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オリキャラねんどろいどを作っちまおうぜ備忘録

2021年10月某日
突然その欲求は爆発した。

「甘峯朔のねんどろいどが欲しい!!!」

ワードだけ切り取れば至って普通な健全オタクの発言だが、ここには一つ異常な点がある。
それはキャラ名である。

『甘峯朔』とは私、ルナのオリジナルキャラクター(TRPGにて作ったPC)であり、ねんどろいどなんてある訳がないのだ。

そんなものを欲しがるな
うるせえ、それでも欲しいと思ってしまったんだ。やるっきゃねえ

思い立ったらやるしかあるめえよ。

しかし、私は字書きだ。
絵は描けない。立体造形などやったことない。



だが、時代と技術には恵まれている。
ねんどろいどを販売するグッドスマイルカンパニーは公式で『ねんどろいどフェイスメイカー』なるものを公開しており、そこで自分好みのキャラの顔を作ることが可能だ。

更にWEB上で制作したその顔は公式がプリント加工したものを送ってくれ、自分でカスタマイズしたお顔を手元に置く事が出来るのだ。

絵も造形も出来ないバブちゃんな私にも親切仕様。使うほかない。やってみた。

ねんどろいどフェイスメーカーはこんな感じで
さまざまなお顔が作れる


パーツは不定期に更新されていて、バラエティに富んでいる。オーソドックスなものからユニークなものまで。パーツによっては大小や角度、位置も調整できるので可能性は無限大。

しかし、甘峯朔には「頬に傷痕」という特徴があるのだ。現在の傷パーツでは甘峯らしい傷痕を頬に置くことが出来ないのでそこだけは諦めた。

まあ傷痕程度なら、マスキングテープ等を使用してそれっぽい加工を施すことも出来ることだろうと思い、こうして傷無し顔のオリキャラが出来上がった。


余談だが、甘峯朔は「顔の傷込みでAPP16、傷が無ければ恐らく17〜18」という設定がある。
頬に傷がない甘峯なんて、餡子が入ってないあんぱんみたいなモンだ。ただのパンじゃねえか
これじゃあただ顔が良いだけのナンパ野郎になってしまう
いけないわ。なんとしても私が傷をつけてやるからな
なんて要らん親バカ精神から覚悟を決めるのだった

* * *

さて、話を戻そう。

ボディに関しても「ねんどろいどどーる」なるものがこれまたグッドスマイルカンパニー公式から発売されている
まじでなんでもあるな。
オタクニッチャリスマイルが炸裂してしまう

種類も女の子・男の子・女性・男性の4種のボディと、それぞれ4種の肌色。そしてそれらに着用させられる服まで売られている。
おっと、スーツまであるじゃないか。ニチャニチャスマイルカンパニーと化した私はもう買うしかない。

オビツ11ドールというものも首のジョイント部分を加工さえしてしまえば頭身が高く、且つ着せられる洋服の種類も豊富、さらには身長も弄れるようになるらしいが、私はまだまだドール初心者。
ひとまずはねんどろいどどーるを経て、それからオビツちゃんには手を出していこうと思う。

さあ、顔は出来上がった。身体もどうにかなりそうだ。

問題は頭部パーツだ


頭部パーツに関しては、

1.自分で一からつくる

2.造形師に依頼する

3.現在発売されているねんどろいどの髪型を流用する

という手段しかない。

今まで立体造形を一度も触ってこなかった身として1は、
材料や塗料の調達や
作業スペースや時間の確保、
そして初めてによる失敗するというリスクが高すぎるため、やるのであれば最後の手段にしたい所だ。

2の手段もあるにはある。
しかし、私にも懐事情というものがある。
一個人が造形師に依頼するというのはいくら髪パーツのみでも結構な良いお値段になる。
あと単純に依頼する先のツテが見つからない。これも手段としては後ろの方に回る


となるとだ、
現在ねんどろいど化しているキャラクターの中から近しい形をしているものを探し当て、その頭部パーツを流用してしまうのが理想だ

そんな訳で、現在1000体以上発売がされているねんどろいどの髪型・髪色を漁り始めた。

理想を言うなら髪型と髪色が限りなく近いものを。
無ければ髪型が近いもので髪色はリペイントという方法を選ぼうと思い、数多くのねんどろいどたちを眺め始めた。


結論から言うと、流石に髪型髪色ともに近いものは無かった

そんな上手い話があったら、とっくの昔に甘峯朔はねんどろいど化しているはず(?)

