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【毎週ショートショートnote】風を治すクスリ

人類は「大気科学アトモスフィリック・サイエンス」の研究成果により、
風を自在に導けるようになった。

ただし、
導けるだけで風力のコントロールはできない。
例えるなら、ハンドルだけが効く車である。
そんな、
上級国民高齢ドライバーのような風を人類は取り締まれずにいた。

ついに、
有機化学オーガニック・ケミストリー」の分野が画期的な「クスリ」を開発した。
このクスリは例えるなら、
認知能力を回復させ、アクセルとブレーキの踏み間違いを防ぐ効果を狙ったものだった。

この「薬効」により、
地球上から台風、ハリケーン、竜巻などの
「風が治った」のだ。

しかし、
1年もすると「耐性を獲得した風」が現れ、
瞬く間に世界はパンデミックに襲われた。

その風は、ある映画監督が好むタイトルにならい「シン・新型コロナ風」と呼ばれた。

やはり、
警察学ポリス・サイエンス」の分野から「免許返納技術」が開発されないことには、
どんな「クスリ」も対処療法でしかないのだ。

(415文字)
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