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【随想】お笑いを観てきて

私はお笑いが好きです。
ドリフやひょうきん族を観て育った世代だからかもしれません。
小さい頃に「天才たけしの元気が出るテレビ」が好きで毎週涙を流して笑い転げました。
特に、高田純次さんのハチャメチャな行動が面白いと思っていました。
ギャグ漫画も好きでした。
「やっぱアホーガンよ」というプロレスラーをもじったキャラクターが活躍するギャグ漫画が好きでした。
基本的にただただ下品だったような気がします。でも、時々シュールな要素が入って来て小学生の私は不思議な気分になったりしました。友だちに「なんかここ不思議だよね」と言ったら分かる人と特に引っかからない人がいました。「好み」があることに気づきました。
「ある朝起きるとアホーガンは「けっつ」になっていました。」と言う内容でした。
それを学校で言い合って、ギャハハハ!と笑い合う「ザ・小学生」でした。
後で分かるのですが、これはカフカの「変身」の冒頭部分と同じでした。
点が線になりました。
中学生のときは「電気グルーヴ」というテクノバンドの深夜ラジオを聴いていました。
私の他に一人だけ聴いている友だちがいました。
その友だちとラジオのことをコソコソ喋っていました。
暗くダサい中学時代でした。
でもそれで満たされていました。
高校生になったら、
割と普通に電気グルーヴの話ができる友だちが増えました。女子でも好きな人がいるくらいでした。
ライブにも一度行きました。
大音量と熱気で喉が渇きました。
電気グルーヴのみなさんはヤカンに入ったラグビーの「力水」のようなものをゴクゴク飲みながら、一輪車一杯に入ったポテトチップスを出して来て、
客席に向かってばら撒きはじめました。
面白かったです。
大学に入ってからはあまりお笑いの話ができる人には出会いませんでした。
NHKでやっていた「爆笑オンエアバトル」を一人で観て凄いなと思ったら、東京に進学した友だちに電話をかけて確認していました。
携帯電話はギリギリ普及していました。
M-1グランプリが始まり「笑い飯」を観たときに衝撃を受けました。
本当にしょうもないことを大人にもなって言っていたからです。
「やっぱアホーガンよ」の実写かと思いました。
妻と付き合うようになった頃、
「この人結構お笑い観てるなぁ」と思いました。
それからは二人でお笑いを観るようになりました。
北海道に笑い飯が来たときに見に行ったり、タカアンドトシが来たときにも行ったりしました。
生で観ると意外に「猫ひろしのギャグ百連発」とかの方が面白く、笑い死にしそうになりました。
生は違うんだと思いました。
親子連れが多い中、下ネタで私と妻だけが爆笑してしまったことを思い出します。
「千鳥」「麒麟」「バイきんぐ」「サンドウィッチマン」など今よくテレビに出ている人たちのネタは全部面白かったし、生で観るとオーラが別格でカッコ良かったです。
大阪に旅行したときに吉本の劇場にも行きました。
その時は「天竺鼠」が圧倒的に面白くてやっぱり凄いんだなぁと思いました。
妻が興奮してボケの川原さんのキーホルダーを買いそうになるくらいでした。
今のお笑いは色々なコンプラなどの規制があって不自由なように見えます。
メチャクチャなモノが観たいと言う訳ではありませんが、不快に感じるようなものの中にも笑いが埋まっていると思うし、発想は自由だと思います。
思考と行動は分けて物事を観る視点がないと逆に危険だと思っています。
確かに、とんねるずを観てスリッパで本当に頭を叩くような人は一定数いるので難しいところではありますが。
とにかく、お笑いを通じて新しい発想や思考に出会いたいと思いながら観ている部分はあると思います。

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