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勘者のゲーム|なぜ採用面接に勝てないのか

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✔ 面接は『勘者のゲーム』 ―― 質問の真意を読み解いた者が勝つ
✔ 質問への回答は目的ではなく、自己アピールの手段
ゲームへの参加資格がなければ、そもそも試合にならない。

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面接はゲームです。

ゲームである以上、仕組みと構造が分かれば十分に勝算があります。
つまり、それなりに勝てる受かるし、負け落ちても次への手ごたえがある。

でも実際のところはどうでしょう?

僕は、業界内で人材の斡旋を仕事柄することがあり、また人事の仕事をしていた頃は新卒採用を担当していて、管理職マネジメントクラスから学生まで色んな人たちの話を聞いてきましたが、まれに「この人、面接の本質がわかってるな」という人に出会います。
で、そうした人はどこかに紹介すればあっさり採用されるし、学生であれば事もなげに内々定を量産しているものです。

逆に言うと、あまりにも面接での勝ち方を知らない人が多すぎる。

ネットで調べると『面接対策ガイド』とか『よくある質問と回答例』とかをよく見かけたりしますが、それは戦い方(のごく一部)であって、勝ち方ではありません。

じゃあ、“面接での勝ち方” ―― “面接というゲームの仕組み”とは一体、何なのか?

ゲームの結果を決めているのは何か

あらゆるジャンルのどんなゲームでもOKです、思い浮かべてください。
そのゲームの結果は、何によって決まっているでしょう?

ルールやレギュレーション?
たしかに一理ありますが、それらは結果を左右するものではなく、判断する物差しです。

運でしょうか?
もちろんそれも一因ではあるけど、それだけで決まるならゲームというよりギャンブルですよね。

このテーマ、実に奥が深くて、というのも勝つために戦い方を洗練し技術を磨くことはあっても、それが本当に正しい勝つ方法なのか意識していないことが大半だからです。
そして、この勝つ方法を意識すること、つまり「結果を決めているのは何か」に、“ゲームの仕組み”を解くヒントがあります。

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世界でも有数の投資コンサルタントであるチャールズ・エリス氏は、誰もが知るメジャーなスポーツであるテニスを例に、その“仕組み”について実に上手く表現しています。

エキスパートのテニスでは、ポイントの80%が自ら勝ち取ったものであるのに対し、アマチュアのテニスでは、ポイントの80%が敵失によるものであった。
二つのゲームは基本的に正反対なのだ。プロのテニスは勝つために行ったプレーで結果が決まる「勝者のゲーム」であるのに対し、アマチュアのテニスは敗者がミスを重ねることによって決まる「敗者のゲーム」なのである。
━━━ 出典:チャールズ・エリス『敗者のゲーム』日経BP

同じルール、同じ道具でプレーしていても、プロとアマチュアではテニスで勝つ方法が違う。
プロは「ポイントを得るゲーム」、アマは「ポイントを失う」ゲーム。
もし、あなたがアマチュアのプレイヤーであれば、勝つための最善手はサーブの速力を上げることでもボールに回転スピンをかけることでもなく、とにかくミスをしないこと。
それが、参加しているゲームの仕組みなんです。


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では、面接とはどういうゲームなのか?
結論から言うと、面接は『勘者のゲーム』です。

かん-じゃ【勘者】
よく物事に気がついて頭の切れる人。
勘のよい人。あるいは、目先のきく人。知恵のまわる人。
━━━ 参考:『大辞泉』『日本国語大辞典』小学館

つまり、質問の真意にいち早く気付いて、相手が知りたがっていることに答えられるかで結果が決まります。
しかも、質問への回答として違和感のない形で。

いや、そんなの当たり前じゃん ―― て、思いました?
でもほとんどの人はコレができないんです。

質問を額面通り受け止めると、失敗する

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みなさんも気になったことがあるかもしれませんが、履歴書や職務経歴書に志望理由だったり職歴だったり保有資格だったりを書いているのに同じことを面接で聞かれたりしますけど、不思議に思いませんか?
そして多くの人はこう考えるはずです、「記入欄に書ききれなかった情報が欲しいんだ」あるいは「論理的に説明できるか試されているんだ」。
これが大きな落とし穴です。

面接での質問を額面通りに受け止めると、失敗します。

面接官が知りたいのはたったひとつ、「採用して利のある人物か」です。
新卒採用なら、「成長するポテンシャルを持っている学生か」。
中途採用なら、「組織で軋轢あつれきを生まずに活躍できる即戦力か」。


