見出し画像

自家用操縦士の免許をアメリカで取得するメリット

 自家用操縦士(飛行機の運転免許のこと)を取得したい場合、日本で取得する場合と、海外で取得する場合があります。

 この資格は、多くの国で共通する資格のため、海外で取得し日本で切替できるのです。

 このため、どこの国で取得するか、選択肢は広いです。

 私の場合、アメリカでの取得を目指すことにしたので、その理由を解説します。

 自家用操縦士の資格をどこで取得すべきか迷っている人は、参考にしてください。

(1)日本での免許取得をおすすめしない理由

 費用 700万円~
 期間 8か月~
 メリット 日本語で教習が受けられる
 デメリット 時間も費用もかかる、試験が厳しい

 まず最初に、日本で免許を取得することを考えますよね?

 しかし、日本で訓練する場合、費用も時間も相当かかります。

 私がいくつかの日本のフライトスクールに問い合わせた結果、相場は想像以上に高額でした。

 そもそも、日本の場合、セスナ機の操縦があまり身近ではありません。

 訓練用セスナ機の国内保有台数が非常に少なく、訓練する場所も、教官も、不足しています。

 このため、セスナ機の利用単価がとても高額になるのです。

 さらに、セスナ機も教官も不足しているため、操縦できるのが非常に断続的になり、非効率的です。

 せいぜい、1か月あたり10時間程度しか操縦できず、訓練期間が長くなります。

 また、日本の場合、実技試験が厳しいです。免許取得の可否を判断される実技試験では、「一人前でないと免許は交付しない」ため、どうしても対策のための訓練期間が長くなります。

 どうしても土日だけ利用して取得を目指す方でもなければ、日本で自家用操縦士を取得するメリットはありません

(2)候補先①インドネシア

費用450万円(生活費・渡航費除く)
期間2か月~(渡航前座学40時間、渡航後40日訓練)
メリット 通訳がいるため英語ができなくてもOK、インドネシア人の航空英語は聞き取りやすい、免許の取得の壁が低い
デメリット 他の外国よりも費用が高額

 まず私が海外での免許取得を考えた時、最初に魅力を感じたのが、インドネシアでした。

 あまりメジャーではありませんが、インドネシアだと、集中的に訓練を受けられるため、訓練期間が非常に短くなります。

 また、インドネシアは英語が公用語ではないため、英語が苦手な方でも訓練しやすいです。

 通訳もいるため、言語の心配はほぼありません

 航空英語で一部英語が必要ですが、インドネシア人の発音はネイティブではないので、日本人でも聞き取れます。

 さらに、私が検討したインドネシアのコースの場合、自動車の合宿免許のように、免許取得まで追加費用が発生しません。

 英語がそこまで得意ではなく、費用を日本より抑えてラクに免許を取得したい方は、インドネシアで取得するのが良いでしょう。

(3)候補先②カナダ

費用210万円(生活費・渡航費除く)
期間8か月~(英語・渡航前座学6か月、渡航後2か月)
メリット 費用が最も安い。治安が良い場所が多く、生活しやすい。就労しやすい。
デメリット 高い英語力が求められる

 次に私が見つけたのが、カナダでした。

 カナダの一番の魅力は、費用が非常に安価であることです。

 さらに、ビザを取得することが容易なので、渡航後にカナダで就労することができます。

 カナダの生活費は日本よりも高額なため、現地で就労しながら免許の取得を目指す訓練生が大勢います。

 ただ、カナダの多くのスクールでは、かなり高い英語力が求められます。

 それもそのはずで、カナダの免許取得の要件に、しっかりとした英語力があるからです。

 そもそも、日常会話すらスムーズにできない場合、入校を断られる場合があります。

 座学も英語で行われるケースもあり、英語が苦手な人は、入校前に英会話スクールに通わなくてはなりません。

 日本語で座学を受けられるスクールもあるようですが、試験の時に苦労する可能性が高いです。

 ただ、すでに英語が堪能な人であれば、費用を抑えて就労しながら免許を取得できるため、カナダが一番良いでしょう。

(3)候補先③アメリカ(ロサンゼルス)

費用 230万円(生活費・渡航費除く)
期間 4か月~(渡航前準備1か月、渡航後3か月)
メリット 天候が良く、効率的に訓練できる。日本人から教えてもらえる。
デメリット 一定の英語力が求められる。生活費が高額で、治安が良くない。

 最後は、航空大国、アメリカ。

 免許を取得する国としては、王道です。

 カナダよりは少し値は張りますが、訓練先を探せれば、カナダよりも英語の壁が低くなります。

 私は、たまたま、日本人教官が運営している学校を発見できたので、ロサンゼルスの学校にお世話になることにしました。

 また、ロサンゼルスは、天候に恵まれていることで有名です。

 天候により操縦訓練がストップしづらいことも魅力です。

 学科試験と実技試験は英語ですが、学科試験は単なる暗記で乗り切れること、実技試験は、聞かれることが決まっているので、ハイレベルな英語ができなくても乗り切ることができます。

 そもそも、アメリカの試験は、一人前でなくても合格させるために実施するもので、日本のように、ふるいにかけるものではありません。

 そのため、半人前で技能や英語力に多少の不安があっても、合格しやすいのです。

 英語については、中学卒業程度の会話力があればなんとかなるので、渡航前と滞在中に頑張れば、何とかなると思います。

 学校の近くにホームステイすれば、月20万円以内で生活できますし、居住地の選択と夜間に出歩かないことを気を付ければ、安全です。

 ロサンゼルスには小さなモールが点在しているので、自転車があれば生活できることがほとんどです。

 実際、渡米してから快適に過ごすことができ、ロサンゼルスを訓練地にしたことには後悔は全くありませんでした。

 ただ、訓練途中で飛行機の操縦に対する面白さがどうしても湧かなかった私は、途中でやめて帰国することにしました。

 また、ロサンゼルスにも、フライトスクールは沢山あります。

 どこを選択するかで、値段が大幅に変動します。

 私が選択したスクールは230万円でしたが、もう一つのスクールは、340万円でした。

 こんなに簡単に変動するのかと、驚愕したのを覚えています。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?