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【知っておくべき】自宅での血圧測定、腕の位置が大切な理由
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みなさんは普段、自分の血圧を測定して記録を取っていますか👀??
血圧測定は、私たちの健康管理においてとても大切な役割を果たしています.しかし、血圧を正しく測定するには、いくつかの重要なポイントを守る必要があります.その中でも特に重要なのが"腕の位置"です.
適切でない腕の位置で血圧を測定すると、高血圧の誤診につながる可能性があり、それが後の健康リスクに大きく影響を与えます.
アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の研究チームが実施した最新の研究によると、血圧測定時の腕の位置によって測定値が大きく変わることが明らかになりました.この研究結果は、"JAMA Internal Medicine"に2024年10月7日に掲載されました.この記事では、研究の詳細と自宅で血圧を測定する際に気を付けるべき点について解説します😊
📖参考文献:Liu H, et al. JAMA Intern Med. 2024 Oct 7.
1. 腕の位置がもたらす血圧測定への影響
血圧を正確に測定するためには、腕を心臓の高さに保つことが求められています.米国心臓協会(AHA)によるガイドラインでも、背もたれのある椅子に座り、足を組まずに床に置き、腕をテーブルに乗せて心臓の高さに保つことが推奨されています.しかし、実際の診察の現場では、患者が腕をほとんど支えずに血圧を測定されることが多いのが現状です.
今回の研究では、18歳から80歳の成人133人を対象に、血圧測定時の腕の位置が測定値にどのような影響を与えるかが調査されました.対象者は3つの異なる腕の位置 "机の上に置いた状態"、"膝の上に置いた状態"、"脇にぶら下げた状態" で血圧を測定しました.その結果、腕の位置によって収縮期血圧および拡張期血圧の平均値に有意な差が見られました.
2. 腕の位置による具体的な測定誤差
腕を膝の上に置いた状態では、収縮期血圧の平均値が机の上に置いた場合に比べて3.9mmHg、拡張期血圧の平均値が4.0mmHg高くなることが確認されました.
腕を支えずに脇にぶら下げた状態で測定すると、収縮期血圧の平均値は6.5mmHg、拡張期血圧の平均値は4.4mmHgも高くなることが分かりました.
これらの結果から、腕の位置を間違えることで、血圧が実際よりも高く測定される可能性があることがわかります.例えば、収縮期血圧が123mmHgであるはずの人が、腕を支えずに測定したことで130mmHgと測定されることがあります.この違いは、治療が必要な"ステージ2の高血圧"との誤診につながる可能性があります.
3. 正しい血圧測定方法
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適切な血圧測定を行うためには、次のポイントを守ることが重要です.
★リラックスする時間を設ける
血圧を測定する前に、少なくとも5分間は静かにリラックスすることが大切です.測定前にリラックスすることで、緊張やストレスによる血圧の一時的な上昇を防ぐことができます.特に、日常生活のストレスや運動後の状態では、血圧が高くなることがあるため、測定前に心を落ち着けることが重要です.
★椅子に正しく座る
背もたれのある椅子に深く腰掛け、足を床にしっかりとつけ、足を組まないようにします.足を組むと血流が制限され、血圧が高めに測定されることがあります.さらに、背中をしっかりと支えることで、全身がリラックスした状態を保ちやすくなり、より正確な測定が可能になります.
★腕の位置を心臓の高さに保つ
腕をテーブルや腕台に乗せ、血圧計のカフが心臓の高さになるようにします.これにより、より正確な測定が可能になります.腕が心臓の高さより低いと血圧が高めに、逆に高いと低めに測定されることがあります.このため、正しい位置に腕を保つことは非常に重要です.
★適切なサイズのカフを使用する
腕の太さに合ったカフを使用することも、正確な測定には欠かせません.カフが小さすぎると血圧が高く測定され、大きすぎると低く測定されることがあります.家庭用の血圧計を購入する際には、自分の腕の太さに合ったカフが付属しているかを確認しましょう.
★測定時間帯を一定にする
血圧は1日の中で変動するため、毎日同じ時間帯に測定することが望ましいです.朝起きた直後や夜寝る前など、毎日決まった時間に測定することで、より一貫性のあるデータを得ることができます.オススメは枕元に血圧計を置いておき、起床後にトイレなどへ行かずにまず測定+夜の就寝前に測定する2回測定です.
