平原慎太郎 OrganWorks 『聖獣~live with a sun』
http://theorganworks.com/livewithasun/
シアタートラムにて行われたダンス公演に行ってきました。
最後のトヨタコレオグラフィーアワード受賞者(平原慎太郎さん)公演です。
平原さんの作品を見るのはDance New Air(2014年)の『談ス』以来、2回目と思われます。トヨコレのファイナルもチケット取っていたのですが、体調くずし行くのを諦めてしまいました。ただ候補者一覧を見たの時点で『これは平原さん取るんじゃないかな?』という感じでしたので、結果を聞いて、『ふむふむ、納得』という感じでした。
とにもかくにもOrganWorksは初見です。
いやぁ、すごかった。
パンフレットを買うかどうか悩んでしまったくらい、『これはかなり思想がつめこまれている!どんなこと考えた作ったのだ?!』と思ってしまうような、もう内容がギュウギュウの作品でした。
(パンフレットを購入しなかったのは、『800円以下だったら買うぞ!』と決めていたのですが1000円だったのであきらめた、私の節約精神からです!)
当日の無料ハンドアウトに、キャスト一覧と役名(コンテではめずらしいと思います)が書いてあるのです。虫や人間といった物理的なものと、様々な事象(例えば、”欠落”など)の、1人2役。(たぶん!)
おそらくその2役の見分け方は、黒い衣装か、黒い衣装を脱いだレオタード状の衣装の状態か、ということなのではないかと思います。この衣装も本当にすばらしかった…!(衣裳:西村友美子さん)
ハンドアウトに平原さんのご挨拶があるのですが、少しだけ抜粋。
今回の作品のテーマは「虫」としました。
虫と人間の重なる部分を探し、それを通じて人間を探る作品になればというのがこの作品に込められた思いです。
なるほど、確かに虫のような動きも多々あったものの、むしろ人間にできる虫的な動きの限界が垣間見えたり、人間がいつもしている動きを普段人間がしないような動きに変換していたり、意味不明な言語を使って何かを主張していたりしていて、そこから人間的な動きを再認識させられるつくりとなっていました。
また、ダンサーの身体的な強さも素晴らしい。よくもこんなに強靭なコンテンポラリーダンスのダンサーが10人も集まったものだな…。と思う素晴らしさでした。
それぞれのダンサーの経歴まで追えてないですが、おそらく新体操やバレエのテクニックをかなり学んだ方が多いのではないでしょうか。ただそれは少し(私的に)悪い部分にも働いてしまっていて、バレエ的な”ほらここでこう足を伸ばしたら美しいでしょ”というポーズがどうしても入ってきてしまうんですよね。どうしても”抜けない”。
と言いつつも、そういう場面はかなり少なく、強い身体で繊細に、そして大胆に踊る、といったタイプのダンス公演でした。
最近、ほんとうにそういうタイプのダンスが流行っているな、と思います。たとえばCo.山田うんの作品や関かおりPUNCTUMUNの作品などなど。2013年にニューヨークのジョイス・シアターで台湾のクラウドゲート2を見ましたが、その時みたの身体の強靭さ・滑らかさなどが、最近は日本でも見られるなぁ、という印象。『コドモ身体』から少しずつ潮流が変わってきているのではないかな?と思っています。(もうちょっと勉強して詳しく言語化できるようにせねば)
#ダンス #感想 #レビュー #批評 #コンテンポラリーダンス
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