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まろんのお手のトレーニング
まろんに「お手」を教えようとしましたが、思ったよりも難しく感じました。というのも、まろんは普段から片手を上げる動作をほとんどしないため、その動きに自然なきっかけがなかったからです。呼び戻しのトレーニングでは、一歩でも私の方に向かって足を動かしたらすぐにクリッカーを鳴らして移動と結びつけることで順調に進んでいました。しかし、「お手」のように特定の動作を教える場合、まろんには最初からその動作をする理由が見当たらないため、どうしても難しく感じたのでした。
何度かお手をさせようと試みたものの、まろんは何をしたらいいのか分からず、困った顔をしていました。その頃のまろんは、おやつをもらうことよりも、クリッカートレーニングが楽しくなっていて、遊んでもらいたいという気持ちが強かったのですが、どうしても「お手」の動作が分からず、指示にどう反応したらよいか迷っていました。まろんは指示されたことをやりたいと思っていたのに、どうしてもそれがわからなくて困った様子でした。
そこで、私は「お手」の指示を、まろんが理解できる形に分解することにしました。まろんには、その動作を段階的に教える必要があることを改めて実感しました。最初のステップは、まろんが片手を少しでも持ち上げることです。偶然でもいいので、手を少しでも上げた時にクリッカーを鳴らして、それが「手を上げること」と結びつくようにしました。こうして、まろんにとって手を上げることが「正しい動作だ」と理解させることができました。
その後、お手をするという最終目標に向けて、段階を追って練習しました。最初はまろんが少しでも手を上げた時点でクリッカーを鳴らし、少しずつ手を上げることを意識させました。そして、お手を完成させるために、「お手」と言いながら手を出すと、まろんはそっと手を持ち上げ、遠慮がちにおずおずと手を私の手に載せるようになりました。もふもふの手を差し出す姿は、本当にかわいらしくて、おもわず笑顔になってしまいます。
そして、時にはまろんが自分から手を出してくることもあります。おやつを準備していると、我慢できなくなったのか、自分から手を差し出してくるので、あまりにもかわいくて、いそいであげてしまいます(笑)。