だが、髪型が近しい形ものをいくつか見つけることができた。
これらいずれかを入手したいところ……


しかしご存知の方も多いと思うが、ねんどろいどに限らずフィギュアの類は、過去に販売されたものを入手するのが非常に困難な場合がある。

頻繁に再販がされているものや生産数が多いものなら良いが、そうでない過去の作品やキャラのフィギュアはプレ値が付いてるなんてザラである。
この辺はかつてトランスフォーマーというジャンルを通ってきた地盤があるため「おぉん……」と情けない泣き声をあげる程度ですんだ。

そんな訳で髪型候補のキャラから、現状での入手が出来るか否かの査定が始まった。


調べてみると概ね予想通り、
やはりどの子もある程度プレ値は付いている

私の条件としては、大手中古販売店から購入できることを優先とし、フリマアプリやオークションなどといった個人間のやり取りは可能なら避けたい。
そのうえでねんどろいど本体の予算は1万前後で収まってくれたら嬉しいなという淡い希望を抱きながら調べた。

候補キャラの中には、高騰に高騰が続き平均3万ちょいとかあってフィギュア界隈の恐ろしさをひしひしと感じた。
高騰具合のエグさがTFアニメイテッドのブラーくん(cv櫻井孝宏)のトイを思い出した。

てか、こんな遊び(改造&リペイント)をやるやらないに限らずフィギュアは絶対買える時に買ったほうが良い。
公式に金入れたいと思うならなら尚のことだ。いつか買えるとたか括ったら後悔する。そんなことを強く思ったりした。

そんな中で「この髪のふわふわ感は結構近いのでは?」と候補に入れていたキャラがなんと相場1万円以内
現在製造されてないキャラでこの値段は割と手が出せるじゃないか。 
そんな訳で信頼できそうな出品元から中古でお買い上げなのである


さあ、パーツは手に入ったぞ。あとはリペイントだ。
さてまたここで一つ問題が発生する。


私にリペイント技術など存在しない!


先ほども言ったが私は子供の頃から隠キャの底辺字書きをしている。
絵とか描けない。立体造形をペイントし直すとかハードルがマジやばたにえん。

いや、やる他に道が無いのであればやるしかないのだが、もしもお金で解決できるのであればお金で解決したい(クズ)
「ドラえもん〜〜!お金払うからなんとかしてよお〜〜〜!!」なんて、スネ夫とのび太のクソ面だけのハイブリッドとかひどいもんだ。

けれどなりふり構ってられない私は、


『ねんどろいど 髪パーツ リペイント代行』


そんなド直球すぎるワードをグーグル先生に聞いていた。
他にもっと良い聞き方あったんじゃない? しかし他の検索ワードも思い浮かばない。
「こーんな都合のいいサービスある訳ないやろ〜!」と思いつつ検索してみた。


あった。あってしまった。

プラモデル完成品販売・製作代行のプラビット 様

https://plabbit.net


しかも個人代行ではなく、そういう作業を専門に扱った会社が出てきた。神か?

主な代行案件をみると、プラモデルの製作やガレージキットの組み立て、それらの塗装。
週刊組み立て模型(ディアゴスティーニ等)の製作もやってくださるなどなど。

そしてその中に『ねんどろいど髪パーツのリペイント』というものがあった。神だ。

需要に対して機敏すぎるサービスである。実際ものすごくありがたい。
私のような無経験者で自覚のある不器用にはこの上なくありがたい代行なのである。

さっそく専用の無料見積もり欄を記入して返信を待つのであった。

記入するべき事項としては

・リペイント希望のねんどろいど名
・希望色
・希望の仕上げ方(単色での塗装か、グラデーションで陰影を付けるか、ツートーンや部分メッシュなど)
・リペイントパーツの所持の有無
・名前とメールアドレス

ざっとこんなところ。

因みに、それぞれ担当するモデラーさんのスケジュールが埋まっているとその部門は一時的に受付を停止する事もあるのでその辺りは要確認である!

