神域のねこ(鶴形山)~子どもとお絵描きしてたころ~
つるがたやま は ふしぎ。
ちいさいけれど 神域で
くらしきのまちを いつも 見守っています。
お寺や神社をめぐる ほそい道、石段。
目の前に ぱっと あらわれる まちのながめ。
いらかの波。
わくわく さわさわ
雨だって 夏日だって 風情がある。
(要するに、ここがすきなんだ)
目の前にあらわれた しろいねこ。
空想です。
それは あなたかもしれないし わたしかもしれません。
♪柴田淳さん「椿」を聴きながら(描いた当時)
子どもとお絵かきしていました。
そのうち、子はテレビのアニメに夢中に。
そのスキに自分の絵をはじめる。
それに気付いた子が手元をのぞきこんでくる。
しまいには、私のひざの上にのっかってきて、
じっと絵を描く手元に見入っている。
「ねるこ(仮称)、そんなことしたら、パパ、描けないよ」
ママが台所から声をかける。
↑たしかにっ!手元が見えてないっ!
ある遠い夏の記憶。
その時に描いていたのが、この絵です。
子どもと言えば、こんなこともありました。
ケイタイ。
仕事中にかかってくるのは珍しい。
ママが何か手が離せない状態なのだろう。
「ねるこ、どうした、だいじょうぶか?」
「うんだいじょうぶ」
「あとでママに『いい子』してあげてね」
「はーい」
そのまま幼稚園で習ったことわざの話に。
「石橋を叩いて渡る?へぇ~、そんなこと知ってるの?」
「ぱぱ、わかる?いってみて」
「ぅん~、石でできた橋があって、
渡ってる時にこわれたらあぶないから、
叩いて調べてみようと思って、
叩いて叩いて叩いて叩きすぎたら、
こわれちゃった・・・・・
ってゆうお話だったよね」
「ちがうよぉ~」
「じゃあ、ねるこ、教えて」
「ぁのね、にちようびにぃ、くるまでおでかけするときに、
ちゃんとガソリンがはいってるかどうか、
まえのひにしらべることだよ」
「・・・・・・(あはは)
あ~、そぅかぁ。ねる、よく知ってるねー。
父も覚えとこう。他になに知ってる?」
「えびでたいをつる」
「(ぇ、ぇびでっ・・・って・・・)
ねる、えらいこと知ってるね。どういう意味?」
「んとね・・・・・・・わすれた」
「ぁ、そっかぁ。(なぜか少し、ほっ・・・)
じゃあ、また、ことわざ教えてね」
「うん」
「父はこれからお仕事で人と会うんだ。
だから、行ってくるね」
「うん、ぱぱ、おしごとがんばってね」
「ありがとう。ねるこも幼稚園がんばってね」
「はい」
つい、oyabakaアクセル全開になるから封印していた子どもの話です。
いまや子もすっかり大人だし、時の流れってほんとにはやい。
今回は実話をもとに多少脚色して書いてみました。
秋めいてきたけどまだ暑かったりもする。
どうぞみなさんお元気で。
それでは、また
追記
そういえばこの絵も「ひがしまちのねこ」と同じく
倉敷の雑貨屋さんで絵はがきとして売っていただいた時期があります。