぽい所に出たと思ったらJR長浜駅の看板が見える。
長浜といえば琵琶湖沿いで屈指のグルメ処。
鯖好きとしては鯖そうめんをいただきたいところだったが、当然こんな時間ではどこも開いてない。
他にもいろいろおいしそうなものがあったので、今度ゆっくり来ようと思った。
171.2km地点、フォトチェック2の道の駅湖北みずとりステーション到着。
時刻は3時6分、グロス18.6km/hで貯金2時間13分。
ここでもまた尿意が猛威を振るっており、撮るより先にトイレを探し駆け込む。
トイレ脇の自販機スペースにベンチがあって、一人仮眠してるランドヌールがいた。
撮影指定の看板を探すのに右往左往。
後から来たランドヌールが止まって撮っているのを見てやっと気づいたほど。
フロントライトを外して自転車と看板を照らしながら撮影した。
ビワイチ起点の看板からすでに80kmほど、ここまで信号は少なく相当な勢いで飛ばしてきたのにグロスが伸びてないのはトイレ休憩が多いからだろう。
止まるってことを想像以上にペースを落とすらしい。
その後も走り続け、やっとのことで187.0km地点のPC3セブンイレブン西浅井塩津店に到着。
時刻は3時52分、グロス18.8km/hで貯金2時間31分。
着くとかなりたくさんのランドヌールが休憩していた。
白鬚神社までの距離は41kmで、時間は日の出まであと2時間。
まだまだ信号が少ない快走区間だけど、油断はできないので、携帯用のスニッカーズバーと羊羹を2つを買ってジャージのポケットにつっこみ、ホットのBOSSカフェオレを流し入れてすぐに出発した。
白鬚神社への日の出アタック
PC3を出てすぐに上りの区間へ。
短いがパンチのある上りが2つ、しかしどちらもトンネルで峠越えなのでまだありがたい。
しかし、トンネル内の上りって永遠に続く気がしてつらい。
下り区間をかっ飛ばし、琵琶湖沿いに出るとまた平坦路に。
ここでずっと路面を照らしていたフロントライトが突然プツッと切れる。
あたりは完全に真っ暗。
慌ててもう一つをつけるが、消えたのが平坦路でつくづく良かった。
もしもさっきの下りでだったら、と思うと震えが止まらなかった。
そしてついに白鬚神社の湖内鳥居に到着。
時刻は5時40分で、日の出時刻より15分の早着。
目標達成だ。
間に合ってよかったと胸をなでおろす。
自転車を降りて日の出を待つ。
周囲には観光客らしき人々もかなりいていまかいまかと待っている。
しかしこの日は対岸の地平線上には雲がかかっており、結局鳥居越しの日の出を拝むことは叶わなかった。
それでもその時刻までは雲の向こうに上る太陽をイメージしながら対岸を眺めていた。
白鬚神社到着時点で走行距離は228.3km。
グロス19.4km/hで貯金が3時間28分。
白鬚神社で日の出を見る、という目標を立てたときはこんなハイペースで進めるのだろうかと心配だったが、結果間に合ってしまった。
今回ここまで走れたのはいままでのブルベ、特に先月の600完走からしっかり休息取れて、走力も上がったからなんだろう、とレベルアップした気分でうれしさがこみ上げてきた。
さて、後半戦へ突入だ。