* * *


そんな訳で査定が終わり、返信が届いた!

サイトに記載されている作業時間から算出された見積もり値段と、手元に届くまでのおおよその期間、諸々の確認事項に納得であればメールに添付された先で支払い方法や完成品の配送方法などを入力して、あとはパーツを郵送して、完成を待つだけである。楽しみ〜!

ここまでが大体、思い立ってから一週間(10月末まで)の出来事である。

11月は書きたい話を書いていればあっという間に過ぎ去った
リアルがクソ忙しかった12月も、完成を待ち望んでアホみたいな忙しさの仕事も頑張れた

心が折れそうな時は進撃の巨人や宝石の国、今をときめくタコピーの原罪を読んで癒された。

大晦日は大泉洋がエヴァに乗る様を見守った。

年を越し、元日の夜はKPCタイマンシナリオをゲーム進行部分のみGMを置いた、うちうちカプタイマンシナリオ(私一人で2キャラを操作する)とかいうガンギマリな狂気の卓を新年早々にやった。楽しかった。正直またやりたい。

そんなことをやっていればあっという間に(?)1月も中旬になってしまう。

仕上がりメールがプラビットさまから届いた!

私は今回の依頼の仕上がりをweb上でアップ可にしていたのでサイトへのリンクがメールに張り付けてあった。

「え、すご、甘峯の髪やん……」

そんな言葉が漏れた。
メールでは『画像だとイメージの色と違って見える場合がございますが、実物はリクエストに近い色味になっております』とのこと。

いやいやいや。画像からしてしっかり甘峯朔の髪色ですが??? 
すご。めちゃくちゃ綺麗に仕上がってる。
メールにて仕上がり色に問題がないことを伝え、

届いた!

か、かわいい〜〜!!


出来ちゃったよ!?え、オリキャラのねんどろいど(どーる)、出来ちゃったよ!!??
立体として存在してる!!!!
やったーーー!!!!
ハイテンションで撮影会&お披露目しちゃうぞーーー!!!!


……おや?

なんか、もう一体いるぞ?


……それは11月の頭のことである。

ドドン!


ねんどろいど 高伊奴(たかいど)・フリューゲル・京介が、なぜか出来上がっていた



私は甘峯が製作可能になった途端、次の欲求が芽生えていた

「高伊奴のねんどろいども作りてえ……!」

当然だが、この高伊奴というキャラも私の探索者キャラである。あるわけない。


無いのなら 作っちまおうぜ ホトトギス


そんな訳で顔・身体・髪を前述したように探していく。
そして髪パーツの代用品がリペイント不要だった為にコイツのが一足先に出来上がる。

フィギュア用のプラモ眼鏡を装着させればもうそこには高伊奴の生首がある。狂いそう。

リアルで「やっぱ私、天才だわ!」などと叫びながら狂う
ひとまずは、私の狂行を温かく見守ってくれている友人に生首高伊奴の画像を送りつけ、気を落ち着けたりする。

そんなこんなで、実は先に出来上がっていたキャラと出来たてホヤホヤのキャラでツーショットです!

ワ……!ワァ……!(ちいかわ)

ワァ〜〜〜!!!!(語彙死)

こ、これは……ヤベえ!!!!!!

私の作ったキャラクターが立体として存在してる!!!

出来ちゃった……ホントに出来ちゃった……
オリジナルのキャラでねんどろいどどーるが出来ちゃった……!

日常に溶け込むオリキャラねんどろどーる

いやぁ、やってみるもんだなぁ……
そんな事をしみじみ思うが、私は「作りたい!」という欲望に暴れただけで、これといった事は何もしていない。

私にあったものは狂った熱意だけ。
公式のサービスや知識と技術を持った人たちのお陰でこうして出来上がったのだ
感謝しかない。

「你好♪」

今では、キャラ二人はなぜかチャイナ服を着た状態で部屋にいる。

仕事がどんなに大変でも、なにかイヤなことがあっても、

「ま、我が家には高伊奴くんと甘峯くんが立体化した状態でいますし〜〜?( ・´ー・`)ドヤァ」

という無限の謎メンタルが湧いてくる。

おい!そこのオタク!
一次創作やTRPG探索者に魂握られたオタクたち!

オリキャラどーるはいいぞ!!!!!


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