【随想】心に響かない話
子どもの頃、怠けていたり、わがままを言ったりしたら
親に「バングラデシュの人は(※例:勉強したくても)出来ないんだよ。」(※内は何を入れても可)とよく叱られた。
なぜバングラデシュなのかは不明だが、他の国のことに思いを馳せる想像力がないからなのか私には全く響かなかった。
親は恐らく、バングラデシュの人のことを考えると頑張れたのだろう。
果たして、自分の番である。
子どもに響くように説教しようとした時期もあったが、今は一切やめた。
自分が一丁前に人に説教を垂れるような人間ではないというのもあるが、まず、感覚が違うので響かなかった、というのもある。
しかし、それは世間一般にどこでもそうだろうと睨んでいる。
親に言われて、感動して、行動を変えた。という話はあまり聞いたことがないからだ。
親の行動や態度に心動かされることはあると思うが、言葉だけでは、「確かに仕方ないよな」とはなるが、響くことはないと思う。
それは親子だけではなく、職場の上司の話でも学校の先生の話でも、誰でも同じだと思う。
つまり、大谷翔平クラスに現行一致している人でもないかぎり、
たとえどんなに素晴らしい内容だったとしても
「知っている人の教訓めいた話は響かない」ということである。
だから、私が仮にスピーチをしなくてはいけなくなったとしたら、
業務連絡とか安全注意喚起とか、百歩譲って趣味の話くらいに留めたい。
と今のうちに心に誓っておく。