【注意】語学留学で英語力を上げようと思っている方へ
今日は、語学留学の本質に迫る話について書いていきたいと思います。
「英語を話せるようになるために留学したい」と思っているすべての方にとって有益な記事になると思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。
少し長くなりますので、手っ取り早く「どうすべきなの?」というのが知りたい方は、目次の「どんな語学留学を実現すべきなのか?」という項目からご覧ください。
語学留学で英語力は上がるのか?
いきなり核心ですが、そもそも語学留学をしたら英語力が上がるのか?という問いについて考えます。
シンプルですが答えはイエスです。
英語は学習しない・触れない状態では絶対に向上しません。
どれくらい上がるかは置いておいてシンプルに英語力が上がるか否か?という問いに答えるならば「上がる」というのが正しいはずです。
それよりも問題は「自分が求めている水準まで上がるのか?」というところでしょう。
それに対しての問いで言うならば答えは「ノー」かもしれません。
留学しただけで英語が自在に喋れるようになる、目的のTOEICの点数にどんどん近づけるということはありません。
日本人と英語の関係
日本人が英語力を上げるために必要なことは何でしょうか?
とにかく学習すること。そしてそれを実際に運用する経験を積むこと。
これだけです。
日本人が海外にいるだけで思ったとおりに英語ができるようになることはない、という点において、言語学の側面から裏付けを確認していきたいと思います。
世界では「ESL」と「EFL」という英語環境を指す言葉が使われています。
ESL=English as a Second Language
EFL=English as a Foreign Language
ESLは、英語を母語としない人が、アメリカなど英語圏で英語を学ぶような環境のこと。
EFLは、日本人が日本で英語を学ぶように、英語が完全に外国語として機能している状態で学ぶような環境を指します。
言語習得に関する研究においては、ESL環境の場合は年齢が若いほど、特に発音などの習得がスムーズになるという結果が支持されています。
「言語習得の臨界期」のような言葉を使うこともありますが、要するに15歳くらいまでにESL環境に(例えば日本人が英語圏の国で英語に)触れると、英語学習に好影響が出やすい、といったような理論が概ね正しいようです。
とはいえ「大人のほうが早いが、子どものほうが優れている(Older is faster, younger is better.)」という言葉が言語学界隈ではよく言われるように、長期的に見れば高次元の英語習得の可能性があるのは若い人だが、英語は学習の側面も強く、認知能力が高い大人の方が短期的には伸びやすい。という考え方が一般的なようです。
また、EFL環境(日本人が日本で英語を学ぶ)の場合は年齢はあまり関係ないという説も支持されていて、若いうちからやっていれば純粋な英語学習時間には差が出るものの、若いから早く英語ができるようになるということはないのではないか?とのことです。
思春期までくらいの若いうちなら海外にいるだけで英語力がつく、英語力が伸びやすくなる、的なバフがかかる可能性があるものの、高校生以上になったらあんまり関係ないよ、ということです。
何が言いたいかというと、今まで英語が母語の世界で生活してこなかった大人たちにとっては、どんな環境にいるか?ということよりもごく単純に
「英語どれだけ勉強しましたか?」
「どれだけ英語を使いましたか?」
ということが英語力が上がるかどうかに影響するということです。
語学留学で英語力が思うように上がらないケース
冒頭で「留学すれば英語力がぐんぐん上がる!」ということを否定したのにはワケがあります。
言語学的な観点からもそうですが、実際に留学した方々で満足のいく結果が出せなかった方が普通にたくさんいるからです。
そうしたケースをサンプルとして見てみましょう。
レッスンに出席しない人
語学留学に行く前の方にとってはにわかに信じ難いかもしれませんが、留学先でレッスンに出ない人って結構います。
語学学校のレッスンは朝からで、朝起きれないとか何とかで欠席する場合など。
説明するまでもないかと思うので、これ以上は書きません。
あまり発言しない、できない人
次に多いのは、レッスン中に発言をしない、できない人です。
特に欧米の語学学校のレッスンはすべてグループレッスンで、自分が発言する=英語を使う機会が少ないのが特徴です。
しかも日本人は、他の国籍の方々と比較してもぶっちぎりで「指名されないと喋らない」率が高いです。
講師のレッスンスタイル次第では「講義に出てるだけ」みたいな方が発生します。
こうなるとレッスンの中で得られるものが少なくなるため、レッスン外の学習時間の確保の重要性はより高くなり、これを怠ると英語の伸びが期待できなくなっていきます。
講義聞いてるだけで英語が話せるようになるなら、Udemyなどでオンラインレッスンを視聴すればいいって話ですもんね。
以前、セブはシャイな方におすすめだ!という記事を書きましたが
他人の会話をぶった斬ってでも話す気合いが持てない方は、自分が喋らない限りレッスンが進まないマンツーマンレッスンを展開する、セブへの留学がやはり唯一のソリューションではないかと思います。
レッスン時間外に英語に触れない人
セブのように1日7~10時間のレッスンに出席する方は別ですが、欧米の語学学校などは午前中の3~4時間だけレッスンという学校も多いです。
そうすると1日の英語学習時間は3時間前後ということで、学習時間としてはあまり喜ばしくない数字で終わってしまいます。
英語はインプットだけでなくアウトプットでも力がつけられるのが利点ですので、午後は友人と出掛けて英語で会話したりすることで英語に触れる時間、自分の中で学びの時間にできる可能性を秘めています。
同じ留学をしても成果にブレが出やすいのは特にここだと思っていて、欧米の語学学校に入学する場合は、実際に確保されているレッスン時間以外でどれだけの経験が積めるか?というところを強く意識してアグレッシブに行動できるかが大きな分かれ道になると思います。
英語を「学ぼうとしていない」人
最後は英語に限らず学習におけるポイントです。
レッスンに出ているだけで「英語を学んでない」方は、英語力が上がりません。
レッスンに出席し、レッスン時間外もたくさん英語に触れるようにしているけど、何だか英語の伸びが芳しくない…。という方にありがちなケース。
例えば、レッスン中に出てきた知らない単語をメモして意味を調べたりしてますか?
