グローバルな環境で働くときの、ちょっとしたコツ
「2時間後にグローバルのシニアリーダーとの1on1があるんだけど、話す内容を相談させてくれない?」と日本人同僚からチャットが来た。
久々に在宅勤務をしている金曜日、会議も少なく余裕があった私は準備を手伝うことにした。
シニアリーダーとの30分のイントロで話すべきアジェンダや英語スクリプトはAIに吐き出させつつ、同僚自身のストーリーに合うように内容を調整していく。
自己紹介のスライドは作ったものがある、というので見せてもらうと、「こうした方がグローバルのメンバーには伝わりやすい」という点がある。同僚の同意のもと、改変させてもらった。完成したスライドは、我ながら惚れ惚れするような出来だった(笑)。
同僚にエールを送った後、昼食をとり、軽く昼寝をし、予定業務に戻ったところで、「1on1が終わった」とチャットが入った。同僚としては言い足りないこともあったようだが、相談に乗ったことが多少なりとも役立ったようで嬉しかった。
同僚と話している中で、「グローバルのメンバー(主に欧州・米国)と協働するときのちょっとしたコツ」を思い出したので、記しておこうと思う。
アイスブレイクは大事。いきなり本題に入らないこと、特に欧州。
いまさら、と思うかもしれないが、挨拶に続くアイスブレイク次第で、会話や会議の雰囲気がいかようにも変わる。主体的に話題を振り、一言でも発言する。
最近の天気、週末の出来事、休暇の予定、家族の近況、両者にわかる(明るい)ニュースあたりが、誰も不快にさせない王道トピックだ。
ただし、アイスブレイクの話題を嬉々として延々と話し続けるタイプの人がいるので、うまく切り上げさせ、本題に促す話法も習得しておくべし。上手い人の話術を真似るのがよい。
相手が話すプライベートな内容に耳を傾ける。適度な自己開示も大事。
日本の職場では、家庭内の出来事や自分のプライベートなことは大っぴらには話さないが、欧米の同僚はこちらの居心地が悪くなるほど、あけすけに話す人が比較的多いように思う。
会話の中で、家族のことを続柄ではなく名前で呼ぶので、一度出てきたら名前と関係性も覚えておく。家族イベントやホリデー、宗教に関連する休暇や習慣など、相手が尊重していることを知り、次に会う機会に聞いてみる。
ついでだが、従業員が多い場合は同僚の名前はフルネームで覚えておくことも大事。発音が難しい場合は、綴りを言えるようにする。誰かを指す際、ファーストネームだけだと「誰のこと?」となり、混乱が生じる。
本人が開示しているジェンダーにも配慮する。他意なく、She / He / Theyの言い間違いをしてしまうことがあるのだが、これに関しては一瞬で直されることが多い。
相手が話すということは、こちらにもある程度の自己開示を期待されているように感じる。あまりプライベートなことを話さないと、「人となりがわからない」と言われるのだ。私としては仕事に関係しない個人的な話をすることに抵抗感があるが、家族の話、週末の出来事や写真、嬉しかったこと、失敗したことなど、簡潔に話せるようにネタをためておく。
自分はなにがしたいのか、を伝える。相手になにを期待しているのか、も伝える。
エレベーターでの短い会話でも、初めて会う人とのイントロダクションでも、上司やメンターとの1on1でも、「自分はなにを目指していて、なにがしたいのか」を発信することが大事。
我を通すというのではなく、自分はなぜここにいて、どういう方向を目指しているのか、未来志向の話をする。自分にできるか、は考えすぎない。あまり明確でなければ、数ヶ月、数週間先の目標でもよい。
そして、その自分が目指していることに、相手になにを期待しているのか、をできるだけ具体的に伝えることが大事。とはいえ、頼りすぎたり押し付けたりせず、種を蒔いておくくらいの感覚。複数のシナリオを想定しておき、筋書きに応じて次のアクションを取れるような柔軟性を持っておく。
少々漠然とした内容になってしまったが、同僚と会話する中で、特に大事だよなぁ(そして実際は難しい)、と改めて気づいた点である。
他のコツは、またいつかの機会に。