スタートアップで直面する開発チームの問題をどう解決するか?(前編)
はじめに
アーリーステージのスタートアップで直面する開発チームの課題について、私自身、これまで何回か経験し改善に向けて対応してきたことをまとめてみました。
皆さん、大体ご存知か、実践している内容かとは思いますが、初めて直面して悩んでいるEMの方や、これからそういった環境で働こうとしているEMの方の少しでもお役に立てればと思います。
よくある問題
まず最初に「リソース足りない(資金もない)」問題が根底にあり、そこを起因として、いくつかの問題が発生するケースが多いかと思います。
よくある問題の例
開発ラインが複数確保できない(1チーム or 数名で全てに対応する)
新規機能と既存機能の改善と不具合対応が一気に押し寄せてくる
判断や作業が属人的
とにかく忙しい
ざっと挙げるとこんな感じでしょうか?
経験したことがある方は「はいはい、あるある。あの時は懐かしかったなー」と思っているかもしれません。
これからそれぞれの問題について、どう対応するか考えていきます。
リソース足りない問題を考える
リソースが足りないのは、正直、採用を強化するの一択かと思います。
ただ、採用については深すぎるテーマであり、別の機会で検討したいので、ここでは深掘りはしません。
注意しなければならないのは、採用ほど不確実性が高いものはなく、計画通りには行かないため、やり方を間違えると、時間とお金だけが消えていく結果になります。
ですので、しっかりとポイントは抑えて計画を立てた方が良いかと思います。
(これから話すことは、人員計画がある前提で話します)
初めにやること
Job Descriptionがなかったら、まずは作りましょう。
当初はフルスタックエンジニアとして採用すると思いますが、フルスタックを基本路線にしつつも、それにこだわらず、バックエンド、フロントエンド、などプロダクトで必要があれば、それぞれのポジションで採用を出しても良いと思います。(ここは人員計画次第)
フルスタックのエンジニアにこだわると、長期間にわたり採用が進まないパターンもあるので、定期的に見直すことをおすすめします。
採用ポジションですが、今後の社外プレゼンスの向上のためにもCTOの存在は大きいので、CTO候補として採用した方がよいかもしれません。
また、Entrance bookと採用ピッチ資料も一緒に作った方が良いかと思います。
採用する方法を決める
採用するチャネルはいくつもあり、全部やりたくなりがちですが、優先度を決めて絞った方が運用コスト面からみても効率は良いかと思います。
あくまでも経験上ですが、
「リファラル」>「エージェント」>「ダイレクトリクルーティング(+RPO)」
の優先度で注力していくとよいかと思います。
まずは「リファラル」。
こちらは紹介していただくメンバーがいないと難しいですが、もし紹介があれば、マッチする確率は断然高いので、早期にリファラル制度を構築するのが良いかと思います。
次に「エージェント」。
ここはエージェントとの相性にもよりますが、エージェントが候補者を提案、もしくは候補者へ会社を紹介してくれるので、こちらが手を動かす時間は少なくなります。
また、高スペックの人材もプールしていることが多いので、そこへの期待も大きいです。
ただし、成功報酬はそこそこかかります。(エージェントによりけりですが)
最後に「ダイレクトリクルーティング(+RPO)」。
ここは、コストとしてどこまでやるかを決める感じです。
あまりコストをかけない(余裕がない)場合は、とりあえず求人を掲載する目的で、どこかに絞って掲載するでも良いかと思います。(自己応募を期待)
コスト的に余裕があるのであれば、RPOにお願いした方が運用は回ります。
社内メンバーでPickからやろうとすると結構工数かかるので大変です。
他にやることが多くあるので、RPOに頼んだ方が生産性は上がるかと思います。
利用するサービスですが、全部網羅すると大変なので、ある程度絞って利用するのが良いかと思います。
成功報酬の有無、利用料などで組み合わせを考えて、似たようなサービスは1つに絞って行く方が良さそうです。
なんとなくのイメージだと下記のカテゴライズを行って、そこから1つ利用サービスを選ぶ感じです。
Wantedly or YOUTRUST
Findy or Lapras or Forkwell
転職ドラフト(給与レンジで他社に勝てそうであれば)
注意すること
モノを作らないことには始まらないため、足りないポジションは業務委託で開発体制をカバーすることをまずは考えるようにしておいた方が良いです。
今現在開発体制で足りていないポジションは、業務委託の方に協力いただいて前に進めていくことが重要です。
ですので、エージェント、ダイレクトリクルーティングについては、雇用形態として業務委託も含めて募集するようにしておくと良いかと思います。
また、紹介やPickの精度を高くするためにも、エージェントやRPOとは定例等で密にコミュニケーションを取ったほうが良いかと思います。
Pick時のFBなどは、こまめに行うと精度が徐々に高くなっていきます。
精度低いままだと、うまく活用できずにコストだけ流れていくので注意が必要です。
このフェーズで採用の作業を行う人は、大体、経営メンバーか主要メンバーになるかと思いますが、採用にかけるコストを考えると、実はリクルーターを1人採用した方が(業務委託でもよいので)コストパフォーマンスが良くなる可能性もあるので、人員計画と採用コストに関しては、しっかりシミュレーションすることをおすすめします。
他にも、面接なりオファーレターなり色々ありますが、それは採用のテーマでまとめて観たいと思います。
話が長くなりそうなので、前編後編の2回に分けて行きたいと思います。
前編はここまでになります。
後編はこちらから。
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