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触れることでつながる猫との絆
猫と暮らし始めると、なでたり、名前を呼んだりしたくなるのが自然な気持ちです。私も、迷惑がられてもつい触りたくなってしまうタイプでした。でも、はじめて飼った猫は私が子供のころのことで、世話はほとんど母親がしていたので、あまりなついてくれませんでした。それでも、一緒に暮らせば猫は自然になつくものだと思っていたのです。
ところが、知人の話を聞いて、その考えが間違っていたと気づきました。その人は、子猫を迎えたときにペットショップのスタッフから「感染症予防のため、ケージで世話をし、鳴いてもあまり触らないように」とアドバイスされ、それを守ったそうです。すると、その子は触られるのを嫌がる猫に育ってしまい、近づいただけで逃げてしまうようになったといいます。
ジョン・ブラッドショーの『猫的感覚』によれば、猫の社会性が形成される期間は非常に短いそうです。知人の猫は、子猫時代に触られることに慣れる機会を失ってしまったのでしょう。そう考えると、猫を迎えたとき、毎日少しでもなでたり、名前を呼んだりすることが大切なのだと改めて感じました。