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【EW】私のリスニング能力習得プロセス

2日中断を挟みましたが、また改めて英語について語っていきます。
今日のテーマは私が英語を聴けるようになった時の体験です。昨年オーストラリアで滞在していた時に「周りの人の言ってる事が聞き取れない。リスニング力の向上が急務だ」と感じてあれこれ試しました。サンプル数がn=1と再現性は今のところありませんが、何かしら得るものがあれば幸いです。

ここからの話は、リスニングが出来ると豪語しながら、LとRの聞き分けは出来ないし、知らない単語や聞き取れない単語が高確率で出てくるような人間が書いています。

今日の注意喚起です


書きたいこと全部書いたら長くなりました。
謎の食べ物「あんかけアグウェイツ」の部分だけでも読んでもらえると嬉しいです。好きな部分なので。


聞いて聞いて聞きまくれ

英語を聴けるようになりたい、話せるようになりたいと試行錯誤してて気付いたんですけど、リスニングやスピーキングって頭の良さじゃなくてフィジカルが重要なんですよ。いかに自分の耳や口が日本語と異なる英語にアジャストできるかどうか。自転車に乗ることやバスケのドリブルに近しいなと自分は感じました。だからよく幼い頃から始めると有利と言われるし、どうやったって時間がかかってしまうんでしょうね。

では、私はどうしたかというと、とにかく英語を聞きまくりました
朝も昼も夜も、ご飯を作る時も、散歩をする時も、買い物をしている時も、イヤホンを着用できる時は常にYouTube動画やポッドキャストなど英語のコンテンツを聞いていました。
とにかく英語を聞く時間を増やして、脳みそによく使われる英語の文章の構造を叩き込み、耳に単語の発音や英語特有のリズムを刷り込みました。脳筋的手法ですね。

これはいわゆるimmersion(イマージョン)と呼ばれる学習方法です。読書でも漫画でも映画でも何でもいいので、とにかく学びたい言語に触れる時間を増やして上達を目指します。
僕はこのリスニングのimmersionを死ぬほどやっていた。言ってしまえばそれだけです。まあ同時に英語でONE PIECEなどの漫画を読んだり、Redditという英語の掲示板のようなサイトに目を通したりもしてましたが。

英語の上達にはネイティブの恋人や友達を作って話すのが良いとよく聞きます。きっと究極のimmersionなんでしょう。が、しかし、However、世の中にはそれが簡単に出来る人と出来ない人がいます。出来ない人にとってはそれは英語を上達よりも難しいのではないでしょうか?他意のない一般論ですが。

まあ今の時代は英語のコンテンツがいくらでも転がっています。
サブスクでは洋画やカートゥーンが見放題です。YouTubeでは動画だけでなく、YouTuberや Vtuberが配信もしているので、何時間でも英語に浸る事ができます。ポッドキャストにも様々な種類のコンテンツがあるし、ネットを通じて海外のラジオ番組を聞くことさえ出来ます。
10年20年前に比べるとリスニング学習がしやすい良い世の中になったなと思います。

色々なimmersion方法がありますが、洋楽だけを聴きまくるのはあまりおすすめしないです。日本語もそうですが、歌の歌詞は詩であって文章じゃないので意味が取りづらいし、リズムに乗った発音は喋る時の発音とは違ってくるからです。


私はこれを聞いていました

上で私は死ぬほど英語を聞きまくってリスニング能力を向上させたと言いましたが、特にお世話になったのは「Trash Taste」というポッドキャスト番組です。
イギリスやオーストラリア出身で日本在住の3人のYouTuberが雑談をするラジオのような番組です。1エピソード2時間ほどの番組で、週1で最新話が更新されます。YouTubeにも動画が上げられるので、映像で実際に喋っている様子を見ながら聞くことも出来ます。

