【FDUA×Lupinus】金融業界におけるDX/AI活用~『金融AI成功パターン』出版記念(前編)
こんにちは。Lupinusでコンサルタントとして働いている天羽です。
今回はFDUAと『金融AI成功パターン』出版を記念した【金融業界におけるDX/AI活用】というイベントに参加しました。
実践的な適用事例を元に講演・ディスカッションすることを目指したイベントで、単なる教科書的な説明にとどまらず、最前線の実務者の声を元に、金融におけるDX/AI活用の到達地点を議論した非常に濃い内容でしたので、前後編に分けてご紹介いたします。
FDUA(一般社団法人金融データ活用推進協会)とは
”金融データで人と組織の可能性をアップデートしよう”というミッションを掲げ、「組織」「人材育成」「技術」の金融実務に関するノウハウを共有し、個人・企業・業界のアップデートを目指すため設立された。
おもに以下3つの活動を通じて金融業界でのデータ活用を推進している。
(1)金融機関におけるAI・データ活用を推進するためのデザインパターンの作成
(2)金融業界内・関係諸団体等との情報交換や連携
(3)金融データの魅力を発信するデータ分析コンペティションの開催、運営
【数年先の金融DX/AI活用】
課題・問題解決のための分析手法
Gartnerのハイプ・サイクルや書籍(日経、未来予想図、野村総合研究所資料)によってテクノロジーの大きな流れを読み取ることができる。
そのうえで、金融DX/AI分野における注目カテゴリは次の9つである。
技術の進化
新たなビジネスモデル
顧客体験の向上
セキュリティとプライバシー
継続的なイノベーション
組織文化の変革
パートナーシップの強化
持続可能性と社会的インパクト
リモートワークの普及
上記のような事柄が近い将来に発生するという想定で、現在の取組みを進めると、急な変化による混乱を小さくすることができる。
また、この9つとは別の軸で動いているのがメタバースであり、ここから新しいビジネスが生まれる可能性は大いにあるが、個人的にはあまりAIとの関連性はないのではないかと考えている。
2.DXデザイナー
宣伝のようになってしまうが、私たちはビジネスに活かせるDX研修を行っている。3か月程度で遂行できるものとなっており、特にビジネス寄りの技術・スキルを学ぶことができる。
3.リスキリング・アンラーン
リスキリング・アンラーンについては、『実践リスキリング』、『アンラーン戦略』などの書籍を参考にしながら実践してみるとよい。
4.型
守破離の第一段階として型を覚える必要があり、その手段になるのが『金融AI成功パターン』である。型があるから型破りなのであって、型がなければそれは形無しである。
所感
今後さらに実用化が進むAIやDXについて、金融領域での利活用方法だけでなく、分野にとらわれない汎用的な対応や取組方針、学び方について理解することができた。非常に有意義な時間でした。
【生成AIと歩む新しい金融ビジネスのあり方】
1.生成AIの衝撃
生成AIの一番の凄さは、自分の凄さについて語ることができる点である。
マーケティングにおいても、施策のアイデア出しから具体化までChatGPTを活用でき、今後は実行した施策の評価についても任せられるようになるはずである。
生成AIは、機械学習におけるモデル構築から省かれるようなデータの本質的な不必要さを理解し、アウトプットに上手に組み込むことができる。
OpenAIの研究者が執筆した『GPT-4が労働市場に与える影響と各職種のリスク評価』という論文では、米国の労働者の約80%がGPTの導入によって影響を受ける可能性があるとした。また、プロフェッショナルな仕事ほどAIに置き換わる可能性を提示した。
金融ビジネスの未来
そのうえで、今後はAIを活用しながら仕事を進めることが大前提となるはずである。
AIを活用した新たな金融ビジネスの在り方として、これまで以上に顧客のニーズが再整理され、エコシステム構築の進展・機能的価値提供の向上等の多岐にわたるビジネスの深化が問われるだろう。
所感
生成AIの仕組、その凄さについて理解するとともに、今後の金融ビジネスにおける具体的な活用方法についても学ぶことができました。実際に自分で使ってみると、質問や依頼の仕方を工夫しないと欲しいアウトプットが出ず、練習が必要だと感じました。
また、ChatGPTは革新的なツールであることは間違いありませんが、自分ができる範囲を超えたことについてはほとんど役に立ちません。今後は、自分自身で学習し、できることを増やしていける自律・自走可能な人材が活躍するのではないかと思いました。
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