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お行儀よりも、まろんのかわいさ

じっと座っていてちょうだい: おねだりにかわるもの

(以下『猫のクリッカートレーニング』より引用)
 私が飼っていた猫は、皆ありとあらゆる方法で、私に食餌の準備を催促したものです。準備をしている最中、ニャオと鳴いたり、足にまとわりついたり、つまづかせたり、行く手に立ちふさがったり。いまいましいったらありゃしない。その昔、私の娘のゲイルが14歳のとき、台所に入って来て、床の上をうろうろし、特にいらいらさせる猫を蹴飛ばすしぐさをしながら、私に怒鳴りました。「ママ!」、彼女は叫びました。「ママは何やってるのよ。ママは動物のトレーナーでしょ!」。事実そのとおりなのです。  (引用ここまで)

 今でも、この部分を思い出しては自分を振り返って笑ってしまいます。

 私も、まろんにおやつを用意する間、待っていてほしいと思い、台所に置いてある椅子の上で待つように教えたことがあります。すると、まろんは台所に走ってくると、その椅子に飛び乗り、じっとこちらを見つめるようになりました。

 でも、そのうち、まろんはおやつが欲しくて、座椅子に座っている私の肩にそっと前足をのせたり、台所で立ち上がって、前足で私の足にちょんと触れたりするようになりました。それがあまりにもかわいくて……つい、すぐにおやつをあげてしまいました。

 そうしているうちに、まろんは何度も繰り返すようになり、お行儀のことなんてもうどうでもよくなってしまいました。もっとかわいく触れてほしい——そんな気持ちで、私はまろんのしぐさにすっかり夢中になってしまったのです(笑)。

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