【随想】スキマバイト体験記3(6〜9発目)

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６　特別養護老人ホームの清掃

老人ホーム内のトイレ掃除、廊下掃除、風呂掃除、配食の手伝いをしました。

祖母が同じような所に入っているので、他の所はどうなのか気になり潜入半分の体験です。
仕事自体はどうということもなく、「掃除」です。
手すりやトイレの床など通常の行動範囲は全て次亜塩素酸ナトリウムの希釈液で除菌します。
抵抗力の弱い老人たちが入居しているので、どこも清掃する前から清潔でした。
むしろ、昔勤務していた職場のトイレ掃除の方がエチケットが悪く汚かったです。

時間が多少余ったので配膳の手伝いをしました。

介護士さんがこれらの雑用から解放されれば本業に専念出来るので、少しは役に立ったかなと思いました。

７　野菜の皮むき

少し苦手意識のあるものもやってみようと思い女性エントリーが多いところへ。

事務所に行くと2階の休憩所で待機を指示されました。開始５分前になった時点で出発する人がチラホラ出始めました。
多分ついて行くのかなと察して跡をつけます。
ニトリルゴム手袋、エプロン、使い捨て帽子を身につけ現場へ。
ピーラーでひたすら里芋の皮むきです。
１時間くらい経った時に今まで指示していた人が「今日で4日目なんだよね」と言いました。
てっきりパートさんかと思っていたら先輩タイミーさんでした。
「なんか率先して指示してくれないなー」と思ったら、そういうことでした。
ということは、実質的には指示なし状態です。
何なら、正式な指示はまだ２階で待機のままです。
色んな所があるなと思いました。
でも、慣れれば質問するようなこともないし、放ったらかしなので楽といえば楽だなと思いました。
とにかく、ピーラーマスターには一歩近づいたと思います。

８　シュート作業

初の４時間以上の作業にエントリー。
ベルトコンベアから流れてくるダンボールをカートに入れる作業でした。
入れ方にパターンがあり、教えてもらいながらの作業です。
フロアリーダー的な初老の男性が指導してくれました。物腰柔らかく好印象です。
内容的には慣れれば考えなくても出来そうな感じです。

午後から量が増えてきました。
焦ってきます。
コンベア満杯になりそうになった時点で、近くにいた女の人が私のレーンに入ってきて無言でドスドス入れていきます。
あ、もしかしてこの人感じ悪いぞ？
と思いました。
その後、負のオーラ満開で一挙手一投足指示されました。
一番嫌いなパターンです。
不思議なものでそこから得られるものはひとつもありません。
私のアンテナに狂いはありません。

8か所目にしてやっと出会いました。
実は裏テーマとして「苦手な人との遭遇率」の調査をしていたのです。
(決してそういう性癖ではありません。)

その後、経験者タイミーさんが、
「溜まってきたらドンドン入れてくだけでも大丈夫ですよ」
とアドバイスしてくれました。
その一言でイメージがわきました。
最後の方は要領を掴み余裕がありました。

しかしながら、体力的にキツくて、手足の筋肉はつるし、喉はカラカラになりました。
水を持ってこなかったのは油断です。
仕方ないので、トイレの手洗いの水を飲みました。

ブツブツ不満を言っている人が散見され、
雰囲気もあまり良くないので、もうここはNGです。

９　スーパーのお肉コーナー

これも興味本位からのエントリー。
スーパーの裏側は未知の世界です。
でも、前回の作業で心身ともに疲れたのでタイミー熱も下がり気味です。
体の疲れは休めば回復しますが、嫌な気持ちはなかなかなくなりません。
結局、仕事は人間関係ということが身に沁みます。

お肉コーナーの手伝いでした。
いかにもお肉コーナーという感じの190cmくらいある巨大な人に教えてもらいました。
作業内容的には、
・ドリップが出ているトレーを開けて専用の紙で拭き取りトレーに戻す。
・角煮パックを開けて、一個ずつトレーに乗せる。
・冷凍鶏肉をポリ袋に開け、焼き鳥のタレを入れシャカシャカしてタレ付き串なし焼き鳥を作る。
・同じくタンドリーチキン味も作る。
・冷凍鴨肉を綺麗にトレーに並べる。
ここでタイムアップ。
終了後、客として入り直し自分が作った串なし焼き鳥を購入しました。税込で850円くらいしたので時給にしたら１時間弱を吐き出したことになります。
クリスマスイブだったので話題作りと夕食を彩ろうと思ったのです。
正直、業務スーパーで揃いそうな食材を混ぜ混ぜしただけのものですが、クセになる味で美味しかったです。

総括

・様々な職場の雰囲気を感じられた。
・予想以上に皆さん優しく指導してくれた。
・タイミーさんは優しくて大人しい人が多かった。
・時間になったら問答無用で帰れるのは清々しいくらい良い立場だと思った。
・どこまで行っても「人夫」でしかないので気が楽な反面、この生活が続くと思うとそれはそれで寂しいと思った。
・「身体が資本」だと身に沁みた。
・結局は「体験」と「小遣い稼ぎ」で本当の意味の「働く」とはどこか違う気がした。間違いなく働いているのだが…。
・学生が世間を知るのにはうってつけだと思った。私も世間知らずなので色々と思うところがあった。

この体験をムダにせず、今後に活かしたいと思います。