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【毎週ショートショートnote】月夜の寝ぐせ

結婚を急ぎ過ぎたのかもしれない。

私がベビーカーを押しながらマメシバを散歩させていたら、
ハチワレの猫を抱いたゆるふわパーマの長身イケメンが向こうから歩いて来た。

ドキッとした。

同級生のユウトだった。

「そこのやつ取って」

「え?どれ?」

テーブルにはソースしかない。

「あなたから見て右側にある、ソースを取って。」

「あー。はいよ。」

ユウトは昔「宇宙人」と呼ばれていた。
今も変わっていない。

バツイチ子持ちがイケメンとランチしている。

傍目には幸せそうな若夫婦。

ハチとマメで5人家族?

そんな妄想に取り憑かれている。

でも宇宙人のユウトにプロポーズさせるなんて到底無理だ。

全く気が利かないんだから。
まあそれで私にチャンスが巡って来たんだろうけど。

だから私がロマンチックな舞台をセッティングした。

夜。

二人が出会った河川敷を歩く。

「俺と結婚してくれないか」

落ち着いた低い声。

驚いて横顔を見上げると
月に照らされた後ろ髪が跳ねている。

まるで宇宙にいるようだった。

(418文字)

↓こちらの企画に参加させて頂いてます🦀

↓今回はこちらの記事を参考に苦手ジャンルに挑戦してみました。
寄せに寄せました…。(薄ら寒かったですか笑)

3Bとは
Baby:赤ちゃん
Beauty:美人、イケメン
Beast:動物

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