レッスン中にロールプレイした表現を翌日や翌週でも覚えていられるよう何度も暗唱したりしましたか?
講師が説明した内容を本気で理解する・覚える気があるか?ということです。
日本の中学や高校にいた頃のテスト対策。
普段の授業で先生が言ったことはまるっきり覚えてないからテスト勉強の時にまとめて対策するよ〜って方は要注意です。
スポンジを海の中に放り込んでも、プラスチック包装したままだったら1ヶ月海に浸けていても水を含まないのと一緒。
英語を吸収するつもりでレッスンを受けているか?覚えるための行動を無意識のうちに取れているか?
ここが英語力アップの大きな大きな分岐点になります。
どんな語学留学を実現すべきなのか?
では、どうしたら英語力の上がる語学留学が実現できるのか?
英語学習の効率の最大化を念頭において留学先や留学方法を選ぶ際、最も大切なのは「自分のスタイルに合う方法を選ぶ」ことです。
いや、月並みな表現で全然刺さりませんわ…というご批判はもっともでございます。
ただ、留学エージェントのおすすめやSNSで見かけた情報などで、マッチしてない留学を選んでいる方が多すぎるんです。
例えば留学先を選ぶときなどがとても良い例です。
・自分で英語の勉強をどうしてもやれないから留学して一気に英語力を上げたい
・性格的にはグイグイ行く方ではない
・予算は100万円以下
こんな条件だった場合、アメリカやイギリス、オーストラリアへの2ヶ月程度の留学を選ぶよりも、セブのスパルタ系の学校に3ヶ月留学した方が絶対に効果が出ます。
でも留学エージェントは性格や英語学習の歩みまで聞いた上で学校を提案してくれるわけではないですし、SNSで得た情報はあくまでインフルエンサーにとって快適だった&ちょっと盛った成果だったりして、行ってみたものの「うーん…」ってなってしまったり。
先ほどまでに挙げた「失敗する留学のケース」というのは誰にでも起こりうること。
結局のところ、
・本気で英語に打ち込めるようなモチベーションが上がる留学先を選ぶ
・留学先のシステムで「やらざるを得ない環境」に飛び込む
の2択しか、英語力アップの観点で成功する可能性はないと思います。
だとすると、自分に合った方法を選ばなければいけないことは明らか。
例えば、ロンドンの街並みにめちゃくちゃ憧れてる!ロンドン行ったら毎日でも外に出てたくさんの文化、人と触れて学びまくりたい!というモチベーションになるなら、レッスン内容がどうという話ではなくロンドン行け!ってなりますよね。
留学=英語という考えを捨ててからが勝負
大真面目に英語にフォーカスするなら、いろんな側面から考えて自分が英語の勉強に本気になれる環境はどんな環境なのか?というのを考えてみるのがベストです。
そのとき、留学だからとかではなく、勉強としての英語を自分が本気で取り組めそうな条件で考えるのが大切。
行けばなんとかなる的な、外部要因に依存する思考だと絶対に失敗します。
英語は、やる気にならなきゃできるようにならないのは間違いない
私自身も、これまで英語学習に向き合う中で想像以上に伸びた時期と「大丈夫かこれ!?!?」と思うほど全然伸びない時期がありました。
後から振り返ってみると、伸びない時期は英語力を上げようというモチベーションが希薄で、受け身でレッスンに参加していたな…とすごく反省しています。
偉そうに厳しいことも言いましたが、同じ経験をして時間を無駄にする方が一人でも減ってくれたら幸いという気持ちですのでご容赦ください。
また「英語を学ぶ」ということについて本気で相談したい!という方は、弊社でカジュアル面談というものも実施していますのでぜひご利用ください。
予約後のカウンセリングフォーム回答時に「中の人」とご指名いただけましたら、僭越ながらわたくしが直接面談の担当させていただきます!