特にこの回は聞きまくりました。天城サリー(声優であり22/7というグループのアイドルでもある)がゲストとして出演した回です。
このポッドキャストの他の回や、他のコンテンツは楽しみのために視聴するので1回か多くて数回しか見てないんですけど、この回は学習のために聞いていたので、文字通り数えきれないほど聞きました。

この回を学習のために何回も聞くことにした理由は、

①ゲストの天城サリーの英語が聞き取りやすい
彼女は生まれ育ちがアメリカで第一言語は英語だけど、両親が日本人で、声優やアイドルができるほど日本語ペラペラなので、彼女の英語は(自分にとって)聞き取りやすかった。

②馴染みのあるトークテーマ
アイドルになった経緯や、声優としての仕事、アメリカと日本の違いや食べ物の話など、情景を想像しやすい内容だったのが、初心者にとっては聞き取りやすくて良かった。英語を聞く上で、聞き馴染みのない固有名詞が多く出てくるのは結構な障害なんだけど、この回は「銀魂」「秋元康」「Berryz工房」など知っている固有名詞ばかりなのも日本人に優しい。

③男の声と女の声
学習用途で聞くにあたって、男性の話す英語だけでなく女性の話す英語も聞けるのが都合が良かった。

④そもそもimmersionに力を入れようと考えたきっかけがこの回
レギュラーの3人も天城サリーも日本語ネイティブではないということで、どうやって日本語を学習したかという話になり、天城サリーが「好きなアニメである銀魂を2話分丸暗記した」「ニュース番組で正しい発音を覚えた」と言い、他にも「同じアニメを何回も繰り返し見た事がリスニングの向上に繋がった」という意見が出ました。
これを聞いて、自分も色々なコンテンツを見るんじゃなくて、自信がつくまでは同じ物を何回も繰り返し聞こうと方向転換をしました。

⑤2時間近くある時間
内容が長いのでこの動画1つに含まれる単語や表現の量が多い事がプラス要素でした。短い動画をたくさん見ると動画を切り替える必要が出てくるけど、長いとその必要が無いので楽です。

この2時間ある動画を初めからきちんと理解できていた訳ではもちろんありません。
最初は字幕をつけて音声と一緒に文字も見ていましたし、それでもそのスピードに耳も目も頭も追いつかなければ、そもそも知らない単語も読み取れない文章も多くありました。(分からない単語や文章は重要そうなら調べたけど、後半部分は面倒で調べずに放置してた部分も多い。時間が経つにつれて分かる部分が増えていった)
一言一句全ての単語や文章の意味が分からなくても、聞き取れる単語や話の流れから会話の内容を推測していました。

私はimmersionとしてこのポッドキャストを、完全には内容を把握できない頃からとにかく聞くことを目的に聞いていました。集中できない時にも、勉強時間でない時にも、兎にも角にも耳にこれを流し続けていました


頭の中の全自動翻訳機能が消えた

英語を聞きまくることでリスニング能力は向上したわけですが、その効果は段階的に実感する事ができました。大体3週間に1回くらい「あれ?なんか今日は昨日より英語が分かるぞ」って日が来ました。

まずは頭の中の全自動翻訳機能が消えました
例えば、
「I went to a restaurant where I was recommended by my son. And I ate curry.」という文を聞いたとして、今までは
「I went to a restaurant (行った レストランに) where I was recommended (おすすめされた) by my son(私の息子に). And (そして) I ate curry(カレーを食べた) .」
という風に日本語訳が自動的に脳内に聞こえてきていたのが、ある日気づいたら消えていたのです。その英語が聞き取れていてもいなくても、意味が分かっても分からなくても、日本語訳は自動では現れなくなりました。

脳内に勝手に日本語訳が出てくることはリスニングの妨げになり、これがあると速いスピードの会話についていけません。
この自動翻訳機能はimmersionを始めて間もない頃に消滅したので、リスニング力向上の第一歩なのだと思います。なので、もしもまだ消えてないならば、まずはそこを目指すことをオススメします。脳内全自動翻訳機能は消せます。

