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【日記】「あかね噺」がめっちゃ少年漫画してる

※週刊少年ジャンプの最新話までのネタバレを含みます


    「ヒロアカ」「呪術廻戦」が最終回を迎え、ジャンプから去ってしばらく経つ。誌面は少し寂しくなったとはいえ、私は今もジャンプの最新号が読める月曜日を楽しみにしている。

    今週は「ONE PIECE」や「ルリドラゴン」、「SAKAMOTO DAYS」など面白かったのだが、中でも私の目を一際引いたのが「あかね噺」である。

    「あかね噺」は現代日本を舞台に落語を題材にしたマンガである。しかし「あかね噺」は落語の噺や業界をしっかりと少年漫画文脈に落とし込んでいて、ジャンプの誌面に並んでいても全く違和感がない。むしろ「BLEACH」のような熱いバトルマンガのような雰囲気さえ出している。

    例えば、落語の師匠と弟子というシステムや真打・二つ目・前座という身分制度を上手く利用している。

    師匠と弟子なんてものは「ONE PIECE」「NARUTO」「ヒロアカ」「ドラゴンボール」「HUNTER×HUNTER」など大抵のバトルマンガに存在する超絶王道設定である。どんな主人公にも師匠がいて、この師弟の繋がりが物語を面白くする。

    また「あかね噺」は落語家の身分である真打の書き方が上手い。
    落語家は師匠に弟子入りするとまずは前座という修行の身分からスタートする。何年か前座修行をこなすと晴れて二つ目へと昇進し、落語家になれる。そして二つ目の身分でさらに何年も研鑽を積んでようやく真打へと昇進することができ、一人前の噺家とみなされ弟子を取ることができる。

    現実世界の落語家も真打となるとそれなりの格があるのだが、「あかね噺」の真打はこの格がとんでもなく大きく描かれている。「BLEACH」でいうところの護廷十三隊の隊長のような描かれ方をしている。絵と演出によって真打の一挙手一投足に重みが与えられ、彼らが話し行動するたびに作品内の空気が引き締まるのだ。これまでに何人もの真打のキャラが出てきたが、どの師匠も方向性は違えどしっかりと格が高く描かれている。

    また真打がマンガ内で落語を演じる時も特別で、真打が高座の上で喋ると『卍解』が出せるのだ。「あかね噺」を読んだことがないと何を言っているのか分からないと思うが、『卍解』としか言いようが無いのだ。しかし、この『卍解』のおかげで真打の落語の格の高さが一目で理解でき、このマンガの落語パートを面白く読むことができる。少し前に主人公の師匠である志ぐまが「死神」という演目を演じたが、この時の演出が非常に良かった。

    そもそも、漫画の中で落語を描いて、その上(漫画として)面白くしないといけないのは相当に難しいと思うのだが、それが出来ているということはこの「あかね噺」は漫画の地力が相当にあるのだろう。


    今週の「あかね噺」はこの真打の格の高さがうまく生きていた。3人の真打が志ぐま一門解体を伝えるのだが、一剣師匠は(まいけるに)冷静に話し、ラスボス(暫定)である一生師匠はほとんど何も語らず、実力者であるうらら師匠が(熱くなったあかねを)嗜める。ざっくり言ってしまうと、今週は登場人物同士の会話しか無かったのに、しっかりと満足感があった。
    こういう、話の流れ上は必要だけど、予定調和の盛り上がりにくい回で、ちゃんと面白いマンガを見せられると、今後の展開にも期待できるので嬉しい。


    この日記はiPhoneを使って書いている。「ONE PIECE」「HUNTER×HUNTER」「呪術廻戦」のような超人気漫画は予測変換ですぐに出てくるが、「あかね噺」「SAKAMOTO DAYS」はまだ出てこない。昔は「呪術廻戦」も出てこなかったので、「あかね噺」も早く予測変換に出てくるようなメジャーな作品になって欲しい。

ではまた明日

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