はじめての音

朝からホームセンターに行く。
祝日の今日は保育園がお休み。
眞生がいない方があれこれ捗るんだけど、
仕方ない。

ストックボックスを作るため、
4メートルの角材をパネルソーでカットしてもらいたいのだ。
子供の手を引いてはレジに運ぶことも出来ないから、お店の人に手伝ってもらわなきゃならない。

場所は"コーナンプロ"
職人さんが材料を買いにくる中で小さい人を連れたママは目立つ。
だからすぐに店員さんが声をかけてくれた。

長い角材を2本、軽々と運んで会計をしてくれる。
「ね、かっこいいんだよー」
と眞生に言うと 「あっこい」と真似する。

寸法を出して行ったから、
工作室で担当のスタッフさんに伝える。
隅っこの作業椅子を借りて眞生に座って見ててと言う。
緊張してるな。

スタッフさんがパネルソーをセットして、
電源を入れる。

大きな音とノコギリが回転する高い金属音。
カチコチに固まり私の手を握って、
音のする方をじっと見る。
じっと。
ずっと。
あとちょっとで終わるな、と言うところで
初めて声をだした。

「よーぅぉあい」

そっか、怖いか。
けど偉かったよ、賢く見てたし、よく我慢したよと抱っこしてあげる。
しっかりしがみついて、けど、わくわくと、
不思議なものを見た気持ちでいるのが伝わる。

この子の世界がまたちょっと広がったなと思う。

店に一緒に行き、お昼ご飯を食べて、
なんとかボンド付けまでやってから昼寝の為に帰った。

昼寝から起きてパンを作ったり、
お料理を一緒にしたりしていたら、
ばばちゃんが仕事から帰ってきた。

そして
「きーーーーーーん」
と話しかける。

今日、僕は、はじめてパネルソーを見てきたよ。
キーンって音がしてたよ！
ばばちゃん！すごかったんだよ！

と言っていたのだ。
天才です。
ホームセンターで遊べる私たちはものすごく楽しい。

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