その後、上で述べたようにポッドキャストの同じ回を何度も何度も繰り返し聞く事に力を入れました。頭で分かっている文章を何度も聞く事で、耳にもその文章を分からせていたんだと思います。散歩の時なんかは、耳で聞いている事を口に出すようにもしていました。いわゆるシャドーイングですね。これも効果があったと思います。

最初は聞き取れた単語を繋いで言っている事を推測していたのが、次第に大まかな文の形を聞き取れるようになり、その後は映像無しでも意味が汲み取れるようになりました。
今は一言一句全ての単語を聞き取れる事を目標にしています。

私は怠惰で、immersionで聞きまくるコンテンツの内容を完璧に把握する前に聞きまくっていました。なので、リスニング力が向上すると「あれ?ここの話の内容は前に推測してたのと全然違うじゃん」なんて事が結構あります。これはこれで自分の成長を実感できて悪い気はしないですが…

謎の食べ物「あんかけアグウェイツ」

(上に貼った動画の切り抜き動画です。こっちは8分だけなので良かったら試しに見てみて)

この動画の2:16から天城サリーの嫌いな食べ物の話をしています。ここで彼女は「あんかけアグウェイツ」という食べ物が食感が変、スライムみたいで好きじゃないと答えます。

私は初めて聞いた時、このアグウェイツを餡かけだし中華料理か何かだと思っていました。天津飯みたいな。
ただアグウェイツで調べても何も出てこないので、そういう食べ物があるんだろうという事でどんな食べ物かは分からないまま納得して聞き続けていました。(悲しいかな、リスニングができないと、知らない単語は聞いただけでは綴りが分からない)

しかし「あんかけアグウェイツ」の姿が分からないまま聞き続けて半年ほど経ったある日、正体が判明します。

他のVtuberが料理をしている配信を観ていたら、を使用している場面で「アグウェイツ」と聞こえたのです。
この時私の脳のシナプスとシナプスが繋がり、「ああ、アグウェイツはegg white(卵の白身)だったのか!」と理解しました。すると「あんかけアグウェイツ」は「uncooked egg white(生卵の白身)」となり、食感がスライムみたいというコメントとも一致します。

「あんかけアグウェイツ」と出会って半年、これが単なる卵の白身だと判明した瞬間は最高のアハ体験でした。


これからの展望

ここまではできるようになった事を書きましたが、まだまだできない事も多くあります。

洋画などの演技の英語は囁きや呟きが多くて聞き取れない。
YouTuber、Vtuberの動画もアメリカやイギリス、オーストラリア出身の英語しか喋れないアクセント強めの人は聞き取りづらい。
語彙が貧困なので、ニュースや真面目な内容に弱い
一言一句全ての単語が聞き取れている訳でも無いので引っかけに弱い
語彙が少なく、推理力をふんだんに使っているので、コンテンツをただ視聴するだけなら得意だが、実際の会話になるとテンポが悪くなる

わあ、伸び代しかない!


というわけで、私のリスニングの勉強法について書きました。
ただ、これも自転車の乗り方と同じで、出来るようになったら出来なかった時の事を上手く思い出せないんですよね。正直、 Vtuberの配信を理解するくらいなら大学生の頃からできてたような気がしますもん。(もちろんそんなことはない)
多分、勉強することも大事ですけど、出来るようになった事を正確に自覚して、成長を喜ぶことも同時に大切なんだと思います。

今日はimmersionの話をしましたが、ホロライブのVtuberをimmersionに使っている人も多いと思うので、明日はその辺のことについて話します。

ではまた明日。


※イマージョンをアルファベットでimmersionと書いていますが、これは自分がimmersionの概念を英語で初めて知ったため、この表記の方がしっくりくるからです。

※「聞いて聞いて聞きまくれ」ってフレーズがなんだか聞き馴染みがあるなあと思ってたら、野球のオリックスバファローズの応援でよく聞くフレーズでしたわ。それだけです。

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