«Late Night Tales» 深夜のあなたに—Nils Frahmの音楽
Jeanさんへの手紙
Bonjour J.
風に季節の移ろいを感じつつ、きょうはあなたが勧めてくれたNils Frahm の音楽を聴いています。
最初は「Late Night Tales」というアルバム。
初めて知ったアルバムなのに、なぜか懐かしさを感じながら聴きました。
「04:33」(ジョン・ケージの限定カバーバージョン/ Exclusive John Cage Cover Version)から始まります。ロマンチックな240秒!
きこえてきたのは
水の音、
人、動物たち、鳥の声、
そしてさまざまな楽器の音、
古いレコードの針音、
時を刻む音、
心臓の鼓動、そして
ノスタルジックなクラシック音楽‥
全17曲のコンピレーションアルバム。
ゆきつ戻りつ飽きずに、ずっと聴きつづけました。
過去、現在、未来、そして空間の境界の不確かさの中に放り込まれたような、切なさと同時に一種の心地よい郷愁も感じられたのです。 ニルス・フラームに出会えてよかった! ありがとう。
そして今日はまた、ビデオを見つけてくださってありがとう。
ニルス・フラームのエキサイティングなビデオ。
彼のビデオを観た思い出にコラージュを作成したので、お送りします。
お気に召すと嬉しいです。
ごきげんよう、Jさん
(付記)
夜中に雨音で目が覚めた。 激しく雨が降っている。 しかし、そうではなく、雨音はスピーカーから聞こえてきたのだ。 そのあとは、ロマンティックで穏やかな響きがつづく。
なんの脈絡もなく武満徹の "雨の樹" を思い出した。
と言っても、私は未だこの曲を聴いたことがない。本で読んだだけである。
『「雨の木」の歌を聞く女たち』
ただし、この物語は決してロマンチックでも穏やかなものでもないのだが‥
この話については、また別の機会に書いてみたい。
クラシック音楽と本と♥️さえあれば。またの出会いを楽しみにしております。