宇多田ヒカルの曲で好きな歌詞3選
愛聴しているポッドキャスト「夜ふかしの読み明かし」で、宇多田ヒカルの歌詞を読み明かす、という回があり、番組パーソナリティの3人がそれぞれ選んだベスト3曲の歌詞について語るのを楽しく聴いた。
宇多田ヒカルの楽曲は、あの衝撃すぎたデビューから現在に至るまで、途中少し離れた期間がありながらも聴き続けている。
キャッチーなメロディや透明感のある歌声に耳が傾きがちだが、彼女の豊かで繊細な感受性から紡ぎ出される歌詞がとにかくすごい。
名曲・名歌詞がありすぎるものの、「夜ふかしの読み明かし」で挙げられなかった曲から私のベスト3を選んでみようと思う。
①「道」
歌詞を見ただけで涙が出てしまう曲。それは彼女が経験した深い喪失に思いを馳せずにはいられず、自分にもいつか訪れる家族との別れに感情を重ねるから。
ここに引用したのは2番のサビだが、サビそれぞれのメッセージに心を打たれる。歌詞全体、そして「道」というタイトルにも、深くて長い闇から歩き出すさまがうかがえる。
そして最後に、<そんな気分>、と拍子抜けするような、でもあえて軽やかに装っているような雰囲気で終わる。この傷は誰にも癒せない、と言われているような切なさが残る。
ちなみに、ヘッダー画像は前回の全国ツアー「Laughter in the Dark Tour 2018」に行ったときのもの。「道」を歌ってくれて大号泣&感無量だった。
②「One Last Kiss」
この歌詞を映画館で聴いたときは電撃が走ったかのような体験だった。
それはパンデミックで世界中が鬱々としていた雰囲気や、「シン・エヴァンゲリオン」の世界観とシンクロしていたことが大きいと思う。
なんてことはない言葉のつなぎ合わせ、といえばそれまでなのだが、誰にも触れられない儚さが好き。
ところで「メロディーはさておき、歌詞を第一に選ぶこと」というルールは意識しつつも、メロディーの好みにだいぶ引っ張られてしまう。イントロの和音が美しすぎるのだもの。
③「This Is Love」
割と最近の曲を2つ選んだので、3曲目は若さ弾ける2006年の曲から。
激しく感情が揺さぶられるような、情熱的な情景が目に浮かぶ歌詞。
居ても立ってもいられず、全身がざわめき突き動かされるような強い衝動に覆われる感覚を思い出す。
「恋」じゃなくて「愛」という言葉を選んでいるのもよい。愛を求め見つけては喪失し育んできた彼女の生き方が、この頃から現れているように思う。
他にも好きな歌詞がわんさかあるが、2024年時点ではこの3曲ということにしておく。
今年開催された25周年全国ツアー「HIKARU UTADA SCIENCE FICTION TOUR 2024」は日程が合わず行けなかった。ロンドン公演もやってくれないかな、と期待していたものの発表はなかった(泣)。
落胆していたら、ライブのDVD/ブルーレイが発売されるとのことなので早速予約した。届くのを楽しみに年末まで頑張ろう!