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面接官として数をこなしてくるとわかるのですが、多くの場合、質問の回答は、いかにスマートか、いかに“受け”がいいかに終始しています。
ものによっては驚くほど練り上げられていて、その洗練さには素直に感心するばかりです。
が、ハッキリ言って、重要なのはそこじゃない。

面接ですべきなのは、自分がいかに利をもたらせるかを伝えること。
質問に回答することは目的ではなくて、自らをアピールする手段なんです。

“聞かれたことに答える”というルールは守りながら、その答えに自分を迎え入れるメリットを織り込まなければならない ―― だから難しい。
当然、万人に共通する模範解答なんてありません。
だって、人それぞれでアピールできるポイントは違うから。

面接官は、その人が組織にとってプラスになるのか、手を変え品を変え聞いてきます。
もちろん、判断の基軸は「採用して利のある人物か」ですが、それを説明させるための材料を渡しているんです。
在学中に頑張ったサークル活動について深掘りされたら、それはきっと「集団での協調性があるのか」だったり「同じような頑張りを会社に入ってもできるのか」聞きたいわけで、その真意は質問の全文や直前に受けた聞かれたこととのつながりから察しなければ・・・・・・ならない。

それが『勘者のゲーム』の“仕組み”であり、面接での勝ち方になります。

そもそも試合になっているのか?

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その仕組みがわかった上で、それでも勝てない、手ごたえがないなら、残酷な現実と向き合わなければならないかもしれません。
それは「そもそも試合ができていない、試合になっていないかもしれない」という現実です。

アナウンサーという職業は、みなさんご存知でしょう。
言及することに賛否あるかもしれませんが、女性アナウンサーであれば見た目がいい人が圧倒的に多いし、男性アナウンサーに甲高い声の人はいない。
理由はおそらく説明するまでもないでしょう、その方が会社に利がある視聴率がいいからです。
つまり、アナウンサーになりたくても、参加条件見た目や声質を満たせていなければゲーム面接ができない、仮にゲーム面接に加わっても試合にならない受からないわけです。

柔道ではよく「柔よく剛を制す」と言いますが、実際のところ重量級の選手の中では軽量級の選手はほぼ苦戦を強いられますし、逆に軽量級の試合に重量級の選手が入っては公平性に欠けるでしょう。
だからこそ格闘技などは階級分けがされている。
自分に合った階級でなければ、まともな試合にはおそらくならないから。

みなさんにも入りたい会社、なりたい職業はあると思います。
でも、入社し就職するにも、条件を満たさなければ、それはかなわない。


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じゃあ、“持たざる者”のゲームは、そこで終わりなのか?
そんなことはない、人は“自分を変えられる”
んです。

本当に入りたい会社なら、そこで求められる能力はちゃんとリサーチできているでしょうか?
そしてそれを身に付けられていますか?
今はまだでも、身に付けるための努力を示せますか?

なりたい職業を追い続けたっていい。
でもそのためにはファッションやメイクを研究したり、体系が気になるならジムに通ったり、人間関係がわずらわしくても積極的に人脈を作り、ときにはアンチにめげない精神的な強さを何らかの形で得なければなりません。

どんなに頑張ってもゲームが要求する自分になれないなら、そのときはあきらめればいいんです。
下手に自分に下駄をはかせて身の丈を合わせても、どこかで無理は生じるものだし、それが原因で後悔してはそれこそ元も子もない。

自身の力量の範囲内で選べるベストなゲームで、確実に結果を出せるゲームメイクをする ―― それが面接にのぞむ理想のスタンスだと、僕は思います。

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まずは受けた質問の真意を読み解くことに頭をフル回転させる ―― それが『勘者のゲーム』の行方ゆくえを決める。
答える際には自己アピールという本来の目的を忘れないこと。
まともな試合をするためにも最低限の努力は大切だけど、そのために自分を殺したり過度に無理をする必要はない。

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すでにお気付きの方もいるかもしれませんが、本記事のタイトルは副題も含めて記事内で紹介した『敗者のゲーム』のオマージュです。(新版単行本の副題は、『なぜ資産運用に勝てないのか』。)
面接とはまったく関係ない本ですが、タイトルがなんだかかっこよくて…
つい引用してしまいました。

読み物としてもかなり面白いので、結構オススメです。


みなさんはどう思われましたか?
本記事がみなさんのワークハックになれば嬉しいです。


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