これは人により朝方に高血圧なのか、夕方~就寝時(1日の終盤)に高血圧なのかが異なるためです💡
4. なぜ正しい測定が重要なのか
高血圧は"サイレントキラー"とも呼ばれ、自覚症状がほとんどないまま進行することが多い疾患です.高血圧を治療せずに放置すると、脳卒中や心筋梗塞など、生命に関わるリスクが高まります.そのため、正確な血圧測定によって高血圧を適切に診断し、必要に応じて治療を行うことが健康維持において非常に重要です.
正確な血圧測定ができないと、実際には正常な血圧であるにもかかわらず高血圧と診断され、不必要な薬物治療を受けることになったり、逆に高血圧であるのに見逃されてしまうリスクがあります.どちらの場合も、健康に対するリスクが増大します.特に、誤った高血圧の診断は生活の質に影響を及ぼし、不必要な医療費の負担にもつながる可能性があります.
5. 今回の研究の意義
ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームは、血圧測定における"腕の位置"の重要性を強調しています.研究の筆頭著者であるHairong Liu氏は、"腕を支えずに血圧を測定することで、収縮期血圧が実際よりも6.5mmHg高く測定される可能性がある"と指摘しています.これは、実際には正常である人が高血圧と診断され、不要な治療が行われるリスクがあることを意味します.
特に高齢者や慢性疾患を持つ人にとって、血圧測定の精度は治療方針の決定に直接関わるため非常に重要です.
今回の研究結果は、医療現場だけでなく、家庭で血圧を測定する多くの人々にとっても大きな意味を持っています.正しい血圧測定を行うことで、過剰な薬物治療や医療介入を避けることができ、適切な健康管理を実現することが可能になります.
6. 自宅での血圧管理をより良くするために
多くの人が自宅で血圧を測定していますが、日々の血圧管理においては測定の精度が非常に大切です.特に、家庭用の自動血圧計を使用する際には、腕の位置を心臓の高さに保つこと、測定前にリラックスすることなど、基本的な測定方法をしっかりと守ることが重要です.
また、医師の診察時にも腕の位置に注意して、可能であれば医療スタッフに正しい位置での測定を依頼することもオススメです.医療機関での測定でも、患者自身が正しい腕の位置を意識することで、より正確な結果を得ることができます.さらに、家庭での測定結果を医師に伝える際には、測定時の状況(例えば腕の位置や体の姿勢)も併せて伝えることで、より適切な診断と治療方針が立てられます.
また以前に血圧高値を「薬なし」で自然にコントロールをする方法の記事を出しているので、併せて読んでいただければ嬉しいです😊
7. まとめ
血圧測定は、私たちの健康を守るために欠かせない日常的な健康チェックの一つです.しかし、測定方法を間違えることで、本来必要のない高血圧の診断を受けるリスクがあります.特に腕の位置は、血圧測定の精度に大きな影響を与えるため、自宅でも医療機関でも正しい測定方法を実践することが大切です.健康管理の一環として、ぜひこれらのポイントを押さえた上で、血圧測定を行いましょう.
最近はスマホのアプリでいくらでも良いものが揃っていますので、モチベーションを保てるアプリを活用してみるのはいかがでしょうか?
日常的に血圧を測定することで、自分の体の状態をより深く理解し、必要に応じて早期に医療機関を受診することができます.また、正しい測定方法を実践することで、健康管理がより効果的になり、長期的な健康維持に寄与します.これからも、正しい血圧測定を通じて、自分自身の健康を守っていきましょう.
あとがき
血圧測定は簡単にできる健康チェックの一つですが、その精度を左右するのは私たち自身の行動です.この記事が、あなたの日々の健康管理に役立つことを願っています.正確な血圧測定を通じて、健康な未来を築いていきましょう😊
自宅での血圧測定を習慣化し、正しい方法で継続することで、より良い健康状態を維持することができます.
家族や友人にも正しい測定方法を共有し、皆で健康を守っていきましょう.
特にこれを読んでいただいている40代以降のあなた…
病魔の影はすぐ後ろにいるかもしれませんよ😈 笑
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